雅典風情

　　　　　　　　　　　　　　このアルバムでは「別説我是個不[心董]事的少女孩」が雅歌版権の曲ですから、どうやらオリジナル
　　　　　　　　　　　　　のようです。ポップな曲で曲調なども合わないというタイプではないのですが、ちょっと作りが軽いか
　　　　　　　　　　　　　もしれません。「愛[イ尓]一万年」は沢田研二の「時の過ぎゆくままに」の華語版ですが、オリジナル
　　　　　　　　　　　　　に比べるとテンポが速く、やはり軽めの印象を受けます。
　　　　　　　　　　　　　　これが「唱首情歌給誰聴」になってテンポが変わり、ようやく釣り合いのとれた曲が登場します。マ
　　　　　　　　　　　　　レーシア華人の李逸が中華圏でヒットさせたものですが、Ａ面ではこの曲がいちばん出来が良さそうで
　　　　　　　　　　　　　す。
　それに続くのが６曲目の「誓言」ですが、これは速めのテンポの演歌的な雰囲気を持つ曲で、Ｂ面最初の「無情火車」も同様で、こちらは「別れの入場券」が原曲です。このタイプの曲は林碧貞が上手くこなせるもので、「無情火車」はかなり乗りもいい作品です。
　「一曲寄知音」は「別説我是個不[心董]事的少女孩」と同じく田嶋の作品ですが、こちらは雅歌版権と記されていませんから以前に誰かが歌っているのでしょうが、こちらの方が時代曲的な雰囲気が濃いでしょうか。こちらの方が出来はいいでしょう。Ｂ面の方がまとまりは良く、こちらではやや落ちるのが「昨夜夢醒時」で、他の曲はそこそこの出来になっているようです。ただ、こちらの面のベストは「無情火車」で、全体でもこの曲がいちばんいいでしょうか。それに続くのが「唱首情歌給誰聴」かと思います。

A1．別説我是個不[心董]事的少女孩　A2．愛[イ尓]一万年
A3．今天不回家　　　　　　　　　　A4．唱首情歌給誰聴
A5．梅蘭梅蘭我愛[イ尓]　　　　　　A6．誓言

B1．無情火車　　　　　　　　　　　B2．一曲寄知音
B3．昨夜夢醒時　　　　　　　　　　B4．往事只能回味
B5．心上人　　　　　　　　　　　　B6．往日的旧夢vs尋夢園

　　　　　　　　　　　　　　　　　　林碧貞の雅歌からの最初のアルバムですが、雅歌には"お子ども"が多かった中で彼女は17歳で
　　　　　　　　　　　　　　　　　すから、雅歌ではだいぶ年長です。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　曲順ですがカセット・CDとヴィデオ・VCDで並べ方が違っていますので、番号はそれぞれ振っ
　　　　　　　　　　　　　　　　　てあります。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　カセット・CDの最初は「幾度花落時」ですが、「彩雲追月」という曲に別の歌詞をつけたもの
　　　　　　　　　　　　　　　　　で、「南の花嫁さん」でもあるわけです。
　彼女の特徴としては低音部の声が楽に出せることでしょうか。声質もアルトで落ち着いて曲を聞かせることができます。「幾度花落時」は出だしが低いので、ここがこなせないと聞き辛いのですが、こういった曲は楽にこなしてくれます。
　曲を見ますと周[王旋]のものが目立つのですが、このあたりは華人の好みでしょうか。ただ、周[王旋]はソプラノですから、声質が重ならない周[王旋]ですと感じは全く違ってきますから、選曲としてもいいのかなと思います。
　さて、サブ^イトルで使われた「幾度花落時」の他に目立つ曲といえば、呉鶯音の「我有一段情」もあります。この曲も出だしが決まらないと様にならないタイプかもしれません。「月兒彎彎照九州」は陳雲裳がオリジナルでしょうか。「相見不如懷念」は演歌的な雰囲気もありますので、台湾あたりで作られた曲でしょうか。これは誰のものか知らない作品です。このあたりが上位に来るかなと思います。