このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
このコーナー、「旅の小ネタ」では、私たちの業務上の話や、私個人の旅の話、ちょっとした旅のヒントなどをイロイロ詰め込んでいこうと考えています。旅の小ネタ
旅するキモチによせて〜旅の小ネタより
あるとき、年配の方から「USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)も行ってみたいんだが 、若い人向けでわしら年寄りにはつまらんところなんじゃないかな?」との質問を受けた事がありますが、とんでもない思い違いだと思います。USJやTDR(東京ディズニーリゾート)に限らず、行ってみたいと思ったところがあるなら、若者向けだから・・・などと敬遠せずに、ぜひ一度足を運んでみてください。
その上で良かった、つまらなかったを論じればよいではないですか。もしつまらなければ、いくらかの時間と現金を浪費した事になりますが、それはあなたの人生にとって、全くちっぽけなことだと思うのです。それに、旅上手な人なら、もし目的地がつまらなかったとしても、往復の行程や宿泊、食事など、いくらでも楽しむ要素がある事も知っているはず。その全てがつまらなかったのなら、あなたのプランニングから疑ってみるべきだと思います。
もっとも、こうしてネットでまで旅情報を探してらっしゃるあなたには、こんな心配はただの杞憂にしか過ぎないのでしょうけどね(笑)。
第一話@憧れの・・・立山黒部アルペンルート(笑)
さて、まずは新聞でもめくっていただきましょうか・・・
いま、7月末という時期なんですけど、一般紙だとお盆あたりに向けたツアーやデラックスメニューを売り文句にした宿泊プランなんかがたくさん広告されてますよね?
そのなかでも、私たちバス乗務員に最も縁がありそうなのが、”立山黒部アルペンルート”なのです。 行程を見ていただければお分かりでしょうが、関西、関東のどちらからでも1泊2日の程度のコースだと、観光バス利用が一般的になっています。 なぜなら、特にアルペンルートの頂上区間では、オンシーズンにはケーブルカーやロープウェイ、トロリーバスを乗り継ぐために時間待ちなどが発生し、帰途が列車だと乗り遅れたりして帰れない事態も発生しかねません。
ところが、バスなら時間面での自由度が高く、山頂から降りてさえ来れば、最悪でも都市や宿泊地にまで到着する事が出来ます。 これは大きなアドバンテージといえるでしょう。
アルペンルートは、ご存知のとおり一般的に富山側の立山駅より長野側の扇沢駅に至る(逆方向も可能)片道のルートとなっていて、この区間は全線を通したバスの通行が出来ず、皆さんは上記の乗り物や徒歩にて観光されるわけですが・・・
なぜか立山駅で降りたツアーバスが扇沢駅でちゃんと待っている・・・ さっきバスは通れないって言ったのに!?なぜ!?
そうです。 バスは皆さんが観光している間に、う〜んと遠回りに回送してきているのです。鉄道で例えると、北陸線糸魚川より、大糸線経由で約3時間かけて。
ですから、立山黒部アルペンルートに限っては、観光バス乗務員は仕事で何回行ったとしても、見たことはないのです。見たければ自腹切って行くしかないのです。いや、行かなくても何も困る事は無いんですけどね、でもね、皆さんクチを揃えて「良かったよ〜綺麗だったよ〜また来たいね〜」なんて仰るもんですからね(拗ね気味)。
シャクだから自分で行く時には絶対アルペンルート内にて1泊してやるぅ〜!と心に決めていますが、未だに夢のまま、今日も立山駅から扇沢駅に向けてバスを走らせています。
「山の上は寒くて風が強いので、上着は必ず余分に持っていってくださいね〜♪」なんて、知ったかぶりで説明しながら、ね(ーー;)
第二話@観光バスは、輸送業?
観光バス乗務員は、輸送業でしょうか?
トラックドライバーなどから見れば、荷痛みの心配はない、手積み手降ろしはない、 夜行運行だとツーマンが当たり前、の楽な乗務に見えるんじゃないですか?
確かにそのへんはそうかもしれません。しかし、乗せているのがお客さんという”人間”であるために やっぱり、それが原因の別のトラブルも発生します。 悪意のあると思われるお客さんは除くとしても、ツアー旅行中に何かクレームにしろヘルプにしろ、 あるとやっぱり、1に添乗員、2に乗務員、に言いたくなるのは、当然でしょう。 わたしたちとて、特にヘルプを求めるお客さんに対して、知らぬ存ぜぬを決め込む訳にはいきません。
そういった意味で、むしろサービス業としての対応も求められています。 そのなかで、私の印象に残った”事件”のあった「尾瀬」の話をしましょう。
東京の営業所に応援として入り、羽田空港受け/送りの尾瀬+鬼怒川温泉2泊3日ツアーでの話。
夜に羽田にて沖縄からのお客さんを受け、夜行バスとして尾瀬へ向います。 途中のサービスエリアで時間調整しながら、山を登り早朝の尾瀬に到着。 お弁当屋さんが弁当の配達に来ると、添乗員さんは、朝食用のあっさりおいしいまいたけご飯と、 昼食には、ゴミをもって帰るようにと袋に包まれたおにぎりを配って回ります。
これで朝食が済めば、お客さんはめいめい、水芭蕉なんかを楽しみに尾瀬の大自然へと 繰り出して行きます。私も尾瀬は是非後学のためにも見学しに行ってみたかったのですが、この日は とりあえず夜行運転の疲労もあり、そのまま休憩席で眠ってしまっていました(おいおい)。皆さん一番楽しみにしていた尾瀬 です。時間もタップリあります。年配の方ばかりながら、皆さん結構本格的なスタイルを してらっしゃる事でもあり時間一杯まで楽しんでこられるでしょう。
目覚めたのは、外からバスのドアを叩く音ででした。時計を見てみると、まだそんなに時間は経ってません。 しかし、血相変えた女性がドアの前に立っています!顔色が顔色だけにただ事ではなさそうです。
クレ「どうしましたか?何かありましたか!?」
女性「運転手さん、ペンチか何かありませんか!?指輪を切って欲しいんです!!」
そういって差し出した彼女の手は真っ青にむくんでいました。高山病でむくんで、 指輪が抜けなくなり指に血液が回らなくなっていました。どうやら、「高地では体がむくむので指輪は外しておくように」という注意を聞きこぼしてしまっていたようです。
しかし、これは切るわけにはいきません、指輪がどうこうよりも、ニッパで切ったら指が切れてしまう!! ありゃま大変と添乗員に連絡するも、添の携帯は圏外らしく通じず。当たり前か。 とりあえず、こんな事態の指輪の外し方の知ってそうな友人に電話かけて聞きまくり。 しかし答えは皆、石鹸水しか知らない、そんな事態に陥ったことがない(当たり前か)とのことでした。
結局このときは、かなりすったもんだの末、石鹸水による脱出作戦に成功し、事なきを得ましたが、乗務員を やっていますと、こんな小さな事件は、どこからともなく やってきます。お客さんも旅行とゆう非日常性ゆえに浮かれている場合がほとんどなんで、こういったちょっとした事件のほうに乗務員が巻き込まれてしまうことも少なくないんです。
私たちにとっては観光そのものが日常ですから、例えば車内では乗務員もできるだけ客席にも気を配っていますが、車外での浮かれたお客さんの事故は防ぎようがありません。でも、もちろん責任外とはいえ、お客さんにもしもの事があって喜ぶ乗務員なんていません。 楽しい旅行、くれぐれも浮かれすぎて怪我や事故のない様にお願いしますね。
第三話@砂浜に観光バスが走る!?
夏のシーズンになってアルペンルートなどが始まって北陸仕業が増えだすと、私の?個人的な楽しみである 和倉温泉泊などもちらほら発生し始めます。
和倉温泉は説明の必要もないはどの北陸屈指の温泉地として名高く、名旅館の名に恥じない旅館が建ち並び 連日多数のお客さんで賑っています。
ただ、旅館が混んでいるとゆうことは、乗務員にとってはいわゆる”飛ばし”(お客さんとは別ののビジネスホテルなどに宿泊する事)に遭遇する確率も他の温泉地に比べて格段に高く、 乗務員によっては和倉宿泊の仕業がつくことを嫌う方もいらっしゃるようですが、飛ばされさえしなければ、まさに 役得(笑)、温泉気分を満喫する事ができます。
ただ、和倉温泉に”バスで行く”時に順路として必ず通らなければならない”千里浜なぎさドライブウェイ”は 乗務員にとって、北陸一厳しい所と言わねばならないでしょう。 このなぎさドライブウェイ、なんと波打ち際の砂浜を約8kmにもわたり 自動車(トラックや大型観光バスも可能!!)で走れる国内唯一の場所として ドラマや映画の中にもたびたび登場していますが、塩分だらけの海水にまみれた砂を巻き上げながら 走ることが、どれだけ車体を錆びさせるなどの悪影響を及ぼす事か・・・(ーー;)
とくにバスの車体は乗用車などに比較しててきめん錆びには弱く、保守の悩みどころなのですから、 たまったものではありません。
で、私の経験より編み出した(?)秘策・・・
金沢側から入るときに、通常だと能登有料道路を今浜ICで降りてなぎさドライブウェイを完走して柳田ICに抜けて 能登方面に向かいますよね? でも、海側のお客さんのみがず〜っと海岸を見ているので飽きて、山側のお客さんは見たそうに不満顔・・・ ってなってませんか?
私はこのお客さんと私の(笑)不満を一気に解消すべく、今浜ICを通過して、次の千里浜ICへ。 なぎさドライブウェイを約1km走り、終点の千里浜レストハウスで一休みした後、また千里浜ICに向かって走って 左右のお客さんに砂浜の眺めを楽しんでいただき、また千里浜ICより目的地へ!
最初は砂浜の走行距離を短縮してしまうので不評かな?と思っていましたが、左右分け隔てなく眺めのよさを楽しめるので お客さん、添乗員ともに好評なようで、現在も能登方面の仕業が入ったときにはこの方法を続けています。距離が短い分、時間に余裕があるので 低速走行でき、砂跳ねが少ないのも助かります(笑)
実はおまけに???あるパフォーマンスも付けてますが、その内容はヒミツです・・・是非私のバスをチャーターして、私を 和倉温泉に連れて行ってください(^v^)
ところで、この砂浜を初めて走ったのはバス乗務員の気まぐれなひらめきだった、といった記述が千里浜レストハウスの 横の石碑にありますが・・・本当でしょうか??? 私なら絶対やらないな、スタックしそうで怖いし・・・
皆さんの中で、宿坊、いわゆるお寺に泊まった事のある方はいらっしゃいますか?
結構旅なれた方でも、「宿坊の泊まり方なんて知らない」っておっしゃる方、多いんじゃないでしょうか?
実は私も、ずっとそう思ってました(^^;)
でも実はとってもカンタン、旅館や民宿と同じ感覚で泊まれちゃうのです。泊まりたい所を決めたら、電話で予約。これだけ。
ただし、旅館のように無数にあるわけではないですけれど・・・
なんせ泊まるのはお寺ですから、歴史的建物そのもの(違うこともあります)に泊まって、歴史との一体感を味わえるのは宿坊の特権と言えるでしょう。
場所は、宿坊専門サイトなどで調べることができ(便利だね!)予約もカンタン。また、ほとんどの宿坊は宗教や宗派も問わずに泊まれるそうです。ただし、カップルで同室できないところもあるそうですので、このあたりは各宿坊に直接問い合わせが必要です。
長年の伝統に育まれた精進料理のおいしいところや、朝早く起きれば朝勤行に参加できるお寺や、敷地内に由緒ある物件のあるところなど(もちろん内容は宿坊によって異なります。)、ホテルや旅館とは違った独特の魅力いっぱいの宿坊、あなたも一度体験されてはいかがでしょうか?
第五話@準備中
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |