このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
日立電鉄は茨城県に残った唯一の電化私鉄です。 日立製作所の城下町ともいえる土地で日夜地域輸送に活躍してきましたが、ご多分に漏れず自家用自動車の普及、 沿線工場の海外移転に伴う空洞化で輸送人員が大幅に減少し、更に鉄道施設の老朽化対策に膨大な設備投資がか かることも追い討ちとなり2005年3月末を以って廃止されることになりました。 ここでは最後の冬となった2005年1月に撮影した情景からご紹介します。 2005年1月撮影。 機材 ★:NIKON F2、50mmF2.0 *:OLYMPUS μ15 DIGITAL 社線乗換え 常磐線との乗換駅、大甕駅です。 JRのホームから跨線橋を渡って日立電鉄のホームへ行くとこの改札口があります。 中小私鉄でこのような情景が楽しめる駅も徐々に減っています。 * 常北太田に向けて出発 冬らしい斜めの光が差し込んでいます。 電車は左右に車体を振りながら淡々と進みます。 * 久慈浜工場内の電車 アントに連結されて電車が整備中でした。 廃止まで残り2箇月というのに台車を修理中でした。 その真摯な姿勢には頭が下がるばかりです。 * 久慈浜の酒店 時間があったので街を散歩するとレトロな雰囲気の酒屋さんがありました。 表の扉が最近交換されたようですが木製の建具を用いてありました。 * 懐旧の琺瑯看板 懐かしい看板がズラリと張ってある納屋がありました。 字体といい、簡潔明瞭な標記内容といい、実に主張性が感じられます。 * 大橋駅の農業倉庫 かつてはこの駅でも農産物の荷役を行なったのでしょう。 往時が偲ばれるようです。 * 鉄橋を渡る 有名な撮影ポイント、大橋駅付近の鉄橋です。 この鉄橋はこの先にある道を越えるために掛けられたようです。 その道はごく普通の道路です。なぜ踏切で用が足りなかったのか不思議です。 ★ 順光に映える旧塗装車 1編成だけ旧塗装の電車があります。 元営団銀座線の電車ですが実に似合う色です。 ★ 常北太田にて 常北太田の構内は側線が並び電車達が集結していました。 日中2編成で事足りる路線に何故これほど多くの電車が要るのかと思うほど並んでいます。 朝夕に運行が増えるためでしょう。しかし中には長らく使っていない色褪せた電車もみられ、この電車が旧営団から譲 渡された以後、運行本数が減ったことが分かります。 * もう一方の終端駅 鮎川 この路線はこれから先に延びて日立市に至る計画でした。 しかし第2次大戦の影響で延伸は叶いませんでした。 日立まで到達していれば路線の運命に違いが出ていたのでしょうか。 「日立電鉄が廃止になってしまえば僕はここに来ることは一生ないだろう」と思って見回せば冬の日が西に傾きつつあ りました。 * |
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