このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

ポーランド入国

床にごろんと寝転んでいたので体が痛い。
夏の海なのに、鈍い色で肌寒くて、ここじゃ、泳ごうなんて気持ちにはならないだろうな。
それでも天気がいいので、風にあたるのは気持ちがよかった。

乗ってるのはポーランド人が多いのか、そうじゃないのか結局わからなかった。みんな自分の船室にこもっていて、外をぶらぶらしているのは居場所がない若い旅行者だけだ。
そうこうしているうちに、遠くに陸地が見え、見えたと思ったら到着。高いものがほとんどないので、遠くからだと陸地が確認できなかったからだ。

Swinoujscie(二つの s の上にはアクセント記号が付く)シュヴィノウィシチェという、発音しにくい港だ。本当に港以外に何もない感じで、船から出た客はどんどんと駅のほうへ歩いていってしまった。

初めての海外旅行ということで準備は万端。ビザもちゃんと日本で取って来ている。3800円と、結構高かったけど、パスポートにどーんとスタンプが押してあるのはちょっと嬉しい。
入国審査が手間取るのか、なかなか外には出られなかった。順番が回ってくるまでに、小一時間かかった。そのわりには、パスポートを見て、はんこを押しておしまい。あっけなかった。ちょっと期待外れだ。

両替する。1米ドルが約10000ズオチ。あっという間に金持ちになった気がする。あとで数えると、11種類も紙幣があった。

額面
紙幣の顔
当時のレートで
だれ?
50ズオチ
Karol Swierszewski75銭
100ズオチ
Ludwik Warynski1円50銭ロシア社会労働者党の設立者
200ズオチ
Jaroslaw Dabrowski3円パリコミューンの軍隊長
500ズオチ
Tadeusz Kosciuszko7円50銭アメリカ独立戦争で活躍した軍曹
1000ズオチ
Mikolaj Kopernik15円地動説を唱えた科学者
2000ズオチ
Mieszko I30円10世紀にキリスト教を受け入れた大公
5000ズオチ
Fryderuk Chopin75円作曲家
10000ズオチ
Stanislaw Wysplanski150円=1米ドル
20000ズオチ
Maria Sklodowska300円キュリー婦人:ノーベル物理学賞受賞者
50000ズオチ
Stanislaw Staszic750円18世紀の啓蒙活動家
100000ズオチ
Stanislaw Moniuszko1500円国民的作曲家

コペルニクスとショパンとキュリー婦人以外は知らない人ばかりだなぁ。
それにしても、なんだかとても国際的だ。ポーランド人は世界中で活躍しているのがわかる。そういう人を意図的に選んでいるのだろうか。
ちなみに硬貨はほとんど使われていなかった。釣り銭をぼられてるような感じがしてちょっと気になったが、多く釣りをくれる時もあり、収支はとんとんという感じか。
硬貨がないので、重くならないから結構便利だけど、紙幣を覚えるまでが一苦労だった。

国鉄(PKP)の駅で、ワルシャワまでの切符を買う。国際学生証で学割の切符が買えた。641kmの距離が学割で半額で23490ズオチ。10ズオチのお釣は返してもらえなかった。ちょっと悲しい。
それにしても、300円強で、大阪から博多より遠い距離を運んでくれるなんてなんて素敵な国だろう。日本だったら乗車券だけで10000円近くするというのに。

とりあえず、Szczecin(シュチェッチン)まで行く。オーデル川河口のでドイツ国境に近い大きい町。普通電車で2時間半。
この日は、電車の中で知り合ったポーランド人の学生が住んでいる寮に泊めてもらうことになった。
太ってて、ひげ面で同年輩には見えない。二人とも下手な英語で何とかコミュニケーションを取る。
彼によれば、「ポーランドのペプシは世界で一番美味い」そうだ。西ドイツのような豊な国のペプシでも臭くて飲めないといっていた。そう言われれば、ポーランドのペプシはどうも炭酸が抜けたような感じがする・・・。

ポーランド語を教えてもらったり、しょうもないことを喋ったりしてるうちに、夜が更けた。

ポズナニへ行く

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