乗ってるのはポーランド人が多いのか、そうじゃないのか結局わからなかった。みんな自分の船室にこもっていて、外をぶらぶらしているのは居場所がない若い旅行者だけだ。
そうこうしているうちに、遠くに陸地が見え、見えたと思ったら到着。高いものがほとんどないので、遠くからだと陸地が確認できなかったからだ。
Swinoujscie(二つの s の上にはアクセント記号が付く)シュヴィノウィシチェという、発音しにくい港だ。本当に港以外に何もない感じで、船から出た客はどんどんと駅のほうへ歩いていってしまった。
初めての海外旅行ということで準備は万端。ビザもちゃんと日本で取って来ている。3800円と、結構高かったけど、パスポートにどーんとスタンプが押してあるのはちょっと嬉しい。
入国審査が手間取るのか、なかなか外には出られなかった。順番が回ってくるまでに、小一時間かかった。そのわりには、パスポートを見て、はんこを押しておしまい。あっけなかった。ちょっと期待外れだ。
両替する。1米ドルが約10000ズオチ。あっという間に金持ちになった気がする。あとで数えると、11種類も紙幣があった。
Karol Swierszewski | 75銭 | ||
Ludwik Warynski | 1円50銭 | ロシア社会労働者党の設立者 | |
Jaroslaw Dabrowski | 3円 | パリコミューンの軍隊長 | |
Tadeusz Kosciuszko | 7円50銭 | アメリカ独立戦争で活躍した軍曹 | |
Mikolaj Kopernik | 15円 | 地動説を唱えた科学者 | |
Mieszko I | 30円 | 10世紀にキリスト教を受け入れた大公 | |
Fryderuk Chopin | 75円 | 作曲家 | |
Stanislaw Wysplanski | 150円=1米ドル | ||
Maria Sklodowska | 300円 | キュリー婦人:ノーベル物理学賞受賞者 | |
Stanislaw Staszic | 750円 | 18世紀の啓蒙活動家 | |
Stanislaw Moniuszko | 1500円 | 国民的作曲家 |
コペルニクスとショパンとキュリー婦人以外は知らない人ばかりだなぁ。
それにしても、なんだかとても国際的だ。ポーランド人は世界中で活躍しているのがわかる。そういう人を意図的に選んでいるのだろうか。
ちなみに硬貨はほとんど使われていなかった。釣り銭をぼられてるような感じがしてちょっと気になったが、多く釣りをくれる時もあり、収支はとんとんという感じか。
硬貨がないので、重くならないから結構便利だけど、紙幣を覚えるまでが一苦労だった。
国鉄(PKP)の駅で、ワルシャワまでの切符を買う。国際学生証で学割の切符が買えた。641kmの距離が学割で半額で23490ズオチ。10ズオチのお釣は返してもらえなかった。ちょっと悲しい。
それにしても、300円強で、大阪から博多より遠い距離を運んでくれるなんてなんて素敵な国だろう。日本だったら乗車券だけで10000円近くするというのに。
とりあえず、Szczecin(シュチェッチン)まで行く。オーデル川河口のでドイツ国境に近い大きい町。普通電車で2時間半。
この日は、電車の中で知り合ったポーランド人の学生が住んでいる寮に泊めてもらうことになった。
太ってて、ひげ面で同年輩には見えない。二人とも下手な英語で何とかコミュニケーションを取る。
彼によれば、「ポーランドのペプシは世界で一番美味い」そうだ。西ドイツのような豊な国のペプシでも臭くて飲めないといっていた。そう言われれば、ポーランドのペプシはどうも炭酸が抜けたような感じがする・・・。
ポーランド語を教えてもらったり、しょうもないことを喋ったりしてるうちに、夜が更けた。