このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

モーテルに泊まろう

●モーテルって何?
  旅行先で必ずお世話になるのが、宿。一口に宿とはいっても、サービス内容や食事の有無、規模などによって様々な種類に分けることができます。その中で、アメリカではメジャーな形態の一つであり、かつ日本ではあまりなじみのないのが、「モーテル」。モーテルというのは、そもそも「モーターホテル」を縮めた造語(現在「モーターホテル」という別種の宿もあるので注意)で、その名が示す通り自動車での旅行者を対象にした宿泊施設です。そのため駐車場は完備しているものの都心部から離れていたり、公共交通機関ではアクセスしにくい場所に多く存在しています。もちろん自動車のない旅行者でも宿泊できますので、都心部にあるモーテルは、ホテルより安い宿として何かと便利です。

●モーテルの設備・サービス(平均的なもの)
・玄関……もちろん、ありません。ただ普通はスリッパが備え付けられています。

・ドア……ドア外確認窓およびドアチェーンのついているものがほとんど。

・洗面およびバスルーム……高い部屋から安い部屋になるにつれて、バスルーム、シャワー、トイレ、洗面台の順に部屋からなくなっていくのが普通です。部屋にない場合は共同になりますが、最近は減少する傾向にあります。タオルや石鹸の心配は、しなくていいと思います。ただタオルなどは持ち去らないように。トイレは清掃されていないことがあるので、心配な人はシートかクリーナーを。

・ベッド……クイーンサイズが一般的。たまにキングサイズも見かけます。ファミリールームでは1つのベッドに2人が寝ることを想定している場合がほとんどです。

・テレビ……ほとんどの部屋についているといってもいいと思います。ニュースやスポーツなどのチャンネルのほかに、映画が無料で見られるところもあります。

・食事……日本の旅館とは違って、「1泊2食付」などということはありません。大きなモーテルであればレストランが併設されていることもあるのですが、そうでなければ外へ出て食べることになります。フロントに聞くと、近くのレストランを教えてくれるでしょう。またモーテルによっては、宿泊費に朝食代が含まれている場合もありますが、併設のレストランがなければ、その朝食というのはロビーで食べるトーストかシリアルという場合がほとんどです。朝食をたくさん食べる日本人のお腹はふくれないでしょう。

・デポジットボックス……貴重品預け。中級以上のモーテルでたまに見る程度です。その信頼性はフロントや部屋を見て判断していただくほかありませんが、どんな場合でも現金とパスポートは預けないでください。もちろん部屋に放置してもいけません。

・ランドリー……感じとしては、およそ半数のモーテルにあります。「高級だとある、格安ならない」というわけではありません。自分で全てを行うゲストランドリー(=コインランドリー)と、係員に朝頼んで夕方までに仕上げてもらうバレットランドリーの2種類があり、バレットランドリーの方が高くなっています。ビジネス街にはバレットランドリーの方が多い傾向にあります。コインランドリーの所要時間は、量にもよりますが1時間程度。待つ時間には特にすることもありませんので、もし量が少なければ、洗面台で洗ってしまうのも一つの手ではあります。あふれさせないように。

・チェックイン・アウトタイム……チェックインの標準は午後2時。午後4時というところもけっこうあります。しかし早いところでは午前11時というのもありましたし、遅いところでは午後6時というのも見たことがあります。同じチェーン店でも異なりますので、宿ごとに確認をしてください。チェックアウトの標準は9時〜11時。正午までにはほとんどのモーテルがチェックアウトタイムを迎えます。

・チップ……日本人がよく戸惑うのはこれだと思います。よくあるのは、朝枕の下に1ドル札を置いていくというものですが、連泊する人は最終日にまとめて机の上に置いておくということも考えられます。フロントには基本的に必要ありませんが、もし(めったにありませんが)大きな荷物を持ってもらったり、大きな迷惑をかけてしまったときは1〜2ドル。ちなみに枕にチップを置くという習慣は、アメリカ人にはありません。しかし「日本人はそのようなチップの置き方をする」というのも有名ですので、「チップがない」と思われるよりは、枕に置いていくのが賢明だと思います。

・送迎バス……中級以上のモーテルのうち、大きな空港に近い所(およそ5マイル以内)にあるモーテルでは、その空港まで送迎バスを走らせているところがあります。運行時間が決まっているものと、希望時間に走らせてくれるところとあります。基本的に無料で、チップもいらないのですが、荷物を持ってもらったりしたら、それに応じてチップを。

一つのモーテルの中でも、部屋の大きさ、バスやトイレなどの有無などによって数種類の部屋が用意されていることがあります。フロントに頼めば部屋を見せてもらうこともできますので、交渉して最適な部屋を選んでください。

●モーテルの宿泊代
  一概に言うことはできません。1泊2人利用を標準として、安いところでは30ドル、高いところでは200ドルにもなります。大都市部では、中級モーテルで70〜100ドルが標準でしょう。地方都市では、格安モーテルで30ドル程度、中級モーテルで60ドル程度になります。これはシーズンによっても変化しますし、エクストラベッドを利用する際には4〜10ドル程度の追加料金が必要になります。ともあれ、場所とシーズンによって大きく異なりますので、こちらも予約時に確認してください。

ロサンゼルス近郊のホリデイ・イン

モーテルの室内。これは平均からすれば豪華なほうになります。

●モーテルの選び方
  こだわりのチェーン店があるのでもない限り、設備と値段、そしてロケーションが大きな要素となるでしょうが、もう一つ注意していただきたいのが付近の治安です。同じ市内でも極端に安いモーテルがあったり、フロントがガラスや鉄格子で囲まれている(あるのです、ホントに)場合は、そこの治安は決してよくないと考えたほうがいいでしょう。どうしてもそこに泊まらなければならない場合は、とおりに面していない部屋や2階以上の部屋を選ぶなどの自衛策を講じたいところです。また治安については、その周辺の雰囲気を見れば大体分かると思います(浮浪者が多い、ゴミがちらかっているなど)。

●AAA(トリプルエー)マーク
  モーテルの外側の雰囲気は、見ていて大体わかるのですが、モーテルの室内の様子は、外から見ただけでは分かりません。チェックイン前に部屋を見せてもらうこともできますが、すべてのモーテルをまわっているときりがありません。そこで、AAA(トリプルエー)の力を借りてみてはいかがでしょうか。
  AAAというのは日本でいうところのJAF、つまりアメリカ自動車連盟 (American Automobile Association) のこと。日本でJAFの会員になっている方はアメリカでAAAのサービスを受けられます(連続最大半年まで)ので、大いに活用したいところです。
  AAAのサービスは、州別道路地図の無料提供、自動車旅行相談、故障の際のレスキューなどがありますが、モーテルに関しては、AAAが発行しているツアーブックTourbook というのが役立ちます。ツアーブックというのは州ごと、あるいは複数の州ごとに発行されていて、各州の道路事情や観光地案内などが掲載されていますが、メインとなるのは宿泊施設情報。都市ごとにホテル・モーテルなどをまとめ、位置や設備、値段などをこまかく紹介しているものです。また一定の基準をクリアしたモーテルはAAAに登録され、会員割引などのサービスが受けられます。また、それらの施設にはAAAレーティング AAA ratingがひし形の数で表示されています。数が多いほどグレードが高くサービスがよい(必ずしも値段が高いわけではない)ことになっています。ちょうどミシュランの星の数と同じだと考えていただけるといいでしょう。これは宿泊施設の品質保証の印でもあり、AAAマークがついているモーテルを探せばひとまず安心というところでしょう。ツアーブックは会員であれば無料でもらえますが、買おうとすると1冊10ドルにもなります(厚いカリフォルニア版は800ページにも!)。情報満載ですので、ぜひ活用してください。

このモーテルにもAAAマークが

ディズニーランド近く、アナハイムのマジックカーペットモーテル。チェーン店ではないのですが、安く設備もきれいでおすすめ。下方に写っているのは僕です。

●モーテルの予約
  泊まる時期が、大きなフェスティバルやコンベンションと重なっているというのでもない限り、満室になるということはあまりありません。しかし予約を取っていったほうが確実ですし、安心もできます。
  日本にいる限りにおいては、モーテルを予約する手段はインターネット&クレジットカード)くらいしか手段がないと思ってもいいと思います。大手のホテルであれば日本でも予約できるところがあるのですが、モーテルはそこまでしていません。その代わり、以下に挙げた全国チェーンのモーテルではオンライン予約を取り入れており、最大1年先までの予約を取ることが可能です。この時にクレジットカードが必要になるのですが、もしセキュリティが心配ということであれば、各サイトのホテル紹介のところで電話番号やファクス番号が書かれていることがあるので、直接電話したり、話すのに自信がない人はファクスを送ってみるといいでしょう。ファクスの際には、最初のファクスでクレジットカード番号を送ってはいけません。部屋の空きの確認をし、確保できたという連絡があってから送りましょう(もちろん、送らないと予約はされません)。また当日払いということも可能ではありますが、少額(5ドル〜1泊分)をデポジットとして取られる可能性はあります。
  もちろん、地域チェーンやチェーン店以外のモーテルでもオンライン予約を受け付けているところがあります。ホテルの情報収集もかねて、検索サイトで探してみるといいでしょう。
  予約の解除はお早めに。期限はホテルによってまちまちですが、当日の午後4時、または午後6時というところが多くなっています。これもモーテルによって異なるので確認してください。

モーテルの王者、ベストウェスタン

イエローストーン国立公園の入り口、マンモスホットスプリングスにあるベストウェスタン。自然と調和するようなデザインになっています。建物のデザインこそ違いますが、敷地の様子はだいたいどこもこのような感じです。

●全国チェーンのモーテル
  いくつもの都市を見てまわろうという人は、1つのチェーン店を利用するのがいいでしょう。特に割引になるというわけでもありませんが、グループ内のモーテルであれば、予約の手配をしてくれたり、場所を地図で示してくれたりします。またモーテルによっては航空会社のマイレージプログラムに参加しているところもありますので、同じチェーンを利用してマイルを貯めるにはいいチャンスとなります。また、同じチェーン内でも個々のモーテルの経営はその宿の主人に任せられています(いわゆるフランチャイズ形態です)ので、モーテルごとに特色がでていることがあります(メキシコ風、茶系で統一、など)。以下に挙げるのは、全国チェーンを展開している主なモーテルです。「高級〜格安」の区分は値段やサービスを元にした便宜上かつ主観的なものですので、当てはまらない場合があります。(以下順不同)

・高級モーテル
  ベストウェスタン Best Western
  ホリデイ・イン Holiday Inn

・中級モーテル
  トラベロッジ Travleodge
  デイズ・イン Days Inn
  チョイスホテルズグループ Choice Hotels Group
      スリープ・イン Sleep Inn
      コンフォート・イン Comfort Inn
      クラリオンホテル Clarion Hotel
      クォリティ・イン Quality Inn
      ロードウェイ・イン Rodeway Inn
      エコノロッジ Econo Lodge
      メインステイ・イン MainStay Inn
  レッドルーフ・イン Red Roof Inn

・格安モーテル
  モーテル6 Motel 6
  スーパー8モーテル Super 8 Motel         などなど。

格安モーテルになると、併設レストランや送迎バス、デポジットボックスなどは期待できませんが、バスやテレビはしっかりと備え付けられていて、手入れも十分されている部屋がほとんどです。


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