朱儀玲

A1．望一望　　　　A2．雪裏紅
A3．送大哥　　　　A4．茶葉青
A5．愛神的箭　　　A6．往日的舊夢
B1．[イ尓]眞美麗　B2．回娘家
B3．好春宵　　　　B4．南海姑娘
B5．玉蘭溪之戀　　B6．銀花飛

　声には若干癖があり、ソフトに歌っているときはさほど目立たないのですが、男声をテープで早回しにしたような堅めの声質です。ですから、高めの音から入る「[イ尓]眞美麗」あたりですと、最初にそういった声が来ますから面食らうかもしれません。低い声は堅さが少ないのですが、これも個性でしょうね。ですから、この堅い部分とそうでない部分のバランスがいいと、これは耳馴染みもいいわけです。Ａ面では「望一望」・「茶葉青」・「[イ尓]眞美麗」あたりでしょうか。Ｂ面では「好春宵」が堅めの部分が少ないようです。ただ、「南海姑娘」などの方が曲の表情が歌かですから、魅力はこちらの方が大きいでしょう。「玉蘭溪之戀」は高めの出だしですが、これはあまり癖を感じません。ただ、癖のある声は慣れるとそれが魅力の一つですから、こちらでは他には「回娘家」と「銀花飛」が良さそうです。
　全体にまとまった出来で、さて、いちばん魅力ある曲としては「南海姑娘」を推しておこうと思います。

A1．姑娘和情郎　　A2．涼山情歌
A3．山地情涙　　　A4．山地純情花
A5．阿美族舞曲　　A6．山地多情花
B1．山地追想曲　　B2．走進我夢裡
B3．長興村之戀　　B4．山地小姑娘
B5．山地好風光　　B6．想[イ尓]
B7．我愛山谷紅[王攵][王鬼]

　山地スタイルのアルバムはマレーシア・シンガポールでは少なくありませんが、朱儀玲にもありました。こういったスタイルで出来が悪いというのを耳にしていませんが、これは私の好みに合っているから、ということもあるかもしれません。

　さて、このアルバムはカセットではＡ・Ｂ面で曲数が違っているのですが、これは出だしの「姑娘和情郎」が他より長めだからですが、これはだれることなく歌われますから、最初に持ってきたのは正解だろうと思います。テンポもやや速めのミディアムといったところで、乗りもよく作られています。
　山地スタイルですが、リズムは必ずしも速くはないのですが、遅めの方で目立つのは「走進我夢裡」でしょうか。山地スタイルでは選ぶ曲は決まっていませんから、この曲も元々は山地とは関係無さそうですが、やや高めの音程でありながら柔らかい手触りの作品です。「想[イ尓]」も似た感触の作品で、これも悪くありません。速めの曲ではラストの「我愛山谷紅[王攵][王鬼]」が感覚的には似た感じで作られていると思います。
　1995年のアルバムですが、山地スタイルのものとしてはこのアルバムも"お気に入り"です。