このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
山梨県の南部に位置する身延町は、身延山久遠寺と ともに歩んできた門前町。開祖・日蓮聖人がこの身延山へ 入山し、庵を結んだのは文永十一年のことでした。(
くわしくは こちら・写真もあります
)以来700年あまり、身延山久遠寺は日蓮宗の総本山として 多くの人々の信仰を集め、今日にいたっています 山の中腹にある本堂、そして頂上付近の奥之院を中心に三十あまりの坊 が配された一帯は歴史と景勝の宝庫。総門をくぐり、身延川にかかる 橋を渡ると、参道にあふれる門前町のにぎわいが訪れる人々を 迎えてくれます。まんじゅうやゆばなどの名物が店頭にならぶ 土産物屋を眺めながら約1キロメートル。やがて見えてくるのが日本 三大門の1つともいわれる三門です。間口412メートル、高さ21メートル の豪壮なシルエットは圧巻。三門という名は、三解脱門を経て 涅槃に入るという仏教の教えに由来しています。ここから287段の 石段、菩提梯を登るとそこが本堂。つまり、三解脱門をへて、菩提(悟り) への階段を上り、本堂つまり涅槃に至るというわけです。菩提梯の上 には本堂、祖師堂、仏殿などの壮麗な大伽藍が配され、本堂の地下には 国宝級の書画の数々を蔵した宝仏殿が設けられています。 このように希有なスケールを誇る久遠寺ですが、その大きさを一番 実感できるのは山頂の奥之院へ向かうときかもしれません。本堂の 裏手から運行しているロープウェイで登ること7分。高さ1153メートル の山頂からは、遠く富士山、駿河湾を望むことができ、日蓮聖人が ここでふるさとの両親や恩師をしのんだことから、この奥之院は 思親閣とも呼ばれます。また、この山頂から姿を見ることの できる七面山は、ご来光の美しさで知られる霊峰。彼岸の中日には 雲海の向こうにそびえる富士の頂から昇る太陽の光が、門を通って 本殿を照らすさまが荘厳です。 この雄大な身延の聖域のなかでは、営まれる行事もスケール豊か。 二月の節分、六月の御入山行列、そして十月の万灯行列・・・。 そこで営まれる大法要の数々は、多くの善男善女たちでにぎわいます。 町をあげてその美しさを全国にアピールしている”しだれ桜”が見事な 花を咲かせる頃、そして国内でも珍しいお葉つきイチョウがその名の 通り、葉の表に実をつける頃。四季折々の祭りと情緒に彩られた 身延の里を訪ねてみてはいかがでしょうか。 |
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