このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
送電線の彼方には・・
空に描かれたコース・ライン
あれは、阪神が優勝した年
わたしは、小学生時代は大阪府の、ある集合団地に住んでいました。
玄関を飛び出して階段を駆け下りると、傍には、団地よりも高くそびえた、高圧送電線の鉄塔がありました。それに視線を合わすことはなくても、風景の一部として、毎日のように、視野に飛び込んでいました。また、これらの鉄塔達は、学校の教室の窓からも、よく見えました。
1985年 夏
あれは、阪神タイガースが優勝した年です。わたしは、まだ小学校5年生でした。ある日。わたしは、公園に沿って建ち並ぶ、送電線の鉄塔を見上げながら、思いました。
「この、送電線はどこまで続くのかなあ・・・・」
とりあえず自転車を使って北上し、送電線を、辿ってみることにしました。校区の境界線を越え、鉄塔を5基ほど辿って行くと、そこには、小学校と同じくらいの広さの、変電所がありました。
「関西電力 長曽根変電所」と掲げられた、鉄格子の門に頬をつけて、変電所構内を眺めると、そこからは、「ブーン」と唸るような、何やら、謎に秘めた音が聞こえてきました。これは多分、高圧電気の音だと、当時は確信していました。実は、この変電所前の道路は、幼稚園の送迎バスの通り道だったのです。遠い昔の、かすかな記憶の中で、毎朝、車窓に映っていた風景でした。
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