このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

木のこと家のこと 

地震に強い家とは その2&ローコスト住宅(設計手法、施工方法からみる) 

 
 「地震に強い構造は何ですか?」「火災に強い構造は何ですか?」という話題がよく出る。鉄骨が強いとか、2×4が強いとか、結構この手の話題は盛り上がったりするのだが、この議論は正直無駄な気がする。

究極「木造でランドマークタワーや東京タワーは建てられないから鉄骨が丈夫」みたいな意味のない論議になりがちだと思う。

火災についても然り!鉄は熱に弱いとか木は良く燃えるとか、そんな素材そのものの特性についてバトルしたところで、「火災に強い家とは」という回答には到底到達しない。

 昨年の住宅着工棟数の約8割が木造で建てられている。この結果は、「どの構造が強いか?」で建てられるのではなく、違った力が働いているのだと思う。
 僕が思うに木造の家を建てる人が圧倒的に多いのは「日本人としての本能」である部分が大きいと思う。

 某鉄骨プレハブ大手も最近木造を手がけるようになった。これは「世の中8割の人が木造」という、巨大なマーケットを逃す手はないと考えたからだと思う。実際契約数も順調なようだ。今までは耐震性などで鉄骨住宅の優位性を説いていた訳であるが、背に腹は代えられないというのが正直なところだと思う。こういった鉄骨・木造両方手がけるメーカーに同じような「どっちが強い?」という質問を浴びせると実に面白い回答が返ってくる(笑)皆さんもお試しあれ!


家の耐震性能
阪神淡路大震災、新潟中越大震災、そして昨日起きた九州地方の地震・・大きな被害と尊い人命が失われています。

まずはこちらをご覧になってみてください!
新居浜市のHP  → 7.耐震補強をするには → 7.5古い家屋の危険性
とお進みください!家屋倒壊の動画を見ることが出来ると思います。


他に文部科学省の『大都市大災害軽減化特別プロジェクト』の一環で進められ、東京大学の坂本先生が実験した記事も紹介させていただきます。

記事の内容は こちら

科学新聞より

 昭和56年以前の旧基準による建物が、ものの10数秒で倒壊しちゃっています。これでは逃げる時間が確保できません・・
 では、それ以前の全ての家屋が倒壊したかと言うとNOである。また、56年以降の家屋が1軒も倒壊していないかと言うと、それもNOである

 建築基準法的には法の基準を満たした建物とは
 「絶対倒壊しない構造の家ではなく、逃げる時間が確保出来る構造の家」
と言った方が合っていると思う。

次回は、実際どんな家が地震に強いと言えるのか?を自分なりに書いてみたいと思います。


参考までに 日本建築防災協会 のHPに「 我が家の耐震チェック 」という診断ソフトが紹介されています。ダウンロードは無料ですので、試してみてはいかがでしょうか?

こんな感じで、間取りを打ち込みますと、実際に家のイラストがグラグラ揺れます。

入力する設定はちょっと細かいのですが、ちゃんと入れますと変心率など、かなり現実性の高い診断をしてくれます。

また、下のように詳細結果が出てきて、改善方法なども紹介されます。




 


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