このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

一万尺紀行






 9月15日の敬老の日、弱い台風のせいで大雨(47mm/h)となり、その中でずぶ濡れにな
って働いた。その代休(1日)と最後の夏休(半日)をあわせて取り、旅に出る事にした。

 正直なところ今回の旅行は直前に決めて、何も決定していない。決まらなかった理由は天気予報
がころころ変わったりして迷ってしまったからだ。上高地とか乗鞍に行こうかな、大糸線もいいけ
ど、神岡鉄道から奥飛騨の温泉に行こうかな・・・。
入る列車も「ちくま」か「きたぐに」か迷った。

 9月17日準備が終わって旅立つ。傘を忘れている事に気づいたが時間に余裕はないので、取り
に帰るのは諦める。上郡郵便局ではがきを購入。上郡駅で出発前に切符を買った。「ちくま」の指
定券も取れたので、まず上高地に行き、その後乗鞍に行く。旅の前半の予定はこれで決まった。

 19時53分発に乗り姫路を目指す。この前九州から帰ってきたときの列車であるが、今日はそ
れほど混雑していない。やはり青春18きっぷが使えるかどうか、という事は大きいようだ。

 姫路に着いて南口のハートインに入る。私はアルコール類が苦手なので、普段は自分から飲むこ
とはまずない。ただ、アルコール類を飲むと夜行列車でよく眠れるという話を聞き、おにぎりやジ
ュースのほかにカシスオレンジを買ってみた。

買い物が終わり、改札をくぐる。新幹線の改札では、間違ってこのあとに乗る「ちくま」の指定券
を出してしまった。それで通ってしまった(ちゃんと見てくださいよ。)

 20時57分100系「ひかり182号」に乗車。とにかくよく乗っている。正直驚いた。山陽
新幹線でこんなに乗っている「ひかり」は長い間見ていない。新幹線の中で先ほど購入のカシスオ
レンジを飲んだり(飲むタイミングが早かった)、友人(大学時代の先輩方)はがきを書いたりし
た。

 米原22時13分着。自動改札を通って8番線ホームへ行く。ここから急行「ちくま」に乗車す
る。中央線夜行としては、急行「リゾート白馬アルプス」に岐阜から乗車した事があるが、「ちく
ま」ははじめてである。乗車してみると、週末なのに思ったほどは高くない。だから、出発日に指
定券が取れたんだが。ただ、この時点で乗車していた人の席が固まっていたのは、何とかならない
ものか(もっとバラバラに)と思ってしまった。

 いつものように「ドリームアイマスク(そろそろ使うのをやめたほうがよさそう)」を使って眠
ろうとした。だが、携帯電話の音が邪魔をする。現在では車内での利用はご遠慮ください、という
事だし、そうでなくても、この列車は夜行列車、しかも早朝に下車する人が特に多い列車である。
そういう性格からして、早く眠りたい人もいるはずである。私は、あまりマナーがどうやこうやと
か言うのは好きではないが、これには腹が立った(未明にもあった)。

 松本4時00分着、ここで降りる人が多かった。急行「アルプス」を見てから、松本電鉄のホー
ムへ行く。電車に乗ったが、案外少ないな、と思った。その時、上高地へは行けない、という放送
が流れる。どうもこの前の弱い台風のせいで道路が不通になったようである。一日に3回歩いて通
れる?、というはっきりしない情報が流れた。いずれにしても上高地に行くのは困難であり(すい
ていていい、という考えもあるが)、断念する事にした。乗鞍へ行くのが予定より早くなったとい
うことになった。

 取り敢えず新島々まで行ってみた。
乗った電車は快速で1回運転停車するのみで、新島々に着いた。本来はこの電車からは上高地行き
のバスが接続しているが、バスは運休。乗鞍(畳平)行きは8時05分、まだ3時間以上もある。
本来は上高地行きである沢渡行きも7時10分。えらく早く着いてしまった。

 「畳平までバス代プラス3000円で乗せていくよ。乗鞍は朝がいいよ」
というようなことを言って、TAXIの運ちゃんが声を掛けてきた。しかし、この時点ではまだ曇
っていたし、この値段は高いと思ったので、
「今回あまりお金を用意していないので」
とかいって断った。

 7時前に上高地乗鞍フリークーポンを購入。ここにいてもヒマでヒマで仕方ないので取り敢えず
奈川渡ダムまで行く事にした。7時10分発のバスに乗車した。乗客は最初は2人だったが、すぐ
に私だけとなった。普段の土曜ならこんな事はないと思うが、上高地へは不通なので誰も乗ってい
ないのだろう。この頃には天気がかなり良くなってきており、もったいない事である。

 乗客が一人という事もあり、運転手さんからいろいろ話を聞く事ができた。驚いたのは、奈川渡
ダムの水量は諏訪湖の2〜3倍であるという事だ。正直なところ、そんなに大きなダムだと思って
いなかった。奈川渡ダムは、上高地方向からと奈川(木曾の裏側になる)からの二つの川が合流す
る地点にあった。ダムの上を国道158号線が通っている。

 ここで昨日姫路のハートインで買ったおにぎりを食べたり、少し歩いたりして時間を過ごす。東
京電力のPR館(名前は忘れた)があったが、まだ営業時間前だった。バス停に向かっていると、
またTAXIの運ちゃんに声をかけられたが無視をする。

 畳平行きのバスが来たので乗車した。このバスには車掌が乗務していた。途中乗鞍高原のほうで
1回トイレ休憩があった。その後バスは白樺などの林の中の道をどんどん登っていった。だが、そ
れとともに天気のほうがやや曇りがち(ガスが発生)になり、やや悪くなってきた。
とはいえ、景色は十分楽しめた。ある地点(森林限界)を過ぎると、木(林)がなくなり、ハイマ
ツ(と思う)ばかりになった。いよいよ高山地帯に来たのだ、と思った。わずかではあるが、残雪
もあった。9月に雪を見たのは初めてであり、嬉しかった。乗鞍岳の方はガスに隠れたり、出て来
たり繰り返していた。

 そうこうしているうちに、畳平に到着。ここへ来たのは6年ぶり。前回は反対側の岐阜県側から
来ていた。ここでは荷物を一部ロッカーに預けた。それから、一万尺という店が簡易郵便局だった
ので、そこで風景印を押してもらった(友人にも送った)。

 その後乗鞍岳の頂上を目指した。
途中の肩の小屋という小屋があるところまでは、道が大変整備され広く、一寸坂道をあがっている
ような感じだった。そのあとは砂礫の中を登っていった。登りもそれまでとは違い急になった。山
登りらしくなった。畳平から乗鞍岳の頂上までは1時間20分から30分となっていて、かかる時
間は比較的短い。最も手軽な一万尺であるけれど、しんどいものはしんどかった。
3026m、乗鞍岳頂上に着いたが、ガス気味であまり景色は楽しめなかった(時々はガスが消え
たりしたが)。ジャンバーを1枚着ていたので、思ったほどは寒くなかった。下山して畳平に戻っ
た頃には、一層ガスがひどくなった。畳平でもガスのせいで時々視界がかなり悪くなってきた。

 ロッカーの荷物を取り、バスで乗鞍高原温泉YHに行く。YHに着くと、連泊されている方が先
に戻っていた。その方はバスを使わずに畳平に行き、山頂には私よりも1時間ほど前に着いたそう
だった。その時では、白山や能登半島が見えたとか。ここで、新島々のTAXIの運ちゃんが言っ
ている事が正しかった事に気づいた。やっぱり早いほうがいいんですね。

この晩のホステラーは7人だった。夕食の時に見た天気予報では明日の天気はよさそう。この時1日
入るのが早かったか、「きたぐに」から大糸線に入るべきだったか、と思った。
部屋にもテレビがあったが、なぜか1局しかかからない。山間部だからだろうか? いつもは見な
いようなアニメを見たりもした。

 先ほどの乗鞍に登った方のほかにライダーの方が同室となった。かなりYHを使われているそう
で、いろいろな所に行っているようで途中から話について行けなくなった(笑)。僕もまだまだだ
な、と思った。

 翌朝起きてみるとどうも天気が思ったほどよくない。どうも、山の天気は下の天気とはかなり違
うようだ。天気がイマイチなので、上にいても仕方ないな、でも折角来たのだから何処かは行って
おきたいな、と思った。考えた結果、番所大滝を目指すことにした。

 この滝は、乗鞍高原の入口にあり、YHからは道を下るだけ。でも距離が結構あり(4〜5km)、
バスの時間が少し気になった。YHを出たのが8時30分頃で、滝の近くのバス停9時40分まで
には乗らないと、さらに2時間待ちとなるからだ。急な坂のところでは走って下りた。

 9時15〜20分頃には滝の入口に着いた。ここからは5分、間に合いそうだ。休憩する所(あ
ずまやっていうのかな?)から滝を眺めた。大滝と名乗っている事もあり、落差も40〜50Mあ
り、それなりに迫力もあった。滝の全体を写真に収めようとしたが、うまく行かなかった。

 下を見れば、川原で写真を撮っている人がいた。下へ行く道があったので、ここから下りたのだ
ろう、と思い、その道を下った。だが、その道は全然違う所に行く道だった。それに気づいて引き
返したが、バスの到着時間が迫りつつある。急がなあかんけど、ここまで走って来たりして体力を
使っており、その状態で階段を昇るのはめっちゃきつかった。

 階段を昇り終えたが、今度はバス停が分からない。もうすぐバスは来そう。バス停を探しながら
道を下るとバス停があった。ただ本来乗るべきバス停よりも一つ下った所にあるバス停だった。何
とかバスにも間に合いよかった。

 新島々から松本電鉄に乗車。車内で次の行き先と宿を考えた。松本に近づくにつれ天気は回復。
ただ、山の上は何処を見ても曇っている。下でどこか、と考えて思いついたのが安曇野だった。私
のガイドブックによると穂高駅前にレンタサイクルがあると書いていた。レンタサイクルでまわる
事に決めた。

 取り敢えずその前に昼食を、と思い店を探すことにした。普段は適当に決めるが、今回はガイド
ブックに名前(だけ)が挙がっている店に行ってみた。ところが営業開始時間が11時50分で時
間がまだある。ただ乗車する列車が遅くなる。遅くしてもよかったのだが、その店に行くのはやめ
て結局駅前のマクドに入ってしまった。

 昼食を摂ったあと、帰りの乗車券(松本−西相生 大糸 北陸 湖西 東海道 山陽 赤穂)を
購入。それから大糸線の電車で穂高へ行った。穂高駅前の店で自転車を借りた。レンタサイクルを
利用して旅をするのは久々である。去年の8月に耶馬溪で借りて以来である。時間的にはそんなに
は長くないが、この間に(特に最近)かなりのところに出かけたので、久々のように感じる。

 自転車を使って、穂高神社、道祖神(至る所にいるが)、等々力家(本陣)、大王わさび農園、
碌山美術館を巡った。やっぱり自転車歩くのとは違い、機動力があり、楽である。風を感じながら
走るのは気持ちのいいものです。

 大王わさび農園では、わさびソフトを食べてみた。食べる前は味が想像つかなったが、ソフトな
ので甘かった。少しわさびの風味がする、といったところか。売れ行きは上々のようだ。山の地方
(三段峡、欅平)に行くとよく「岩魚」を売っているが、ここにも売っていた。高いように思えて
今まで手が出なかったが、一度食べてみよう、と岩魚の塩焼きを買った。確かに美味かった。でも、
大きさを考えると高いかな・・・?(ここでは600円とまだ安かった)。

 駅には早く着いた。本来は松本から「Sあずさ」に乗る予定だったが、穂高から乗ることになった人がいて、駅員に尋ねると、今日は指定券売りきれ、松本までの自由席特急券と乗車券を購入してい
た。たかだか16.2キロ行くのに1000円以上払わされるのはかわいそうだな、と思った。い
くら本日売り切れといってもこの区間では絶対空いていると思うのに。そこらへんは何とかならな
いものなんでしょうかね? 追加料金があまりに高いように私には思えました。ここでYHに電話
してOKだったので、信濃木崎まで行った。

 信濃木崎は無人駅だった。だが、駅から北へ進み、木崎湖の近くは宿が多いし、木崎湖にもボー
トなどがあり、観光地である。そこに旅館も兼ねている白馬温泉YHがあった。

 YHに着いてから夕食まで時間があったので木崎湖畔を散策。道路を挟んで大糸線も走っている
んですね。夕食にはワインも出た。甘くて飲みやすくて私にはよかった。

 食後、温泉施設に行って入浴した。ここは朝6時から営業しているそうだ。あと私は利用しなか
ったが、ウォータースライダーがある温泉プール(?)もあった。翌朝食事が提供されない事にな
り、ローソンで食べ物を購入した。

 翌朝の天気はよくなかった。YHを出て駅に向かうと雨も降ってきた。今日は大糸線を北上する。
このあたりでは車内は閑散としていた。かなり山深いところが続く(白馬大池駅とか)。南小
谷で乗換えとなる。時間があったので駅前の店でみやげと傘を買う。傘がチョット汚れていて後で
苦労するとはとは気づかなかったが・・・。

 南小谷からはキハ52の1両に乗ってさらに北上。平岩で下車した。平岩は駅員配置駅だが、駅
前にある郵便局は簡易郵便局。平岩駅の近くには温泉宿が数軒あるものの、正直こんな山深い駅に
駅員がいるなあ、と思ってしまった。

 下車して、姫川温泉に入浴した。ただ天気の悪い平日の午前に日帰り入浴している人は私だけだ
った。再び大糸線に乗って糸魚川に行きここで駅弁を買った。北陸本線に乗り換えて、次の青海で
下車。ヒスイ峡に行こうと思って下車した。ヒスイ峡は大糸線の小滝駅を下車した所にもあるが、
そこは駅からかなり離れている事を知っていたので、こちらにした。が、こちらの方がもっと遠い
事が分かって結局断念した。

 ヒスイ峡を目指す際、青海駅からは山のほうに向かって貨物線が延びていた。それから、北陸道
の4車線化工事が行われていた。だが、別に高架橋の工事をしているのが見えた。何だろうと思っ
て近づくと、北陸新幹線の工事だった。整備新幹線というと、本来はもっと早くできていなければ
ならなかったものだと私は思うが、何度も将来像がころころ変わったりしていて、本当に作ってい
るのかな、と思っていた。実感がなかったのだ。でもちゃんと工事しているんですね。

 青海駅で特急券(富山−新大阪、新大阪−姫路)を購入。北陸線の電車は419系で空いていた。
富山で2分の乗り換えで「サンダーバード宇奈月」の自由席に乗車。自由席は1両なので、座れな
いかな、と思ったが座れた。敦賀駅の手前で停まりそうなスピードまで落ちた。この結果京都到着
が18時31分と遅れた。私は京都18時300分発の新快速の後に走るのか、と思った。新大阪
では19時01分発の新幹線に間に合わないかな、と心配した。でも、その心配は無用だった。新
快速の方が後に出ていたようだ。

 新大阪から新幹線で姫路まで帰った。姫路からは播州赤穂行きの新快速に乗り換えのはずが、ダ
イヤが乱れていた。取り敢えず、網干まで普通で行き、乗り換えて実家のある西相生に帰った。

 振り返って見ると、今回ほど無計画なたびはなかったと思う。無計画ゆえに上高地不通という事
実を知らずに行ってしまったわけであるが、予定していなかった所に行くというのもそれはそれで
楽しいものである。



DIARYへ戻る
旅のページへ戻る
目次へ戻る
ホームへ戻る

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください