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神戸空港/けいはんな線

[神戸空港]神戸空港が2006年2月16日に開港した。
それに先立ち2月2日からポートライナーが空港まで乗り入れるようになったのだが、開港前に行われた空港施設の一般公開に見学者が殺到しているニュースを見るとすぐに乗りに行く気になれず、延長開業後、ひと月ほど経ってから乗りに出かけることにした。

JR三ノ宮駅に隣接するポートライナーの三宮駅に行くと、雑踏警備の案内人が券売機のところなどにいるし、混雑が予想されるといった張り紙がなされている。空港開港から2週間あまり経っているのだが、空港利用者だけでなく、まだ見学に出向く人も多いようだ。

今回は神戸空港だけでなく、ポートライナーの、まだ乗り降りしたことがない駅に足をしるそうと思い、「1日乗車券」を購入した。

神戸新交通の路線、ポートアイランド線、六甲アイランド線は、均一料金制だったのだが、神戸空港延長開業の日から距離制に改められ、近距離は少し安くなっている。
そのかわり、ポートライナー専用の「1日乗車券」は、600円から700円に値上げになった。三宮から空港まで片道320円だからその程度値上げされるのも仕方ないか。

まず、三宮から神戸空港行に乗る。電車はデイタイム、空港行が10分おきにある。その間に空港まで行かないで、ポートアイランドをくるりと廻ってくる電車が走っており、空港行には快速運転、といっても貿易センター駅とポートターミナル駅を通過するだけだれけど、が30分おきにある。

ポートライナーがくるりと廻る内側あたりは、高層住宅が並んでいて多くの人が暮らしている様子がうかがえる。市民広場駅には大きなホテルや国際展示場などがある。

そこから新線にはいっていく。南公園の東側には、この3月末で閉園する神戸ポートピアランドがある。25年前の1981年、このあたりで催された神戸ポート博なごりの施設である。

先端医療センター前駅付近には、医療、バイオなどの研究機関などのビルが並んでいるのだが、その先になると広々とした空き地が目立つ。

空港島への連絡橋を渡って、三宮から快速で16分で神戸空港駅に着いた。近い。大阪から関空まで、関空快速で1時間あまりかかることを思えば、そう感じる。この空港に関しては、計画当初から反対、賛成で揺れたし、開港後もいろいろ問題があるようなのだが・・・

改札を抜けるとそのまま空港ビルにつながる。空港見学者の混雑を見越して、整理員が多数配置されている。必要以上に雑踏整理に気を配りすぎ、すこし多すぎる感じもする。展望デッキまで順路が定められ、ロープが張られ、立ち止まらないで下さい、とか整理員がマイクで叫んでいる。それほどの混雑でもないのに・・・。

空港自体、地方空港という位置づけだからこぢんまりしている。開港直後の見学者が多いので、混雑しているように見えるだけだが、このフィーバーぶりが収まり、いまの運行本数からすれば、ほどほどの規模なのだろう。

神戸空港駅からポートライナーで折り返し、次のポートアイランド南駅で下車。駅付近に少し建物などあるものの、北側は広い空き地が広がっている。

駅に隣接して温室を並べたような施設がある。「神戸花鳥園」という施設で、開園前、鳥が媒介する伝染病が発生したとかで、開園が延期されたままになっている。(ほどなく営業を開始した)

駅から北に500mほどのところにスーパーセンターと銘打ったイズミヤ神戸ポートアイランド店が開店したそうなので行ってみる。
平屋建てのショッピングセンターで、とにかく広い。食品、衣料、その他いろいろがワンフロアにあるので、売場を探すだけでもたいへんだ。屋上をはじめ広く駐車場がとられ、開店早々から多くの人が訪れている。

スーパーの北側に中央緑地という公園があって、コンクリート打放しの三角形を組み合わせたあずまやのような構造物がいくつか並んでいる。幾何学的な造形や型枠の跡が縦横、綺麗に並んでいるところを見ると、安藤さんの関与した物件かな、と感じられる。

先端医療センター駅付近に建っている研究機関とかのビルは、ただの四角いビルでなくて、個性的なデザインをもっているのが多い。

昼時分になったけれど、昼食が取れそうなところがなくて、先端医療センター駅からいったん三宮まで戻ることにした。せっかくなので、貿易センター駅で下車。「1日乗車券」を使っているこんな日でないと下車することがないだろう。

昼食を取って、ふたたび三宮からポートライナーに乗って、今度は、ポートターミナル駅で下車。中国航路の連絡船などが出入りする桟橋のそばに駅があって、船が出入りする日時なら賑わっているのだろうが、ひっそりがらんとしたターミナルビル内では、外車の展示会が行われていた。

ポートターミナル駅から南へ、ポートアイランドとを結ぶ神戸大橋を歩いて渡ると北公園がある。北公園は、海越しにメリケンパークから倉庫が並ぶ突堤に向き合い、六甲の山並みが見渡せる。中突堤に停泊している巨大な客船は「飛鳥II」らしい。

この公園内には、「みなと異人館」として旧ヘーガー邸が移築されている。パーティ会場か何かとして利用されているようだ。

北公園から中公園駅まで歩き、ここから隣の市民病院前駅までポートライナーに乗る。駅から沿線を散策、ワールド記念ホール、スポーツセンター、国際展示場のそばを通ってポートピアホテルへ。市民広場駅から離れたホテル近くの商店街はシャッターを閉めたままになってるところが多く、寂れた感じ。

ホテルの東側にはアパレル系会社のビルなどが並んでいる。安藤さん設計のも見られる。コンクリート壁面に残る型枠支持の穴跡を見ただけでそれとわかる。「JUN」や「モロゾフ」の建物ですね。

南公園駅のそばにUCCコーヒー博物館があるので立ち寄る。もともとは、1981年神戸ポート博のときのコーヒーカップのようなパビリオンをイスラム風幾何学模様基調の建物に改装して博物館にしたらしい。UCCは日本で最初に缶コーヒーを発売した飲料メーカーとして有名である。

入口からはいって、エスカレータで一番上の展示室に運ばれ、そこから順に、コーヒーの歴史、コーヒー豆の栽培、加工、文化などを紹介、なかなかしっかりした展示をしている。また、UCCの歴史を紹介するコーナーでは、昔からのテレビCMを見ることができ、すこし懐かしい。

南公園駅からポートライナーに乗って、今度は北埠頭駅で下車する。駅西側は、ポートアイランドの高層住宅街で、東側は倉庫などが並ぶ港湾地区。
ひと駅、中埠頭駅まで歩いて戻る。高架から見えた、シャルレビルなど個性的な建物を見てまわる。

埠頭の駅名、大阪市のニュートラムの中ふ頭駅は、かなで「ふ」としているけれど、こちらは「埠」と漢字だ。
中埠頭駅から三宮に戻って、今回の乗り歩きも終了。以前乗り降りした、市民広場駅とあわせ、ポートライナー全駅に乗り降りしたことになった。(2006.03.04)



[けいはんな線]2006年3月27日に、けいはんな線生駒−学研奈良登美ヶ丘間が開業した。第三セクターの奈良生駒高速鉄道が建設し、近鉄が運営している路線だ。
また、大阪地下鉄中央線と相互乗り入れしていた近鉄東大阪線が学研登美ヶ丘まで延長されたのを期に、「けいはんな線」と改称された。

そして、けいはんな線と大阪地下鉄中央線とをあわせて「ゆめはんな」という統一愛称がつけられている。京都府下まで、まだ伸びてない路線だから、「けい」の文字が抜けたのかな。

東梅田駅から地下鉄谷町線に乗り、谷町4丁目駅で中央線に乗り換えて学研奈良登美ヶ丘駅に向かう。中央線が深江橋から長田まで延長されたのが1985年4月で、その先、生駒まで開業したのが翌86年10月、けいはんな線は、近鉄としては、約20年ぶりの新規営業路線ということになる。

近鉄奈良線接続する生駒駅から新規開業路線に入る。奈良線の東生駒駅付近まで奈良線と平行して走る。車両基地を右手に見て、東生駒トンネルにはいる。とても長いトンネルを抜けると白庭台駅で、トンネルとトンネルの間に駅がある感じ。

短いトンネルを抜けると、すぐに学研北生駒駅がある。ちようど富雄川が南北に走る谷にあたるところで、丘陵部に住宅地が広がっている。

北生駒駅を出ると、また長い北大和トンネルにはいり、それを出たところに学研奈良登美ヶ丘駅がある。駅前からは近鉄奈良線学園前駅とを結ぶ路線をはじめ、けいはんな学研都市精華地区とを結ぶ路線などのバスターミナルとなっている。駅前では大型のショッピングセンターの建設工事中だ。

[松伯美術館]学研奈良登美ヶ丘駅から南へ坂を上ると丘陵部には集合住宅やら戸建て住宅が並ぶ住宅街、戸建て住宅が並ぶ界隈は建ぺい率が低く押さえられ、高級住宅街といった感じ、ところとどころ植えられた桜がいまが盛りと咲き誇っている。

大渕池のほとりに松伯美術館があるので立ち寄る。この地は、近鉄名誉会長佐伯勇旧邸のあるところで、近鉄との関わりが深い。この美術館は、上村松園、松篁、淳之の三代にわたる作品、草稿などを収蔵していて、1994年3月の開館した。建物の前にある枝垂れ桜が満開。

温室のようなエントランスから館内へ。四角い建物が、中央の明るい中庭、サンルームのようなガラス張りのホールを囲むようにあって、外部に張り出すようなガラス張りの階段室とか、階下を見下ろす展示スペースとか、少しおもしろい構成になっている。

訪れたときは、「春の雅」ということで上村松園、松篁、淳之展が行われていた。敷地内には佐伯邸もそのまま残されている。村野藤吾が設計した建物だそうである。大渕池に面する松林にある桜も美しく咲いていた。

美術館をあとに近鉄奈良線学園前駅めざして歩く。駅に近づくにつれ、せせこましい戸建てや高層マンションなどが増えてくる。近鉄学園前は、高級住宅街で名が通っているが、せせこましい住宅が並んでいる区画は、高級な宅地開発からり残されたようなところをあとで開いたところなのだろう。

[大和民俗公園]学園前駅で昼食を取ったのち、奈良方面行きの近鉄電車に乗った。すでに遊園地ではなくなってしまったけれど、菖蒲池周辺は桜が満開だ。大和西大寺駅で橿原線の電車に乗り継いで、九条駅で下車。郡山まで行ってもいいのだが、今まで乗り降りしたことがないので九条駅で降りたまで。

駅周辺は少し古びた住宅が並んでいる新興住宅街といった感じ。駅から少し離れると溜め池があり、金魚の養殖をしているところもある。
市街地から離れると立派な長屋門風の納屋をもつ、むかしながらの農家があったりする。

丘陵部を越えて富雄川べりに出ると、土手は桜並木になっていて、花見の人たちが桜の下でバーベキューなど楽しんでいる。
川を渡り、閑散とした農家がぽつぽつある丘陵部を抜けると新興住宅街に出て、その近くに大和民俗公園がある。

郊外の丘陵部を取り込んだ広い公園で、芝生広場があるほか、雑木林が広がり、谷筋には溜め池があり、菖蒲園があったり、また、いっかくには梅林があったりし、四季おりおりおりの花が楽しめる。いまの時期、桜や雪柳などが咲き誇っていて、訪れてる人たちも多い。

公園内には、奈良県各地から民家が11棟移築された復元され、公開されている。ほとんどが国、県指定の文化財になっている。町屋、わら葺きの農家、吉野の山村の民家といった、地域色のある建物が建っている。広い園内の雑木林を背景に、なかなか風情がある。

せっかくなので、県立民俗博物館にも立ち寄る。訪れたときは、常設展だけの公開日で、農民の暮らし、山の人たちの暮らしで使われていた品々が民俗資料として展示されている。ただ、展示にはそれほど工夫がこらされているようには思えなかった。

大和民俗公園はバス道から500mほどはいったところにある。このバス路線の奥には矢田寺がある。
バスまで少し間があったので、となりのバス停まで歩く。ちょうど奈良高専のそば、構内に飛行機が置いてあるのが見える。

奈良高専前バス停からバスに乗る。バス停に駅までの運賃が表示されていたので小銭を用意しておいた。やってきた奈良交通のバスは、前方のドアのところに、ちょうど停まったので、深く考えもせずそこから乗り込んだ。

前乗りだから、運賃先払いだな、と深く考えもせず、運転手横の料金箱に用意していた小銭を入れ、空いている席に腰かけた。
バスが動き出してから、これでよかったのかな、と急に不安になってきた。ふつう、前払い式のバスは均一料金制のバスで行われている方式だが、ここの路線は、均一料金制ではない。

地方のバスには、乗り降り前方のドアだけというバス路線に乗ったことがあるから、今回、先に料金箱に、いれたのはまちがいだったのだろうか?

駅までのバス停から乗ってくる人がいなくて、どういうふうにするのが正式な乗り方なのかわからなかったけれど、下車する人は、前ではなく、後ろのドアから、そのまま下車していったから、運賃先払い制だったことに間違いはないらしい。たぶん、乗るとき、運転手に下車するバス停を申告して運賃を払う、というのが、このバスの乗り方かもしれない。

市街地に近づくにつれ、道路が渋滞、バスはのろのろ運転となった。運転手の案内によると、郡山城跡で行われている「桜まつり」のため渋滞しているらしい。

郡山城址の桜は満開、多くの人たちが花見にくり出していた。のろのろ運転して、ようよう近鉄郡山駅前に着いた。たぶん、ふだんの倍くらい時間がかかっていたのではなかろうか。

バスロータリーから少し離れた近鉄郡山駅へ。バスの発着するロータリーが駅前ではないので、駅はどこ?、と少しとまどう。ビルのあいだの連絡通路のようなところを通って近鉄郡山駅前に出る。

近鉄で大阪に戻る。関西圏の近鉄線はJスルーカードと共通で使えるのだが、まだICOCAは使えない。鶴橋駅乗り換えで大阪駅までのJR連絡きっぷを求めようと思ったのだが、郡山駅では、京都市、大阪市地下鉄の連絡きっぷは販売されているようだが、鶴橋駅乗り換えは売られてないようだった。JR郡山駅が近くにあるせいか?

近鉄線だけの切符だと乗り換える鶴橋駅で切符を買い直さなければならず、手間なのだが、仕方がない。近鉄でもICOCAが使えるようになると利便性がますのだが。
大和西大寺駅で難波行急行にに乗り換え鶴橋に向かう。(2006.04.08)


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