このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

京都市バス醍醐営業所最後の日


醍醐営業所の日野車

醍醐車庫終点に到着の市バス


 平成9年10月11日土曜。翌日から山科・醍醐地区に地下鉄東西線が走る。それに伴い、大赤字路線だったこの地区の市バス(醍醐営業所ほか担当)がこの日限りで全廃され、京阪バスの独占状態となった。もちろん、京阪バスも地下鉄と競合する路線(三条京阪〜醍醐三宝院〜京阪六地蔵駅など)は廃止され、路線の統廃合が行なわれている。この日限りで廃止される市バスの醍醐営業所を、勤めを終えて大阪からはるばる訪れ、思い出の「東8」系統に乗ってお別れをしてきた。


醍醐車庫

最終日の醍醐車庫(その後、 こうなりました


明日からは来ません

ダメ押しの看板(醍醐車庫前にて)


 この日は京阪電車の京津線の路面区間(御陵〜三条)の最終日にもあたり、人出はそちらに集中していたが、市バス醍醐車庫でも記念撮影をしている人が2,3人いた。私も持参のデジカメで撮りたかったのだが、日も沈んでしまい、QV−10ではもう無理。おまけにタイミング悪く電池が切れてしまって、近くのコンビニでアルカリ電池を買ったりして手間取った。

 さて、ここから最後の醍醐営業所の車に乗るわけだが、選んだのは「東8」系統(醍醐車庫〜石田〜東野〜四条河原町)。学生時代に山科・椥辻(なぎつじ)にあった学習塾にバイトに行っていた頃、夜9時に終わって帰りによく乗ったのが椥辻21時14分発のこの系統の終バスだった。そこでこの「東8」を乗り納めに選んだという次第。17:50発と時刻表にはあったが、バスが出て来たのはその5分後。外環状線南行の渋滞に巻き込まれつつ、石田から旧街道に入って名神高速道路付近の小野でまた外環状線に(今度は逆方向に)合流するあたりから、遅れを回復するためスピードを出す。椥辻停留所の京阪バス停はすでに「椥辻駅」という名前になっていた。餃子の王将椥辻店はリニューアルしてはいるものの、客の入りがもう1つなのは、昔と同様だった。東野から国道1号線(五条通)に合流。この系統は「清閑寺前」を過ぎると左折して渋谷(しぶたに)通に入り、馬町から東大路通に入るというひねくれたコースをとる。それが気に入っていた。ただ、以前と違ってその後は祇園経由ではなく、京阪電車が地下に潜った跡の川端通に入った。そのあたりから、運転手氏が「本日をもって市バス醍醐系統は終了いたします。長い間ありがとうございました。」と車内放送でアナウンスし、降車する乗客1人1人に「ありがとうございました」と声をかけていた。およそ市バスらしくない応対で(と言ったら、十把一からげで失礼ですね)びっくりしたが、運転手さんの個人的感慨もあったのだろう。もっとも、この方も翌日からも他の営業所か地下鉄関係で引き続き勤務されることは間違いなかろう。だって、公務員なんだもん。


京阪四条駅上

 ここ四条京阪前で下車し、今度は三条京阪まで歩いて、ファンが列をなして電車を待つ京津線ではなくて、京阪バスの六地蔵行(これも同日限りで路線縮小)で路面電車を横目に見ながら国道山科まで行き、JRで一気に帰ろうともくろんだ。しかし、バス乗り場にも多数の待ち客がおり、三条通東行も渋滞している様子だったので、ここで乗り納めの旅を終えることにし、京都駅からJRの各駅停車で帰途についた。

 醍醐営業所の系統は田舎の細道をでかい車体の故すれ違いに苦労しながら進むかと思えば、三条通・五条通の幹線道路の坂道を追越車線の乗用車をも抜かす勢いで爆走する、波瀾万丈の行程で、特に公営交通としては個性的な路線だったと思う。偶然にも最終日に乗ることができ、幸運だった。


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