このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

鹿児島市交通局

〜車体塗色の斬新さにヨーロッパの鉄道を連想〜

天文館通を走る最新鋭9700形

 熊本の60万、長崎の40万の中間、50万人台の人口を擁し、いずれ劣らぬ路面電車に活力ある町である。併用軌
道区間では建設省の補助が創設される前からセンターポール化を進めて全線で完了し、専用軌道区間も都市計
画が未定区間を除いて軌道整備を終えるなど、しっかりした手が入っている。軌道がよくて、中央分離帯が右折自
動車の進入を防げば、スピードがあがる。1998年5月に行ったダイヤ改正では、所要時間を3〜5分縮めている。

 ①鹿児島駅前−鴨池−谷山間が日中6分間隔、②鹿児島駅前−西鹿児島駅前−郡元間が日中8分間隔で運
転されている。
 路線は郡元−谷山間が専用軌道、それ以外が併用軌道となっているが北のターミナル−鹿児島駅前は一般道
とは離れた場所にあり、乗降別ホームや上屋を備えた姿は、ちょっとした駅のようでもある。他の停留所の整備も
進んでおり、いづろ通などにはLED方式の案内表示機が設置されている。
 高見馬場あたりでは幅広の道路沿いにビルが建ち並び、都会的な景観を見せるが、谷山方面は斜面を切り開い
たベッドタウンが目に付く。併用軌道では、ほとんどの区間で架線柱がセンターポール化されており、街の美観向
上に貢献している。
 運賃は全線均一制(160円)。郡元や高見馬場では、乗換券が発行されるが、利用区間は限定されている。一
日乗車券(600円)は観光地周遊バス「カゴシマシティビュー」や市バスの大半の区間にも乗れ、電車内はもちろん
郡元のダイエーなど、市内各所で発売している。

 一般旅客用の車両は最新9700形2両を含めて55両が在籍し、2100形など上2桁が21の形式はJR九州の製造
である。洗練された車体塗色は鹿児島市電ならではのもので、9500形で採用されたグラデーション(色の濃さの
段階的な変化)や、2100形の立体感ある塗装はヨーロッパの鉄道車両では採用例があるものの、日本の鉄道で
はあまり見かけない。また605号はビアホール電車。
 城山公園へは朝日通か市役所前下車、西郷隆盛終焉の地は県庁前下車。なお、各種案内では西鹿児島駅前
を西駅、天文館通を天文館と略すことがあるので注意を!

線路総延長 13.1㎞

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