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牛馬丁vs許桂瑩 『福建社會寫實勸世Vol.1』 海洋[金雷]射 OLV-H-1003-96


1.討海掠漁人     2.安童哥
3.[壬ム][壬ム][口冬] 4.風流阿伯挽茶姑娘
5.愛忍淡泊      6.加弄牛[女乃]
7.港都夜雨      8.十一哥
9.一様米飼百様人   10.老鼠出世避壁洞
11.一支草一點露    12.卞拉奇歌
13.病子歌       14.阿香要嫁[九壬]

            潮州語歌謡世界の第一人者は、牛馬丁ということになるでしょうか。結構厳つい顔をしていますし、体格もい
           いのですが、実はかなり細いテナー・ヴォイスの持ち主で、シリアスなものよりもコミカルなものに本領を発揮
           するようです。
            女性の方では若手に「地塊涼地塊坐」のヒットを持つ李小珍がいますが、ベテランということになりますと許
           桂瑩の名前を見ることがいちばん多いようです。
            さて、ここでの作品は"牛馬丁vs許桂瑩"とはなっていますが、全編に登場するのは牛馬丁ですから、牛馬丁の
           アルバムといっていいでしょう。もっとも、許桂瑩もメインで登場しないようなところでも、案外と演技をして
           います。
 ところで、潮州系の芸人はシンガポールが拠点のようで、このアルバムもシンガポールの嘉華が制作しているものなのですが、潮州語と福建語は近縁ですので、このように福建語のアルバムもあるわけです。そして、「討海掠漁人」と「老鼠出世避壁洞」には小さな出演者がありました。シンガポールの童星ですから、これは鄭儀ちゃんで、1996年にマレーシアで発売のものですから、まだ5歳ぐらいの映像かもしれません。しかし、それにしては歌と上手く口があっていますから、このあたりは才能なのでしょうね。それにしても、鄭儀ちゃんの福建語が録られているのは少ないだろうと思います。映像的には「老鼠出世避壁洞」の方が元気な曲なのですが、スローの「討海掠漁人」では牛馬丁の歌い方が結構好調で、これが1曲目というのは納得がいく作品です。
 コミカルな系列のものでは、「安童哥」が好調でしょうか。これは映像も面白い作品です。「一支草一點露」あたりは張美玲あたりとは全く趣が違っていますが、これもよく作られているのではないでしょうか。
 他には「加弄牛[女乃]」も悪くない作品ですが、これは原曲が気にかかります。詞は牛馬丁のものですが、曲は彼の手にはなっていません。潮州語の作品でもそういったものは多いのですが、案外といろいろなところの曲をつかっているようで、「加弄牛[女乃]」に関しては、どうもマレーシアのIto & Blues Gangの"Apo Nak Di Kato"のような気がします。

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