このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

ゴットランド島バス旅記

 

わたしはどちらかというと、旅行前に目的地の情報をみっちり仕入れていくタイプです。そうすることによって、旅がはじまる前から楽しめるから……それでもハプニングに出会うのが旅というもの。だからこんなこともある……(^^;



バルト海に浮かぶスウェーデン領のゴットランド島に行った時のことです。(1994.9.10 - 11)

島で一番大きな町、ヴィスビーを前日にひととおり見たわたしは、翌日は朝からバスでちょっと遠出してみようと思いました。 
泊まったホテルのカウンターにいたおねーちゃんと相談した結果、島の北端にある、バイキング時代の石碑や再現された民家のある、屋外博物館に行ってみることにしました。

バスに2時間ほど乗って、目的地に降りたってみると、なんと博物館は閉まっていてあたりには人っ子ひとりいない。 
「シーズンオフにつき閉館」だった。 
9月でシーズンオフ〜? 嘘やー、ふざけんなーっ! 
(スウェーデンじゃリゾートシーズンは5〜8月の4ヶ月らしい)

   屋外博物館    だ、誰もいない…… 

呆然としているわたしの後ろを、さっきわたしを降ろして終点から折り返してきたバスがゴーッと音をたてて通過していった……
次のバスが来るのは4時間後。(^^;

そこで4時間ぼーっとしていても仕方ないので、とにかく町に出ることにしました。 
一番近いのは、5キロほど先にあるバス路線の終点、フォローズントという町です。 
とぼとぼと歩いていると、途中でガソリンスタンド発見。 
「やれやれ、助かった」と思いました。(^^) 

スウェーデンではたいていガソリンスタンドにコンビニが併設されています。 
チョコレートか何か買って、ついでにトイレを借りて、少し元気を取り戻して、再び歩き始めました。 

道の両脇はひたすら林と草地ばかり。草地には牛や羊がいるけど、とにかく人間に出会わない。時折道路を車が通過していくくらいです。

   

牛

 

羊

牛がいる。

 

羊がいる。


一時間ほど歩いて、ようやくフォローズントに着きました。 
島の北端の小さな港町です。 
ところが、店が一軒も開いていない! 
そう、その日は日曜日。ヨーロッパでは、日曜日はたいていの店がお休みなのでした。(^^; 
観光地なら日曜日でも開いている店がありますが、それもシーズンオフとなるとアウト。 
開いていれば新鮮なシーフード料理など食べさせてくれそうなレストランの横を恨めしい気持ちで通り過ぎ、さすがにこれだけは開いているスーパーでパンと飲み物を買い、終点のバス停をめざします。 

バス停には、田舎のバス停などによくある小さな待合小屋がありました。 
そこのベンチに座ると、目の前はフェリー乗り場。 
実はゴットランド島のすぐ北にはフォロー島と言う小さな島があって、フォローズントという町は、その島への渡し場になっています。 

  


残念ながら外国人はその島に渡れません。「軍事上の理由」とやらで。
(現在は渡れるようになっています)
わたしはそのベンチから、島を行き来するフェリーを眺めたり、パンをかじったり、時々あたりを歩き回ったりしながら、次のバスが来るまでの約3時間をすごしました。

海辺の風景 
 フォローズントの海辺の風景 

ようやくバスが来た時は、「やったーこれで帰れるぅ〜」と思いました。乗り込んでほっとしたのか、しばらくするうちに睡魔が……

急にラジオの音が大きくなって、「うるさいなぁ〜」と思って目をさますと、なんとバスは終点のヴィスビーを折り返し、また町を出ていくところ。客は他にはひとりも乗っていません。 
わたしはあわてて降車の合図のボタンを押し、停車したバスからそそくさと降りました。 
どうやら運転手のおじさんは、明らかに東洋人の女の子(わたしのことじゃ)が爆睡しているのを見て、「お客さん、終点ですよー」と声をかけるべきだろうが、コイツ言葉がわかるんだろうか……と悩んだ末、わざとカーラジオのボリュームを上げたらしい。

ひとこと言ってくれよなぁ……(^^; 


 

 

 

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