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波照間島の名物民宿「たましろ」は、門を入ってすぐの前庭にテーブルと椅子があり、
天気がよほど悪くない限り、宿泊客は夕食をそこで食べることになっています。
食べきれないほどのご飯に泡盛がついて、ほとんど気分は宴会。
時には島の人が、酒持参で遊びに来たりします。
わたしが泊まったその夜も、背後になにやら気配を感じて振り向くと、
一頭の仔ヤギと目が合ってしまいました。
「な、なんでこんな所にヤギさんが……」
島の人が仔ヤギを連れて、飲みに来たのです。
その日はわたしと友人のほかにも女性のふたり連れの泊まり客がいて、
仔ヤギ(♂)は「ゆきちゃん」と呼ばれ、一躍アイドルに。
島の人が持参してきた桑の葉っぱを、みんなに代わる代わる食べさせてもらってました。
もっとも島の人は、「ペットじゃないんだから、名前なんかないよ」
と、いたってクールにおっしゃってましたが。
その後の風の便りによれば、この「ゆきちゃん」、ある日行方不明になってしまったとか。
ヤギ鍋にされる運命を免れたのか、それとも……?
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