大肥妹

(Ａ)
１．大肥妹　　　２．無縁的愛
３．情人的目屎　４．[敢心][敢心]吃天公
５．爲[イ尓]犠牲爲[イ尓]茫　　６．初戀
(Ｂ)
１．[手龍]是着[イ尓][口拉]　２．工人的目屎
３．朋友情　　　４．講酒話
５．十字路口　　６．好歹路

　"福建妹"侯美儀のデビュー作は、トンチャイの「プリッキ・ヌー」の改作からスタートします。そして、２曲目ではいきなり雰囲気が変わって、福建的(演歌的)な合唱曲。まだ、巧いとはいえないでしょうが、それを力で抑えつけてしまうような爽快さが感じられます。男声はおそらく范俊福。潘秀瓊の「情人的眼涙」の福建版は、的なサンディ・ラム・アレンジ。これと４曲目は小萍萍も歌っていますが、３曲目は小萍萍、４曲目は侯美儀に分があるかなと思います。５、６曲目は再び福建的なナンバーですが、これはアヴェレージな出来でしょう。「爲[イ尓]犠牲爲[イ尓]茫」は他の歌手の録音も多いのですが、そちらの方が出来はいいように思います。

　そうしますとこちらの面でのベストは「[敢心][敢心]吃天公」でしょうか。「大肥妹」は「プリッキ・ヌー」の良さに負っているところが多そうです。
　Ｂ面へ行って、李嘉の「[手龍]是着[イ尓][口拉]」が１曲目。これは悪くありませんが、やはりオリジナルの良さでしょうか。むしろ、２曲目の福建ミディアムとでもいいたい調子の曲で、これがこなせるところが侯美儀の強みでしょう。作詞作曲は范俊福で、小萍萍の曲でした。３曲目はよりオーソドックスな福建ミディアム。ただし、こちらは並。しかし、その次がこのアルバムでのベスト・トラックと思われる「講酒話」。ミディアム・アップで、オリジナルは中華圏のものではないと思います。こういう曲での乗りの良さが彼女の持ち味でしょう。３作目のアルバム・タイトル曲の『[敢心]大呆』に通じる感覚を既に見せていますが、また歌い方は粗いようです。それでも悪くないわけです。５曲目はまた一転してこぶしナンバー。この格差もたまりません(^^;。ラストは普通の、つまりこぶしナンバーではないスロー・ナンバー。ただ、こういった曲が悪くないというのも彼女の特徴でしょう。