このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください




送電線の彼方には・・
空に描かれたコース・ライン

1号鉄塔は?そこに何が?


 「やった!!ついに1番の鉄塔だ!!」

 わたしは、ついに、念願の「堺港長曽根線」1号鉄塔に、たどり着きました。
しかし、様子が変です。そこは、発電所でもなく、変電所でもありませんでした。
送電線は、その鉄塔で終わっていました。
「ちぇ!な〜んだ、つまんねぇ〜の」
 しかも、わたしが楽しみにしていた、船がいないのです。
波の音も聞こえず、海の匂いもしません。
現実は、自動車の走行音とトラックの排気ガスなのでした。
堺港でもなかったのです。1号鉄塔に、たわむれる、たくさんの船たち・・・
私が思い描いていた世界は、崩れ去ってしまいました。

 わたしに、残ったのは、疲労と、むなしさだけでした。
自宅に帰って、自分の走行した道を、地図で調べましたが、鉄塔ばかりを目標にしていたので、残念ながら、最後まで、把握することはできませんでした。

 その後、長曽根変電所から延びる、他系統の送電線も追いかけたりしましたが、結局、中途半端でした。いつしか、鉄塔調査にも飽き、沙汰止みになりました。
 そして、小学校卒業と共に、わたしは、引っ越しをすることになりました。そこは、偶然にも、「堺港長曽根線」○○号鉄塔のすぐ近くでした。しかし、その頃には、鉄塔を意識することは、全くありませんでした。鉄塔への関心は完全消滅していたのです。

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