このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
画像:240ピクセル幅・全9枚 |
名鉄瀬戸線が栄町駅延伸乗り入れを果たしたのは昭和53年(1978)8月。それを前にした3月には、在来の路線とダイヤのまま架線電圧を600ボルトから1500ボルトに昇圧、車両をすべて取り替えた。 |
瀬戸線初の冷房車両3780系は、残念ながら旧型車両。本線等で使用されていた物の転属でまかなわれた。搬入作業は新造車両6600系よりも後の2月から。 |
3780系は瀬戸線転属を前に改造が施されている。
また、3780系ならではのユニークなオール転換クロスシート配置は、そのままで営業に入った。当時は吊革の設備がなく、ドア付近の天井に握り棒があるのみであった。 |
3月昇圧時の所要車両数は、4連運転の実施される8月の栄町開業時よりも当然少ない。また昇圧以後はそれまで使用していた車両の転出待ち・解体待ちもあり、当時の搬入は全体の一部編成にとどまった。 |
線路のつながっていた国鉄中央線から入線した車両は、昇圧後の架線電圧である直流1500ボルト用のため、当時の瀬戸線(直流600ボルト)を走行することができない。このため夜間の試運転までは決して自走することなく、機関車に牽引されて留置場所へ送り込まれた。 |
3780系搬入前 新造車両6600系が留置されている尾張瀬戸駅構内を行く、ク2324?+モ904?の普通大曽根ゆき。 | |
6600系のサイドビュー。03sec3780-02.JPG | |
留置車両6600系を望む、国鉄「滝の湯」バス停付近にて。行き交うデキ201とク2321。 沿線には古びた木製の柵も残っているが、赤い電車がやって来る上り線は50kgレールへの交換が済み、架線柱も建て替わりつつある。03sec3780-03.JPG | |
3780系の回送 2両のデキ200形に挟まれた3780系2両編成。夕方、営業列車の合間を縫って大曽根から尾張瀬戸まで送り込まれた。瀬戸市役所前〜尾張瀬戸間の桜川橋梁にて。03sec3780-04.JPG | |
尾張瀬戸駅構内に留め置かれている3780系。この車両は恐らく、撮影日以前に搬送された編成。彼方の突き当たり(左の3780系と中央のク2300形の間)に留置されたのが、上の写真の編成と思われる。03sec3780-05.JPG | |
エスコートを終えて、重連で折り返すデキ200形。私に関する限り、貨物営業等でこのような重連を見た記憶がない。03sec3780-06.JPG | |
後輩達が集う中、古豪が行く。 新造車両6600系もさることながら、中古の3780系も車体(スカーレットと屋根の灰白色)は再塗装により美しい物が多かった。これは当時、車体のスカーレット化が全社的に行なわれており、3780系については瀬戸線転属に伴う改造(難燃化等)と時期を合わせて施工されたものと想像される。 ただしこの編成のように、床下の灰白色は省略された場合も多かった。03sec3780-07.JPG | |
3780系の隣を行く、600ボルト仕様の3700系。 元来、両者共に1500ボルト仕様で互いに手を携えて走行できるのだが、3700系は昭和48年(1973)に降圧化改造されて5年間瀬戸線で活躍。瀬戸線昇圧以後は、すぐさま瀬戸線を去った後に昇圧改造されて本線に転出し、同時に使用されることはなかった。 写真の3700系は昭和48年以来の塗色を維持しているが、かなり褪色して部分的に補修し、アバタになっている。 留置線の3780系は、上の写真(05.JPG)と比較すると手前の貨車が居なくなって停車位置もずれている。夜間に電力を切り換えて試運転を実施していた証である。03sec3780-08.JPG | |
上の写真のアップ。ク2780形の中でもこの車両は、国鉄形のような外観を持つNSC-31形台車を履いていた(2789・2790の2両が該当)。 この場所の下り本線(勾配で見れば登り)に、「脱線ポイント」のようなものが設置されていた。ここは、尾張瀬戸ゆきの列車は東(写真右)に向かって通過できる。しかし通常とは逆に、下り線を上る(勾配で見れば下り)ように逆走した場合にカーブの内側に脱線するという、スプリングポイントの先端軌条のような構造を持っていた。 恐らく、大正11年に発生した貨車逸走事故の経験を反映した設備と思われる(今村駅付近で後続電車に正面衝突し積荷の大量の石炭が旅客車内に突入し即死1名ほか負傷者多数・当時は単線であった)。 また1500ボルト昇圧後にも尾張瀬戸駅付近で逸走事故が発生している。上り線の場合はこれと同じ設備が設けられず防護できない(脱線や人的被害はなし)。03sec3780-08-1.JPG |
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