このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

1995夏 海抜0mから富士登山

1995年夏、20代最後の記念に富士山に登る事に決めた。
(実は、富士の麓に生れ住んでいながら1度も登った事がなかった)

「普通に五合目から登るのは平凡すぎるなぁ。
そうだ!海から、海抜0mから登ってみよう!」
名案(迷案?)が浮かんだ。

7月13日 長野にいる旅友達I君を誘い、田子ノ浦から歩き始めた。
60Lのザックには、太平洋の海水の入ったペットボトルを忍ばせた。

この夏は猛暑だった。I君は70Lのザックを背負っていた。
1時間で汗びっしょりになった。

「富士山頂に無事たどり着けるだろうか?」
一抹の不安を抱えつつ、お互い励まし合いながら、歩き続けた。

途中、富士宮浅間大社で登山の成功を祈った。そして、夕方、
昔の登山口だったという村山浅間神社で野宿した。

7月14日 旧登山道を歩いてみることにした。しかし、めったに人が入らない
この道は途中で無くなっていた。そして2人は道に迷った。

幸い、地図とコンパスを頼りに林道に出る事ができた。ちょっとしたハプニングだった。
にわか雨も楽しく感じた。体力的にはかなり参っていたが、気持ちは元気だった。

日が沈み、富士山スカイラインの途中で野宿した。星がすごくきれいだった。
昼間の暑さがウソのようだ。車で来たら味わえなかったこの感動。

7月15日 早朝5時にようやく富士山新五合目(富士宮口)に到着。
家から車なら50分で着く所を歩いて3日かかって着いた。(相当な物好きである)

いよいよ山頂を目指す。六合目、七合目...段々空気が薄くなるのがわかる。
I君はかなり辛そう。一歩一歩踏みしめながら登る。

午後2時、ついに富士山頂3776mに到着!2人は「やったぞー!!」と叫んだ。
太平洋の海水を山頂の記念碑に注いだ。

山頂をぐるりと1周した。これを「お鉢巡り」と言う。富士五湖が見える。
台風並の強風と0℃近い気温。これが夏の富士山頂だ!

山頂の山小屋は最悪だった。寝返りも出来ないくらいの人で一杯。
結局、一睡も出来なかった。この旅で1番辛い出来事だった。

7月16日 朝4時起床。御来光を拝むために、外にはすでにたくさんの
登山者が集まっていた。

しかし、山頂の空は雲に覆われている。「ダメか...」諦めかけていたその時、
雲が途中で切れ、まぶしいくらいの太陽が顔を出した。
思わず両手で拝んだ。富士山からの御褒美に思えた。

下りは速かった。3時間程で五合目に下りてきた。そしてバスに乗り富士宮へ。
そこから、タクシーで自宅へ。山頂から僅か6時間で家に帰ってきてしまった。

家から富士山を眺める。さっきまであのてっぺんにいたんだ...。
夢を見ているようだった。

こんな冒険が出来たのも友人I君、家族、歩いている途中「頑張れよ!」と
声を掛けてくれた人達のおかげ。

心より「ありがとう!」

(剣が峰に太平洋の水を注ぐ)
(3日目の朝 新五合目に到着)
(村山浅間神社)
(田子の浦港を出発!)
 
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