このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

中央広場
(1994.9)
 


 

中央広場

わたしが出張でしばらく滞在していた、ニーショーピン(スウェーデン)の中央広場です。
ヨーロッパの歴史のある都市には、必ずこういった石だたみの広場があって、
たいていそれに面した形で、教会と市庁舎が建てられています。

ここにはいろいろな露天の市がたったり、時には市民集会の場として使われたりします。
画面中央近くに、なにやらアイスクリーム屋さんのような小さな小屋があります。
実はこれ、スウェーデンの社会民主党の選挙事務所、
というより、見本市や展示会にある、会社ごとのブースみたいなものです。
広場の反対側には、ほかの党の小屋もいくつか建っています。

この年は4年に一度のスウェーデン総選挙の年で、
スウェーデンは比例代表制をとっているので、選挙が近づいてくると、
政党ごとにこうした小さな小屋を、どこからか持ってきて広場に据え付けます。

中には運動員が詰めていて、自分の党を紹介するパンフレットなどを用意し、
買い物ついでに立ち寄る市民に、コーヒーとクッキーくらいは出して、
いろいろな質問に答えたり、党の方針などを説明したりしています。

たまには候補者も姿を見せたりしますが、この街では、
街角に立って、マイクも使わずささやかに選挙演説するのを見かけたくらいでした。

日本に比べると本当に静かな選挙運動ですが、
それでいて、こちらの知りたいことはちゃんと伝わってきます。
戦後日本が「民主主義」を導入したときに輸入し忘れたものが、ここにあるような気がしました。



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