崔萍

A1．南屏晩鐘　　　　　　　　　　　　　　　A2．夜來香
A3．愛的心聲　　　　　　　　　　　　　　　A4．總有一天等到[イ尓]
A5．跟[イ尓]伴侶相對　「租妻記」挿入曲　　A6．長記材心田　「夏日的[王攵]瑰」挿入曲
A7．寄語東風輕輕吹　　　　　　　　　　　　A8．一片痴心

B1．昨夜[イ尓]對我一笑　　　　　　　　　　B2．我在靜靜等[イ尓]
B3．明月幾時有　　　　　　　　　　　　　　B4．心戀
B5．要問問[イ尓]　　　　　　　　　　　　　B6．燈花報喜
B7．在我[イ門]小時候　　　　　　　　　　　B8．我有一副對

　　　　　　　　　　　　　　1960年代の代表的歌星の一人が崔萍ですが、香港のEMIが時代曲のアルバムを出した際に、彼女のアル
　　　　　　　　　　　　　バムも何枚か編まれています。
　　　　　　　　　　　　　　『南屏晩鐘』のその一つで、解説によれば1963〜64年頃の作品が集められているそうです。ただ、１曲
　　　　　　　　　　　　　古いものも入っているように記されてもいるのですが、それに記載されている曲が収められていませんの
　　　　　　　　　　　　　で、1962年以前のものがあるかどうかは不明です。
　　　　　　　　　　　　　　タイトル曲の「南屏晩鐘」は、マレーシアでのカヴァーではかなりテンポが速くアレンジされているこ
　　　　　　　　　　　　　とが多いようですが、オリジナルは何ともいえないゆったりしたリズムを刻んでいます。これに乗せた崔
　　　　　　　　　　　　　萍の丁寧な唱法はやはり光ります。それよりやや速めのテンポとなるのが「跟[イ尓]伴侶相對」ですが、速いとはいっても崔萍のていねいな歌い方を乗せるには心地よいテンポだともいえます。Ａ面では後半にいい曲が揃っているように感じられますが、上位に来る曲は「南屏晩鐘」と「跟[イ尓]伴侶相對」になるかと思います。
　Ｂ面の最初は、解説で「南屏晩鐘」とともに"抒情歌后"と称された崔萍の代表作の一つと記されていた「昨夜[イ尓]對我一笑」で始まります。出来はなるほどと肯けるものですが、「南屏晩鐘」が曲のまとまりといった点で若干上回っているように思います。しかし、こちらの面では以降にも好調な曲が続きます。「我在靜靜等[イ尓]」はスロー系の曲ですが、Ａ面のスロー・ナンバーではこれに迫る曲はなかったでしょう。「明月幾時有」はスロー・ミディアムの曲でこれもかなり歌われています。「心戀」は作曲ではなく選曲というクレジットがありますから、アメリカあたりの曲でしょうか。スティール・ギターが入るポップな趣の作品ですが、ミディアム調の崔萍が上手く乗った作品です。もっとも、ミディアムなら「要問問[イ尓]」の方が上ということになります。その後も悪くはない作品が続いていますが、「要問問[イ尓]」がＢ面では頂点でしょう。