このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 瑞華のカセットでは「瀟洒走一回」が最初に入れられていますが、ここでは「福建Rock & Roll」を持ってくるのが正解でしょう。ポップな曲とオーソドックスなものがミックスされて入ってきますが、ポップな曲でもはまる曲があるのが小萍萍の強みでしょう。
 前半の他の曲では黄安の作品の福建ヴァージョンの「相逢」の出来がかなりいいかと思います。「牽成阮的愛」はどうしても鳳飛飛のオリジナルがなんといっても光っています。
 後半ではオーソドックスな曲が多くなります。「酒家男」や「異郷的愛人」の曲調は福建ミディアムとでもいいましょうか。ただ、このタイプは小鳳鳳の方が強いでしょう。そうしますと、後半では伍思凱の曲の「愛甲過火」が結構歌われているでしょうか。こういうポップな作品に案外出来のいいものが多いのが小萍萍らしさでしょう。

1.福建Rock & Roll   2.瀟洒走一回
3.一起走過的日子    4.相逢
5.是酒也是涙      6.牽成阮的愛
7.酒家男        8.愛情雨
9.絶情做[イ尓]走    10.愛[イ尓]的心巳經冷
11.異郷的愛人      12.愛甲過火



『福建Rock & Roll』
 銀城SC8811・瑞華SC-8811S・瑞華SWCD8798

 瑞華からCDが出された第4弾になるかと思いますが、14曲中3曲がオリジナル・アルバムが不明です。このうち「初戀」はオーソドックスなタイプ。「做人着去[手并]」はポップスの改作かと思いますが、やや早めの作品。「甲[イ尓]講I Love You」はタイのトンチャイの"Koo-Gud"がオリジナルですが、アレンジは原曲より速いようです。こういった曲では「做人着去[手并]」のような速い曲もけっして不得手ではなさそうですが、これは作品がやや軽かったかなという感じです。ただ、ここの3曲の中ではコマーシャルな作品ですが、いちばん歌われているようです。
 他はオリジナル・アルバムもわかっていますが、「[手龍]是爲着[イ尓][口拉]」・「陪酒」・「勸[イ尓]不通天天醉」・「紅燈碼頭」あたりが上位に来る作品かと思います。

1.[手龍]是爲着[イ尓][口拉]…『陪酒』 銀城SC9871-91
2.故郷……………………………『陪酒』 銀城SC9871-91
3.陪酒……………………………『陪酒』 銀城SC9871-91
4.相欠債…………………………『男朋友』 銀城SC9868-90
5.紅燈美人………………………『紅燈美人』 銀城SC9878-91
6.金包銀…………………………『福建流行龍虎榜金曲』 瑞華SWCD8767
7.愛的脚歩聲……………………『陪酒』 銀城SC9871-91
8.初戀
9.勸[イ尓]不通天天醉…………『男朋友』 銀城SC9868-90
10.一陣風一陣雨…………………『[イ尓]悄悄蒙上我的眼睛/一陣風一陣雨』 銀城SC9870-91
11.做人着去[手并]
12.男朋友…………………………『男朋友』 銀城SC9868-90
13.舞伴……………………………『福建流行龍虎榜金曲』 瑞華SWCD8767
14.甲[イ尓]講I Love You
15.紅燈碼頭………………………『紅燈美人』 銀城SC9878-91

『福建卞拉OK冠軍龍虎榜金曲』 瑞華SWCD-8811

目次へ戻る    (C)2003 Yiteng

               大聯機構がディストリービュートしていたのがこのアルバムまでのようです。これ以降の銀城で
              の小萍萍のアルバムは瑞華がディストリービュートしたものとなります。
               さて、ここでは「紅燈美人」がA面の頭に置かれたわけですが、たしかにA面では上位に来るで
              きかと思います。もっとも、ポップな「I Do I Do」のような路線にしても合わないということは
              なく、オーソドックスな作りの5・6曲目よりもここでははまっているのではないでしょうか。
 ポップな系統といえば、B面2曲目の「情人的目屎」は潘秀瓊の「情人的目涙」が原曲の、おそらくサンディ・ラムのスタイルでの福建語版でポップなアレンジなのですが、これは後年に雅歌で華語で歌ったヴァージョンの方が上回ります。
 3・4曲目が似た感じの曲でこの辺りはちょっとヴォルテージが下がりますが、続く5・6曲目がこのアルバムではいちばんまとまっているあたりでしょう。「對[イ尓]的情」は「陪酒」に似た雰囲気があり、出来は「陪酒」が上回りますが、こういったスタイルはやはり合うようです。「紅燈碼頭」は作品のデータがありませんが、台湾オリジナルのものでしょうか。「紅燈美人」よりも力があってこのアルバムでは目立つ曲ですが、アルバムのタイトルには"美人"の方がいいでしょうね。

A1.紅燈美人    A2.絶情雨
A3.我是好男兒   A4.I Do I Do
A5.將心比心    A6.醉歌
B1.振作      B2.情人的目屎
B3.懷念的人    B4.進退兩難
B5.對[イ尓]的情  B6.紅燈碼頭


『紅燈美人』 銀城SC9878-91

 福建專輯の9は、いきなり演歌色の濃い「陪酒」からスタートします。作曲が劉家昌とありますから日本曲ではないのですが、演歌の影響を強く受けた作品といえます。そして、このスタイルは小萍萍が非常に上手くこなせるスタイルの一つです。
 2曲目は羅大佑の「大家免著驚」が原曲ですが、こういったややアップの曲では一転して歯切れのいい歌い方になりますが、スタイルとしては「陪酒」の方が合っていそうです。ですのでスローの「[手龍]是爲着[イ尓][口拉]」も悪くありません。しかし、これは曲がいいのでしょうね。A面では、このアルバムの場合は最後の「我的少年家」が異色でしょうか。「楊州小調」の改作ですからこれだけが曲が古いわけですが、こういった曲調は実際には結構耳にする機会があるのだろうと思います。
 B面の最初はその続きといった感じでしょうか。「情人橋」の改作から始まります。ただ、こちらの面の方が若干メリハリがない出来かもしれません。こちらで出来がいいかなと思えるのは「朋友情」でしょうが、これも何となく演歌色が感じられる作品です。

A1.陪酒
A2.福建皇后大道東
A3.[手龍]是爲着[イ尓][口拉]
A4.半點心
A5.明天[イ尓]是否依然愛我
A6.我的少年家
B1.照阮心傷悲
B2.愛的脚歩聲
B3.[L月][L白]算[衣末]合
B4.朋友情
B5.人生愛樂觀
B6.故郷


『陪酒』 銀城SC9871-91


『流浪仔的心聲』 瑞華SWCD8812


1.流浪仔的心聲
2.眞心眞意過一生
3.阮不是故意
4.愛[イ尓]愛到老
5.永遠隴是好朋友
6.流浪落魄人
7.誰人瞭解我的心
8.酒色財氣空空
9.情呀情
10.失約
11.縁[イ分]天註定
12.賺吃人的甘苦

 出だしの「流浪仔的心聲」が印度曲ということですが、タイトルは何でしょうね。マレーシアではインド系の方も少なくありませんから、意外と耳にしている曲という可能性もありそうです。 
 「阮不是故意」は得意な演歌調に近いのですが、ややモダンな作りをしています。ムード歌謡の改変でしょうか。
 「愛[イ尓]愛到老」は「青青河邊草」の改作で、小鳳鳳は「富貴夢」のタイトルで歌っています。小萍萍のアレンジはやや遅めのようですが、付けられた福建語詞と本人の歌い方には合った編曲がされているように思います。
 「永遠隴是好朋友」でようやく小鳳鳳が得意な福建ミディアム調が出てきます。小萍萍の作品も悪くありませんが、このタイプは小鳳鳳の方が強いでしょうね。
 このタイプは「酒色財氣空空」もそうですが、「誰人瞭解我的心」が「明明白白我的心」というポップな曲の改変ですから、ここの格差は大きいですね。
 「情呀情」は台湾曲ですが、作曲の鄭進一の名前が刷られています。台湾産ですがこちらはポップな感覚も持っています。ポピュラー系の曲は不得手ではないと思いますが、演歌的な色彩もあってポップな風もあるという曲では「縁[イ分]天註定」の方が上に来そうです。
 ラストの曲は日本のフォーク系のものでしょうか。こういうタイプが悪くないのは小萍萍の持ち味でしょう。

『福建卞拉OK冠軍龍虎榜金曲』 銀城SC-8844


A1.[手龍]是爲着[イ尓][口拉] ◎ A2.故郷 ◎
A3.陪酒 ◎           A4.相欠債 ●
A5.紅燈美人 ◇         A6.金包銀 ▽
A7.愛的脚歩聲 ◎        A8.初戀
A9.勸[イ尓]不通天天醉 ●

B1.一陣風一陣雨 ▲       B2.做人着去[手并]
B3.男朋友 ●          B4.舞伴 ▽
B5.甲[イ尓]講I Love You     B6.紅燈碼頭 ◇
B7.浪子的懺悔 ▲        B8.風塵涙 ▲
B9.絶情雨 ◇

●…『男朋友』(銀城SC9868-90)収録
▲…『[イ尓]悄悄蒙上我的眼睛/一陣風一陣雨』(銀城SC9870-91)収載
◎…『陪酒』(銀城SC9871-91)収録
◇…『紅燈美人』(銀城SC9878-91)収録
▽…『福建流行龍虎榜金曲』(瑞華SWCD8767)収載

 瑞華SWCD-8811の『福建卞拉OK冠軍龍虎榜金曲』のカセット盤というわけですが、こちらの方がB7〜B9の3曲が多く収められています。もっとも、曲名でわかるようにこれらは既成のアルバムからの曲でした。3曲がオリジナル・アルバムが不明のものですが、あるいは新録だったのかもしれません。
 追加された3曲ですが、出来はアヴェレージといったところでしょうか。ですので、上位に来る曲はCD盤と変わりありません。

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