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04.11.01新規

(28) 台風で足止め

 長いことタビービト族をやっていて、これまで天候でスケジュールが乱れるということはなかったが、今年(2004年)は台風の上陸が多く、はじめて出先で台風に遭遇する体験をした。
 出発前から台風が近づいているという情報はあったが、きっぷや宿の手配がほぼ完璧に済んでいたので台風がそれることを期待してとりあえず出かけた。少々無理をしたのは先述の岩日北線が季節運行のためだったことが大きい。
 荒天だと運休になってしまう岩日北線は無事運行され、当日は所定通り小郡(新山口)泊まりとなった。既に今夜発のブルトレ系上下線の運休が決まっている。翌日の予定は新山口-(山陽線)-博多-(リレー&つばめ)-鹿児島中央(泊)となっている。台風の直撃をうけると九州新幹線が止まることが予想されるが、なんとか博多までは行っておきたい。失礼ながら小郡で一日閉じこめられるのはつらい。
 翌日早く目が覚めたのでとりあえず駅に向かう。600時点で山陽線の下関-門司間、即ち関門トンネルが運転見合わせになっていた。新幹線は始発前だったが、とりあえず今のところは動く予定だということなので小倉までの特急券を買い、こだま571号(100系)に乗り込む。今夜の鹿児島は無理と思われるので行程を引き直し、ホテルにキャンセル&日程変更の連絡をした。
 特急券をケチって小倉で下車(704着)し、まだ動いている鹿児島線715発(快3127M)に乗り換える。快速なのでいいくるまが入ると思っていたがロングシート車だったので赤間で降り、向かいホームにいた2335M(813系)に乗り移る。どうもこの列車が最終で以降運休になるらしい。接続待ちや徐行運転で17分遅れて博多駅に到着した。
 確保しておいたつばめの指定券を払い戻し、今夜の宿を確保しなければならない。クレジットで買った指定券もすんなり現金で払い戻してもらえた。博多駅近くにはカプセルホテルもあるのだが、雨風がひどくなってきており地上を歩くのは最小限にしておきたい。東横インの駅に近いほう(博多口駅前店)が確保できたのでとりあえず荷物を預ける。地下街を使えば地上は1〜2分程度歩くだけでホテルに入れるというのはありがたい。
 台風でも地下ならあまり影響はなく、地下鉄は動いている。なんとか博多まで来たかったのは翌日の行程の事情もあるが、地下街が充実していることも大きな理由である。天神まで行き、うろうろして日中の時間をすごした。出歩く人も少なく、台風接近のため、店舗も昼過ぎから続々閉店となっている。
 おなじみ「駅亭」で早めの夕食を取り、駅構内を見てみると、運行再開待ちの客がコンコースに座り込んでいる。今頃気づいて恐縮なのだが、そういえば「待合室」というものがなくなっている。ちょっと前までなら大きな駅や新幹線の停車駅には一個団体がまるまる入るくらいの(囲いのある)待合室が必ずあったものだが、今ではそういうスペースは店舗になっているようである。金になる物はなんでも換金するとはさすが民間会社である(笑)。何もしないでただ列車を待つという感覚がなくなっているのかもしれないが、コンコースにも椅子がほとんどなく地べたに座るしかないようである。
 改札前にはテレビのカメラが陣取り、改札口を映している。よく見る光景だが、撮っているところははじめて見た。アナウンスは頻繁にされているようだが、こういうときには必ず「放送の内容と同じ回答を個別に要求する客」がいるもので、ただでさえ忙しい駅員のじゃまをしている。(接客の)最前線の駅員に運行の最新情報が届くのはそれほど早くないはずである。開通の目処などわかるわけがない。
 改札の駅員に文句を言っている者がいたのだが、よく見ると朝もいたヤツである。何を言っているのかわからないが運行を止めたのが気に入らないらしい。基準がどうとかいうより輸送指令の判断は絶対である(たぶん)。
 この男、一見旅行者のようには見えず、このイキに日頃の鬱憤をはらそうとしているように見えなくもない。なかばあきれ顔の取材スタッフに「近くに支社(? 非現業部門)があるので行ってみたら」と勧められていたが、行ってもやりこめられるのがわかっているらしく、「ああいう(非現業の)連中は(理屈ばかりこねて)だめだ」などと言っている(笑)。理由はともあれ異常時に長時間現場の業務の妨害をするのは他の客にも迷惑である。

ここで得た教訓!! 事故や故障の時でも役に立つぞ!!

・待合室がない場合、臨時に座れるスペースを確保する。会議室兼用でもいいので普段からそれ用の椅子なり畳なりを用意しておく必要がある。
・そこに台風情報を流すテレビをおく。ラジオでも鉄道無線でもいいからスピーカーで常時情報を垂れ流しにしておく。博多駅新幹線改札前にはテレビが置いてあった。臨時椅子も若干はおかれていた。
・運行情報はホワイトボードに時間別に記載or貼付する。直接関係ない遠隔地のことや開通前点検区間の細かいところ(%%-@@間は点検終了、ただ今@@-&&間点検中など)まで出してしまう。払い戻しなどの案内も。
・テレホンサービスがある地域は番号を掲示する。
・待合客に30分おきくらいでも定期的に記者会見よろしく全体説明をする。その予定もボードに記載する。仮になにも変化がなくても定例として助役なりが客の前に出てくることに意味がある。質疑はその際に受ける。
・係員への個別の問い合わせは極力遠慮願う。
・抗議は五分以内(笑)。納得行かなければ後日文書で提訴するように。現場もおおごとになることを恐れずに毅然と対応すること。
・大声を出すもの、暴れる者は鉄警の協力も得て即刻排除すること。


 


中継はかくして作られる。TVスタッフが陣取る改札前

抗議は5分以内に!! 朝見た男は夕方にもいた!(画像タイトルに注目)
(2名×賃金×応対時間)=無駄なコスト


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