このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
(72年に日本へ返還) | (97年に中国へ返還) | (99年に中国へ返還) | (87年に香港政庁が接収) | |
解消後 | 地方自治体(沖縄県) | 高度自治州(香港特別行政区) | 高度自治州(マカオ特別行政区) | 独自の行政区分はなし |
地名 | 琉球列島は沖縄に、コザ市は沖縄市に、ペリー区は山下町に、軍道1号線は国道58号線に変更 | クィーンズ・ロード、ケネディタウンなど植民地時代の地名はすべてそのまま使用 | 植民地時代の地名や道路名はすべてそのまま使用 | 住民強制立ち退きと取り壊しにより道路名などは消滅。九龍城砦は九龍寨城公園に |
公用語 | 英語と日本語から、日本語だけに一本化 | 英語と中国語のまま | ポルトガル語に加えて中国語 | 接収後は香港と同様に英語と中国語 |
政府 | 高等弁務官府と米国民政府は解散し、外国人公務員はいなくなる。琉球政府は沖縄県庁に。市町村はそのまま。トップは沖縄県知事 | 香港政庁は香港特別行政区政府へ。外国人公務員も雇用継続。トップは行政長官 | マカオ政庁はマカオ特別行政区政府へ。トップは行政長官。ポルトガル人公務員は本国政府へ戻るかマカオ政府に残るかを選択可。市政庁はそのまま | 香港政庁が完全に行政を掌握。住民立ち退きにより街坊福利会(町内会)は解散 |
議会 | 琉球政府立法院は沖縄県議会に。市町村議会はそのまま | 立法評議会は臨時立法会を経て立法会へ。市政評議会は廃止。区議会はそのまま | 立法会と市政議会はそのまま | 香港の立法評議会、市政評議会、黄大仙区議会が管轄 |
参政権 | 沖縄−引き続きあり 米国−もとからない 日本−70年からあり | 香港−引き続きあり 英国−もとからない 中国−あり | マカオ−引き続きあり ポルトガル−葡国籍の住民はあり 中国−あり | 香港と同様に。ただし住民がいなくなったため事実上消滅 |
法律 | 返還とともにアメリカや琉球政府の法律、集成刑法は適用されなくなり、日本の現行法を適用(一部経過措置あり)。集成刑法は廃止 | 憲法に準ずる香港基本法が施行。返還前の法律はそのまま変わらず、引き続き英米法を使用 | 憲法に準ずるマカオ基本法が施行。ポルトガルの五大法典をもとにして、95年以降マカオ五大法典を公布 | 接収と同時に香港の法律が適用 |
裁判 | 米国民政府高等裁判所や琉球高等裁判所は廃止され、外国人裁判官はいなくなる。最終審は日本の最高裁に | 最終審は香港の終審法院に。外国人裁判官はそのまま残留 | 94年に上訴審にあたるマカオ高等法院を設置。返還に伴いマカオの最終審に昇格。ポルトガル人裁判官はそのまま残留 | 香港の裁判所が正式に管轄 |
軍隊 | 返還3ヶ月前より日本から自衛隊が駐屯。米軍も引き続き駐屯 | 返還と同時に英軍は撤退。返還2ヶ月前から人民解放軍が駐屯 | 返還と同時に人民解放軍が駐屯 | 接収後も駐屯せず |
警察 | 琉球警察は沖縄県警へ移行。警官は新たに拳銃を携帯。CIDは廃止され外国人警官はいなくなる。 | 香港警察のまま。外国人警官も雇用継続 | マカオ警察のまま。ポルトガル人警官も雇用継続 | 香港警察が正式に管轄 |
国籍 | 日本国籍のまま | 英国(海外)籍の人も、中国籍(無国籍)の人も、中国(香港特区)籍へ移行 | 中国人はポルトガル国籍の人も、中国籍(無国籍)の人も、中国(マカオ)籍へ移行。「マカニーズ」はポルトガルと中国の国籍を将来(時期未定)選択することに | 香港と同様に。ただし住民がいなくなったため事実上消滅 |
旅券 | 米国民政府発行の渡航証明証は無効となり、日本政府発行のパスポートに | 香港政庁発行の渡航証明証は無効となり、かわって香港特区パスポートを発行。ただし返還前に取得した英国(海外)籍のパスポートはそのまま使用可 | マカオ政庁発行の渡航証明証は無効となり、かわってマカオ特区パスポートを発行。ただし返還前に取得したポルトガル国籍のパスポートはそのまま使用可 | 香港と同様に。ただし住民がいなくなったため発行されず |
国境管理 | 日本本土との間の密航取り締まりはなくなる | 境界線付近の立入禁止地帯はそのまま残り、変わらず | 変わらず | もとからしていない |
出入境 | 返還とともに日本本土との往来は完全に自由化。出入境手続きは一切不要に | 中国本土との往来には香港政府発行の「身分証(IDカード)」と中国政府系旅行会社発行の「回郷証」が必要で、変わらず | 中国本土との往来にはマカオ政府発行の「身分証(IDカード)」と中国政府系旅行会社発行の「回郷証」が必要で、変わらず | もとから手続き不要 |
移住 | 返還とともに日本本土との移住や戸籍移転は完全に自由化 | 香港→中国は自由、中国→香港は中国政府の許可が必要で、変わらず | マカオ→中国は自由、中国→マカオは中国政府の許可が必要で、変わらず | 取り壊しにより住民は香港各地へ強制移住。跡地は公園となったので居住不可 |
関税 | 返還とともに日本の関税が適用され、外国製品は値上げ。一部製品に観光戻し税を適用 | 返還前と変わらず、フリーポートのまま | 返還前と変わらず、フリーポートのまま | もとから存在しない |
税制 | 日本の税制を適用。外国人に対する所得税の優遇等は廃止 | 中国本土の税制は適用されず、返還前と変わらず | 中国本土の税制は適用されず、返還前と変わらず | 香港政庁の税制を適用 |
中央銀行 | 米軍が設立した琉球銀行は地元資本の普通銀行へ転換。その他の米資系銀行も数年以内に撤退 | 中央銀行に準じた存在として引き続き英国資本の香港上海銀行 | 中央銀行に準じた存在として大西洋銀行と中国銀行が役割分担 | 香港同様に英国資本の香港上海銀行がそれに準じた役割 |
通貨 | 返還6日後に米ドルを流通停止にして日本円へ交換。日本本土並みの為替管理を実施 | 法定通貨は香港ドルのまま。香港上海銀行とチャーダード銀行(英国資本)に加えて95年から中国銀行(中国資本)も紙幣を発行 | 法定通貨はマカオ・パタカのまま。紙幣はポルトガル国有の大西洋銀行に加えて、95年から中国銀行(中国資本)も発行。香港ドルの流通が多いのも変わらず | 接収前から香港ドルが流通 |
航空 | 島内線は68年から日琉合弁の南西航空が運航。アメリカ本土やハワイへの直行便は後に廃止 | キャセイ航空に中国系企業が資本参加。返還後も英国本土へは毎日数便が就航 | ポルトガルへの航空便は廃止 | 存在しない |
車両 | 返還6年後に、日本本土に合わせて右側通行から左側通行へ切り替え | 英国と同じ左側通行のまま、変わらず | 香港と同じ左側通行のまま、変わらず | 自動車が通れる道路は存在しない |
電気 | 公営の琉球電力公社と民営の配電7社に代わって、半官半民の沖縄電力を設立 | そのまま | そのまま | 接収前から香港の中華電力が供給 |
ガス | そのまま | そのまま | そのまま | 都市ガスは存在しない |
水道 | 琉球水道公社は沖縄県へ移管 | そのまま | そのまま | 城砦跡地の公園には香港政庁が供給 |
下水道 | そのまま | そのまま | 95年に汚水処理場が完成 | 城砦跡地の公園では香港政庁が運営 |
電話 | 琉球電電公社は日本の電電公社へ統合 | 香港テレコムが運営のまま変わらず。ただし3年後に地元資本が買収 | 引き続きマカオテレコムが運営。ただし中国系企業が資本参加 | 接収前から香港テレコムが運営 |
郵便 | 琉球政府の郵政庁は、日本政府の郵政省へ移管し、万国郵便連合から脱退。琉球切手は消滅 | 香港政府の郵政署がそのまま運営。香港切手も継続 | マカオ政府の郵政署がそのまま運営。マカオ切手も継続 | 郵便局はない。配達は接収前から香港政府の郵政署が行う |
テレビ | 民放の琉球放送と沖縄テレビはそのまま。公営のOHKはNHK沖縄に。英語チャンネルの米軍空軍放送は5年後に廃局 | 廃局なし。英語チャンネルでは北京語の番組が増加 | 廃局なし | テレビ局はもとから存在せず。香港のテレビ放送が視聴可能 |
ラジオ | 民放の琉球放送とラジオ沖縄の日本語局はそのまま。琉球放送の英語局は翌年廃局。公営のOHKはNHK沖縄に。極東放送は民営化され、中国語局は即時、英語局は返還5年後に廃局となり日本語局だけ存続。米軍放送はFENに移行し、1波削減。VOAは返還5年後に閉局 | 返還とともに英軍放送(英語1波、ネパール語1波)は廃止。公営のRTHKが新たに北京語1波を開設 | 廃局なし。民放の緑邨電台(広東語)をポルトガル系財団が買収 | ラジオ局はもとから存在せず。香港のラジオ放送が聴取可能 |
教育 | 琉球政府文教局から日本政府文部省へ移管。返還前と同じく日本語で行い、633制 | 英国と同じ652制の教育体制は変わらず。英文校は113校を除いて中文校に転換 | そのまま | 住民立ち退きに伴い学校は閉鎖 |
大学 | 公立の琉球大は国立に。私立の沖縄大と国際大は文部省の基準に合わないため合併して沖縄国際大になるが、沖縄大の一部教職員が反発し継続 | そのまま | そのまま | もとから存在しない |
医師 | 琉球大学に医学部を設置。医師免許は日本のものだけが有効に。医介輔制度は既存者のみ継続 | 英連邦の医師免許のみ有効で、変わらず | ポルトガルと中国の医師免許が有効で、変わらず | 無免許医の営業は取り壊し完了まで黙認 |
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