このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

ほくほく線開業記念! 春の信越 雪見の旅

旅行日:97.3.25


 「あれっ、ここから乗られへんの?」『だめだめ!』「せやけど電光掲示は“臨時”で駅員さんは乗れる言うてたし、指定券も持ってるさかい乗してくれてもええでっしゃろ」『客扱いは舞浜からになっているからねえー、乗せられないよ。普通で舞浜まで行って。』

 私がこんな押し問答をしたのは3月24日、別のページでご紹介しているバスの旅の続きである。今晩のお宿「ファンタジー舞浜」を目の前にして、早く寝たいなと言う気持ちから聞いてみたのだが断られ、結局乗れたのは30分ほど後。車内を見渡してみるとさすがにディズニーランドのバッグを持った人がほとんどだったが、意外にも2割程は鉄っちゃんだった。

 ただ座席の方は簡易リクライニングでほとんど傾かず、つい2週間前まで乗るつもりでいた「ムーンライトえちご」とは天地の格差がある。おかげで軽井沢まで寝られず、あと半年の碓氷峠を見られたのはいいのだが、車内温度は高崎からグングン下がっていて、軽井沢で下りると寒いの極地。体が震えて廃止を惜しむどころではない。

飯山で一旦乗り換え。3月末なのにまだ残っている雪が寒々しい 何とか長野まで寝られたものの、案の定長野はとんでもない寒さで、軽井沢に続いて駅前散策は見送り、人いきれでどうにか温かい待合室で過ごす。40分ほどの後、やっとの事で待ちわびた戸狩野沢温泉行きが入り、すぐに飛び乗る。

 ほどなく発車し、列車は真っ白な雪と信濃川を横に見ながら苦しそうなエンジン音を響かせてひた進む。ただ車窓の方は、たまに濃い川霧が現れる以外は雪ばかりで、「あれ、さっきここ通ったような」と思うくらい、いたって単調。たびたび睡魔に襲われる。そのため飯山線も印象がほとんどないままに、十日町からは今回のメイン、北越急行に乗る。開業から4日目で、きれいな駅舎と丁寧な駅員さんではあったが、思ったほど盛り上がっておらずがっかり。僕のような鉄道ファンですら、後にも先にも見なかった。

上の写真を背後にはこんな雪景色が。見ている分には確かにきれいだが、ホント寒そう 電車はVVVFのうなり音を響かせながら、十日町の雪原を見下ろしすぐにトンネルに突入。さすがに全線の7割強がトンネルだけあって、行き違い用の信号所や駅がトンネル内に設けてあり、かなり珍しい。その長い長い暗闇も、ようやく魚沼丘陵の手前で解放され、一面の銀世界の中を再び突き進むとあっという間に六日町。ほくほく線開業にあわせて橋上駅舎化したようで、明るくて実にきれいだ。

 すっかり雪の解けた駅前を少し歩いた後は、上越線で長岡へ。車両も大阪と同じ、景色もさっきと同じで、退屈ついでにあくびが出る。そんな中、ちょうど運良く小出から定年後東京を離れて隠居生活をしてらっしゃるご夫婦と仲良くなり、話が弾んであっという間に長岡に着いてしまった。

 お互いの健康を願って分かれ、また駅前をぶらつくと、朝市で200円のイチゴを発見。すかさず買い込んで、未乗の越後線西半分に乗るため、弥彦線経由で柏崎へ向かう。もちろんイチゴは乗車後すぐにお腹に収まり、それが効いたのか越後線ではボーっとしてしまった。これでは乗った意味がまるでない。  柏崎でも30分の接続待ちの後、特急「白鳥」で直江津まですっ飛ばす。いつものことらしいが自由席は満員で、立っていると相当な揺れを感じる。かなり無理してるのだろう。

 直江津からはまた北越急行で、残った十日町までを乗り通す。運良く今度は運転士さんと仲良くなり、駅名の由来となった虫川の大杉を紹介してもらったり、ショートしたりと大変だった試験運転中のことなども聞かせてもらった。特に後者は熱心に説明してくれて、自分自身も「冬が怖い」と一言。大事故が起こらなければいいのだが…

十日町で行き違うほくほく線普通列車。よく見れば祝開業のシールが さてさて、話しているうちに長い長いトンネルを次々とMAXの時速110㎞で通り抜けて、わずか45分で十日町着。140㎞の「はくたか」ならもう越後湯沢に着く頃だがそれでも速い。20分の間にどうにか十日町局で開業記念のタトウを買って、今度は6時間半ぶりの飯山線である。十日町と越後川口の間の接続が悪いので、何とも変な乗りつぶしルートになってしまったが、気にせずジュースを片手に本格的なローカル線を堪能する。

 越後川口・越後湯沢であわただしく乗り換え、行き着く先はガーラ湯沢。シャトルバスがすぐ来た上にノンストップだったので、16時50分頃に着けた。さすがにスキーヤーばかりで、いたって軽装の自分がかなり浮いているが、気にせずホームへ。横に保線用車が止まっている以外普通の新幹線の駅で、特に変わったところはない。

駅ともスキー場とも思えないガーラ湯沢。駅に直結したスキー場とはすごい発想だ 何ら面白いことがないまま、発車から3分で越後湯沢に舞い戻り、接続待ちのために地酒の博物館として有名な「ぽんしゅ館」へ行ってみる。が、何とその日はぼや騒ぎのために臨時休館! ぼや自体は配電盤が焦げただけのようなのだが、消火剤が散らばってて中の店の人が掃除に追われていた。何とも運の悪いことで、やむなく駅前をぶらついてみるが、お店はどこも東京圏だけあって相当物価が高く、近くの「セブンイレブン」でもスキーウエア姿の客でいっぱい。やむなく駅へ戻ってホームへ戻ってみると、さっきのほくほく線の運転士さんにまた会って、いい暇つぶしになった。

 待ちに待った高崎行きの普通はおおかたの予想通り、スキー板が所構わず置かれていて、しかも禁煙を守らないマナーの悪さ。注意しようにも、ケンカを売ってると勘違いされては命が危ないので、グッと我慢。それにしても煙たい。

 ようやく新前橋で解放されて、そのまま後続の始発列車のボックス席に腰を下ろして、赤羽まで一直線。さっきから思えば実に静かでストレスがなく、普通の状況がこんなにありがたいのかと感じてしまった。それから京浜東北・営団南北線に乗り換えて、結局東大前に着いたのは22時過ぎ。昨日から2日連続の旅行だが、全く趣向が違ってそのギャップがなぜか面白かった。やっぱり楽しい旅行をするなら春だな、と実感したゆりかもめでした。


 ○写真1・・・飯山で一旦乗り換え。3月の終わりなのに、まだ残る雪が何とも寒々しい。
 ○写真2・・・上の写真の背後には、こんな雪景色が。見てる分にはきれいだが、ホントに寒そう。
 ○写真3・・・十日町で行き違う、ほくほく線普通列車。よく見れば祝開業のシールが。
 ○写真4・・・駅ともスキー場とも思えないガーラ湯沢。それにしても駅とスキー場を直結させるなんて、
         すごい発想である。


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