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旅行記〔上〕  (出発から下灘駅まで)

昨夜「中国・北京の旅」から帰国したばかりだったので、昼頃まで寝ていた。中国との時差は約1時間だけだが、北京に滞在中毎日早起きだったので少し疲れが残っていた。そして、ゆっくり昼頃まで寝て、遅い昼ごはんをテレビを見ながら食べた。僕が日本にいない間別にかわったニュースなんかはないみたいだったけど、阪神が4連敗したことはびっくりだった。帰りの飛行機でスポーツ新聞(もちろんデイリー)をもらって見出しが『金本ホームラン2連発』だったので「また勝ったんやなぁ」って思ったら4連敗中とのこと…日本人の多い帰りの機内の乗客の一部がざわついてた。関空行きの飛行機やったから、阪神ファンがたくさんいたと思う。まぁ、優勝はもう決まってるしそんなに焦りはしないけど、日本シリーズで戦うであろうダイエーとは強い時の阪神で戦いたいから流れは大切にしないといけないと思う。今の阪神はけが人がたくさんいるから仕方ないけど、弱い時の阪神に戻った感じ。

そんなこんなで色々ニュースなんかを見て遅い昼ごはんを食べた。その後、いっしょに行く友人W君にメールした。
僕の自宅近くにはみどりの窓口がないために、昼頃友人W君にみどりの窓口で青春18きっぷを購入するのを頼んだ。出発時間が深夜のため三ノ宮のみどりの窓口の営業時間が終了しているためである。0時にJR三ノ宮の中央口の改札前に集合することにした。
僕はそれまで旅程の確認や荷物の準備をした。そんなに旅程と言ってもJRの時刻表の確認だけだし、荷物も短い期間なので準備に時間はかからない。
取り敢えず、リョックに長袖の服(夜行列車の車内が寒いときのため)・タオル・デジカメ・MDウォークマン・うちわ・メモ帳をつめた。
あとはネットで色々と下灘駅の情報なんかを収集して、「中国・北京の旅」の旅行記の更新をして過ごした。
20時ごろ、夕飯を食べた。テレビつけたら、24時間テレビがやってた。つまらん…。
夕飯のあと、HPの掲示板に書き込みしたり、メールチェックなんかをして時間を潰した。

22:54、最寄駅から列車に乗るために、自宅を10分前に出た。外は思ったより蒸し暑かった。自宅を出た瞬間に汗が出てきた…あづいあづい。
最寄駅手前でデジカメのバッテリーを自宅に忘れていたことに気がついて、ダッシュで走って自宅に引き返した。
この時点でTシャツがびしょびしょに…あづいあづい!列車を1本乗り遅れた。仕方なく、おかんに車で最寄駅からいっこ先の駅まで送ってもらった。
23:10、三ノ宮に向けて列車に乗った。車内は時間も遅いのでがらがらだった。この時間帯は下りの列車のほうが、帰宅するサラリーマンや夏休みで遅くまで遊んでいた若者なんかでいっぱいだった。
23:40頃に三ノ宮に着いた。三ノ宮は人、人、人でいっぱいだった。う〜ん、よく見ると多くの人が同じデザインのTシャツを着ているではないか!?
そっか、今日はサザンが神戸で野外ライブを行ってる日だった。サザンのライブ帰りの人で三ノ宮は活気がある。
すぐに友人W君から『三ノ宮はサザン一色や。』ってメールが来た。実は友人W君はサザンの大ファンなんです、いや桑田圭祐の大ファンらしい。
待ち合わせ場所に行くと、友人W君は「あっ〜ライブ行けばよかった…」って言ってた。

ムーンライト松山の発車時刻は0:39なので、まだ改札するには時間があるので近くのクーラーのきいたコンビニで時間を潰すことした。
が、なんとコンビニに入って数分後にコンビニの店長らしき人が店内の電気を少しづつ消していく。
どうやら0時に閉店らしい…三ノ宮という神戸の都会にあるコンビニでも24時間営業じゃないんやね。ちょっとびっくりした。
水だけ購入して、店内を追い出されるようにしてあとにした。
0時も過ぎてたし、改札することにした。改札口で真新しい青春18きっぷに2つの日付印を押してもらう。いつも思うんだが、真新しい青春18きっぷに日付印がはいると旅が始まるんだなぁって思う。改札でムーンライト松山の指定席券も見せ、ホームへ。
定刻通り、ムーンライト松山が入線。このムーンライト松山は青春18きっぷがあれば510円の指定席券さえあれば乗車できるのである。青春18きっぷの1日分2300円と指定席券510円の2810円で松山まで行けてしまうんです。これってかなりお得ですよね。それとムーンライト松山は京都〜多度津間でムーンライト高知と併結されており、京都〜岡山間でムーンライト山陽と併結されているのである。ムーンライト山陽が併結されていたのでは8〜10号車がムーンライト松山となっていた。僕らの席は9号車であった。席につくと、友人W君と減光された車内で色々と話をした。友人W君とは、高校1年・3年と同じクラスだった。高校の時はそんなに遊んだ覚えはないけど、大学に入ってから仲良くしている。こうやって今、二人旅をしてるなんてなにか不思議な感じ。

僕は寝ないつもりであったが、しばらくして眠くなってきたので寝た。加古川あたりまでは記憶があったが…。
寝たと言っても熟睡ではない。起きたり、寝たりの感じ。友人W君も僕といっしょで起きたり、寝たりだったようだ。
完全に目が覚めた時には、愛媛県に入っていた。僕は、行く前から今治駅のホームを写真に撮ろうと思っていた。まぁ、大学の友達で今治出身の人がいるからというしょうもない理由なんだけど。


今治駅 (6:40)

時刻表を持参していなかったから、今治駅で13分も停車するなんて知らなかった僕は列車が今治駅を発車する時に車内より写真を撮った。
これだけ停車時間があればホームに出てちゃんとした写真を撮れたのになぁ。友人W君はまだ完全には目を覚ましてなかった。
松山駅に着く15分ぐらい前に目を覚ました。7:38、松山駅到着。

      
ムーンライト松山 (7:45)                        松山駅 (8:02)

松山駅到着後、みどりの窓口へ。なぜなら当初の旅程では9:11の宇和島行き普通列車に乗る予定であったが、ネットで情報を収集している時に松山〜伊予太州の区間で8月31日までの土曜・休日だけ「海辺のトロッコ1号」というイベント列車が走っていること知ったので、その指定席券を買うためにみどりの窓口へ直行した。指定席券は買うことはできた。窓口の人に聞くと、トロッコに乗れるのは、伊予上灘駅〜伊予長浜の区間だけであるようだ。僕らは、下灘駅で途中下車するので、トロッコに乗れる時間は10分だけということになる。まぁ、仕方ない。指定席券は310円だった。
その後、朝食をとるために松山駅周辺を歩いて探したがどの店もまだ営業してなかった。松山って路面電車が走ってるねんなぁ。この時初めて知った。


路面電車 (8:05)

松山駅に戻って、駅2階にある喫茶店が開店する9時まで駅の待合室で休んだ。近くの席に高校生ぐらいの女の子3人組がいた。
女の子たちの話に耳を傾けているとどうやら海に泳ぎに行くようだった。1人すごくかわいい子がいた…。ハイ。
9時なったので喫茶店に入って、和食のモーニングセット(550円)を注文した。友人W君も同じものを注文。
スポーツ新聞を見ながら食べた。味は良くもなく悪くもなく。9:47、海辺のトロッコ1号に乗車して下灘駅に出発。


海辺のトロッコ1号 (9:35)

トロッコに乗車できるのは伊予上灘駅から伊予長浜駅区間なので、それまでは一般車両に乗車。乗客はそこそこいた感じ。
ゆっくり列車は各駅に停車して進んでいく…。途中、市坪駅といところに停車した。この駅の前に野球場があった。もしかして、これって「松山坊ちゃんスタジアム」なんやろうかって思いしばらく停車するみたいだったので、ホームに出て写真を撮った。やはり松山坊ちゃんスタジアムであった。
松山って「野球の祖」って言われている正岡子規の故郷なのだ。そういえば、2、3年前ぐらいにオールスター戦が行われていたような。

     
松山坊ちゃんスタジアム (9:52)                    トロッコの車内 (10:28)

なんやかんやと友人W君と話したり、車窓を眺めたりしているうちに10:26に伊予上灘駅に到着。
「トロッコに乗車するお客さまは移動して下さい。」という車内アナウンスがあったので、僕らも移動した。すぐに指定席券の検札がきた。
トロッコに移動した乗客は16人。家族連れが3組いた。青春18きっぷでいろんなところにいっていると、必ずといっていいほど、おじさんが一人でビールを飲みながらローカル線の車窓を楽しんでいる光景をよく目にする。今回のトロッコにもチューハイを飲みながら一人旅を楽しんでいるおじさんがいた。僕もいづれはあんなふうになるんだろうなぁって思った。いい意味でである。「僕は大学生のうちにJR在来線をすべて乗りつぶそう」って思っていたけど、どうもそれは難しいように思う。大学を卒業して、社会人になっても青春18きっぷを片手にいろんなところに行けたらいいなと思う。今より時間的に難しいと思うが。

10:34、海辺トロッコ1号が発車。海辺トロッコっていう名前の通り、瀬戸内海のすぐ側を列車が走っていく。窓がないので、瀬戸内海の潮のにおいが味わえる。走り抜ける列車の突風がすごく気持ちいい!これはすごくおすすめである。友人W君の表情もすごくいい。僕らは、都会では味わうことのできない贅沢な約10分間を過ごした。途中、車掌が「記念乗車証」をくれた。表面に乗車した日付けと車掌のサインがはいっており、裏面には地図になっていた。この前にいった『木曽駒ケ岳登山・ローカル線一人旅』でSLばんえつ物語号に乗車したんだけど、その時も記念乗車証をもらった。こういうものってすごく思い出になっていい。記念乗車証を見ると、その時のことが思い出せるのである。短い満喫した10分を過ごしたあと、ついに10:44に下灘駅に到着。
もちろん降りた人は僕らだけだ。他の乗客は、下車する僕らの姿に少しびっくりした様子。しかし、車掌は慣れているかのように下車した僕らのもとにすぐに近づいてきて指定席券を回収した。やっぱり下灘駅で下車する人は今も結構いるようだ。現に、僕らが降りたとき一人のおじさんがカメラを片手に駅にいた。すぐに車で去っていたが。


下灘駅 (11:10)

ついに、ついに約8時間列車に揺られてここまで来た。ひっそりとした無人駅だ。でも、とてもすばらしい駅だ。僕が思っていた以上に、写真で見る以上に、すごく景色の美しい駅である。僕は空を見上げ、潮の香りする昼の空気を吸い込んだ。そして、自分のいる場所を再確認した。

「僕は、下灘駅にいる。」

この情景の一部に僕はいるんだと思うと何かモヤモヤした心の迷いなんかが吹き飛んだ。
空にはほとんど雲ひとつない。のんびりとした風景だ。

「僕には今、一体なにができるんだろうか…。」

分からない。
けど、今はこの情景の一部となろう。



ずっと ずっと 走り続けてる僕たち

これからどうなるんだろう

ふと そう思う

けど たまには そう 一日ぐらい

立ち止まってみよう

そして振り返ってみよう


2003年8月24日 アルベール

それにしてもあづくてあづくて耐えれんかった。駅前にあった自販機でファンタと爽健美茶を買って、松山駅前のコンビニで買った昼ごはんを食べた。
Tシャツは汗でびしょびしょだ。そういや、着替え用のTシャツを持ってくるのを忘れたなぁ。まぁ、いいか。悪くない。

ちょっとして、男の人がひとり駅のホームへ。次の列車を待つ間、ホームの席で寝るようだった。
またまた、チャリで旅している感じの二人組の若者が駅のホームへ。休憩のようだ。
「海にもっとも近い駅」って下灘駅は言われることがあるが、実は駅と瀬戸内海の間には国道が走っているのである。駅の待合室から見れば、この国道は見えず下灘駅のすぐまえに瀬戸内海があるように見えるのである。国道の車の交通量は結構多い。バイクのツーリング集団がいっぱい通り過ぎていく場面を何度も見た。
僕は、友人W君と写真の撮りあいをしたり、瀬戸内海を見に行ったりして過ごした。
すると、あっという間に八幡浜行きの列車がくる時間がきたので下灘駅のホームへ。12:16、下灘駅とさよなら。 (以下続く)

     
下灘駅 (左)11:27 (右)10:58

(2003.829初稿)




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