このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

酔古ざつがく

火の神 ヒヌカン

沖縄でも本土でも台所やかまどの近くに火の神を奉る風習は同じである。もっとも沖縄で火の神の存在を知ったのは、つい最近である。その家の主が亡くなり代が代わる時に、火の神も新しいものと変える習慣を見た時に初めて火の神の存在を知った。沖縄の言葉ではヒヌカンという。生活スタイルの変わった今の時代ではもう廃れてしまった風習であるが、沖縄の離島伊是名ではまだ厳然とこの風習は生きていた。多摩地方の農家の火の神は小金井公園にある江戸東京たてもの園で見たものである。そして伊是名のヒヌカンは実際に生活の中で奉られているものである。香炉状の容器の中には灰あるいは海砂が入っている。古い代のヒヌカンは海岸で海に流される。
伊是名のヒヌカン東京多摩のかまどの上の火の神
古宇利島 火ヌ神川崎民家園 荒神

沖縄の火の神
台所に祀られている家の神で火ヌ神(ヒヌカン)、火ヌ神加那志(ヒヌカンカナシ)、御三つ物(ウミチムン)などと呼ばれ、その家の主婦が祀る。火ヌ神を御三つ物というのは、三個の石で三角形に並べかまどに見立てた事からいう。その他にウカマ神、ピナカン、ヤヌカンなどと地方によって呼び方が異なっている。
旧暦の12月24日は御願解(ウグヮンブトゥチ)という行事にはヒヌカンが昇天し、家族の一年間の出来事を玉皇大帝に報告し旧1月4日に下天するという。御願解とは今年一年の無事息災を感謝して祈願を解く日である。

昔のトイレ

水洗トイレ以前の旧式トイレは沖縄、本土共になかなか見ることも体験することも出来なくなってきている。和式のトイレの場合は山の奥のキャンプ場などにわずかに残っている。琉式のトイレは離島などでも水洗化が進み、現在でも残っているのか確認していないので分からない。私は70年代の初め、北大東島の農家に滞在した時に、使ったのみでその後、残念ながら見ていない。写真の琉式トイレは屋内に付いているタイプであるが、一般庶民のトイレは屋外にあったものと想像される。私が実際に体験したトイレは屋外で、板敷きではなく床もスロープもコンクリートで出来た物だった。琉式トイレの特徴は、キンカクシはなく、便槽は真下ではなく斜め後方に位置している。その為便器直下は空間では無く、便槽までスロープ状になってつながっている。
ここで琉式トイレといっているのは私が勝手に言っているのであり、もしかしたら九州などにも有るのかも知れない。
識名園で見た琉球古式トイレ昔の和式トイレ
上の写真の拡大した物 中のスロープを見て欲し昔の田舎のトイレ
 
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