このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

符札(フーフダ)
(1999.5.3)


符札

沖縄の集落や町を歩いていると、時々民家や石垣の隅っこに、妙なお札を見かけます。
わたしが初めてそれに気づいたのは、波照間島の集落を歩いている時でした。
これは石垣島のある民宿で見つけたお札。
「南方増長天王」とは、仏教の守護神「四天王」のひとり。
このほかに東方担当の持国天、西方担当の広目天、北方担当の多聞天がいて、
それぞれの持ち場を守っています。

このお札は「符札(フーフダ)」と呼ばれるものです。
いつ頃から始まったのかはわかりませんが、沖縄のあちこちのお寺で出しているようです。
屋敷の四隅に貼るものと、玄関に貼るものとがあって、
お寺によって文句は微妙に違うらしいのですが、これを貼っておけば、
家の中に悪霊や妖怪が入ってこない、というわけ。
沖縄の魔除けは「シーサー」や「石敢當」だけではないのです。

沖縄のお芝居には、「逆立ち幽霊」という怖〜い話があります。
ダンナに裏切られて死んだ奥さんが、化けて出る話。
ダンナがお寺でフーフダをもらってきて、門と家の四隅に貼ってしまったので、
締め出しをくらってしまった幽霊は、夜な夜な近くの道をうろうろすることになります。
ある日、その幽霊に出会った人が、その身の上話を聞いて、「それはけしからん」と怒り、
ダンナの家に行ってそのお札を全部ひっぺがしてしまいました。
やっと家に入ることができた幽霊は、ダンナをとり殺して恨みを晴らしましたとさ。

ですから、沖縄でこういうお札を見かけても、絶対にさわらないで下さいね。
うっかり汚したり、壊したりしたら、大変だよぉ。


「旅の風景」メニューに戻る

Homeへ

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください