李嘉

１．做人照歩來　　　　　　　　　２．人生若扮戯
３．温柔的慈悲　　　　　　　　　４．さらば這條歌
５．少女心　　　　　　　　　　　６．等待是藝術
７．真情無愛甲人公家　　　　　　８．迷航的探戈
９．春夢打醒　　　　　　　　　　10．無情網
11．[手龍]是爲著[イ尓][口拉]
　歌手としての李嘉の力量については、正直なところそんなに高くはないと思います。これは強い歌い方が出来ない部分があるためですが、そうはいいつつもアルバムは結構持っています。それは丁寧に歌われた曲には見るべきものがあるからで、ただ、作り方を間違えると作品が弱くなることもありますから、李嘉のプロデュースをするのは結構難しそうです。
　しかし、早期に「[手龍]是爲著[イ尓][口拉]」という名作が出来たことで、彼女の歌手としての寿命の長さも保証されたような気がします。ただ、この曲にそれ以降の曲が引き摺られた感じもします。「真情無愛甲人公家」のようなやや速めの作品も悪くはないと思うのですが、いかがでしょう。こういったタイプの曲でも力唱するわけではありませんが、一方、こういった曲を丁寧に歌ってくれたときの趣の深さもあるわけです。
　それにしても、「[手龍]是爲著[イ尓][口拉]」は格別といっていいでしょう。淡々と歌われたことで、曲の持つ深みが自然と滲み出てきたように思います。

A1．[父巴][父巴]我愛[イ尓]　A2．双叉路
A3．緊[口尼]　　　　　　　　A4．寂寞暝
A5．心茫茫　　　　　　　　　A6．[父巴][父巴]是行船人

B1．倔強的愛　　　　　　　　B2．都市
B3．莫非　　　　　　　　　　B4．山可移性難改
B5．人　　　　　　　　　　　B6．水車姑娘

　　　　　　　　　　　　　　1989年末に出されたアルバムになります。「心茫茫」・「[父巴][父巴]是行船人」・「水車姑娘」は作
　　　　　　　　　　　　　者のクレジットがありませんから、これらは旧来からある曲といいことになるでしょう。とくに「水車姑
　　　　　　　　　　　　　娘」は多くにカヴァーされていますが、ここのアレンジは結構気に入っています。
　　　　　　　　　　　　　　タイトル曲の一つである「都市」は、典型的な台湾演歌スタイルといってもいいでしょうか。ただ、途
　　　　　　　　　　　　　中の曲調にポップな色彩も含んでいるところが特徴でしょうが。より演歌色が強いのは「[父巴][父巴]是
　　　　　　　　　　　　　行船人」のような曲ですが、このスタイルは上手くこなせる曲調のようです。ただ、「莫非」あたりはち
　　　　　　　　　　　　　ょっと形にはまり過ぎている気もします。
　　　　　　　　　　　　　　ややテンポが速めとなるのは「[父巴][父巴]我愛[イ尓]」でしょうか。ミディアムのやや速めぐらいの
　　　　　　　　　　　　　調子ですが、これは李嘉にあったスタイルのようです。「緊[口尼]」は雰囲気としては福建ミディアムの色を感じる作品ですが、これはやや可愛らしい声の出し方をしている箇所もあります。もちろんエンディングあたりはいつもの李嘉ですが、これも合っている曲だと思います。