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KMZ
Zorki1
(Зоркцц-1)
(Export type)

製造国:旧ソビエト社会主義共和国連邦
製造会社:KMZ(クラスノゴルスク機械工廠)
発売年:1951年(昭和26年)ごろ
フォーマット:35mmフルサイズ
シャッター:布幕フォーカルプレン B・1/20〜1/500
レンズ:INDUSTAR 22 50mm F3.5他(Lマウント交換式)
焦点調節:2重像合致式連動距離計
ファインダー:逆ガリレイ透視式
露出計:無し
サイズ(実測):129x74x76mm 750g
その他装備:レリーズソケット

旧ソ連製カメラ。ライカDⅡのコピー機。
とりあえず、外見は完全に一緒のようです。

この後ゾルキシリーズは、
独自の発展を遂げて、
なんだかヘンテコなカメラになって行きます。

本家ライカと違うところは、
軍艦部の文字がロシア語表記になっている、
とにかく部品の加工精度が荒くて造りの悪いところなど。

例えばシャッターが凄い音。
シャッター幕の縁に鉄板がついているせいか、
凄い音がするし、ショックも大きい。

例えば、各ノブのすべり止めのローレットのキザミ目が
直角・平行じゃないところ。
もっともこれは個体差があるようですが。

あとはフランジバックの調整に
ボール紙のワッシャーが使用されていたりして驚き。
そんなコトして良いのだろうか?

外装、本来ライカでは皮革が張ってある部分は、
何か謎の素材で覆われています。
一見革ふうだが、革よりずっと堅い。
かといって金属というわけではなく、何か良くわからない素材です。
何なのでしょう。
謎。

後年のゾルキとその改良型は、革張りではなく、
ダイキャストに革模様を付けて鋳造して、黒塗装するという、
あんまり普通では思いつかないような方法の
処理が施してあります。

とりあえず長所は
コストパフォーマンスが高い事。
何しろ金属金属してて、
いかにも重くて、意外とよく写る。

軍艦部はライカと同様です。
でも成形はアヤシイ。
棒ヤスリの跡みたいのがそこかしこに残っています。
前面もあんまりフラットじゃないし。

手前からフィルム巻き戻しノブ、
アクセサリーシュー、シャッタースピードダイヤル、
シャッターボタン、フィルム巻上げノブ。

「ЗОРКЦЦ」
「ИЗГОТОВЛЕНО В СССР」
ロシア文字が並ぶトップカバーは
めちゃめちゃカッコイイと思っているのですが。

ビジュアル的カッコよさでは、
ドイツ語よりロシア語かも。
異文明のかおりというか、
何しろ何書いてあるかわからないから。

ちなみに「ゾルキ」とは、
「視力の良い」とか「烱眼な」とかいった
意味らしい。
輸出用タイプなので、
ロゴが英語とロシア語の2種で入ってます。
旧ソ連を主張していて、好きな部分です。
この機械的な筆記体はかなり良い。

ホントはロゴは刻印してあるだけなのですが、
せっかくカッコイイので、
黒い塗料で墨入れしてみました。

ファインダーは2眼式。
左が連動距離計、右がフレーミング用。

接眼部のベゼルに合わせて、
トップカバーが湾曲しているのも好き。
まあこの辺はライカDⅡそのまんまなんで、
誉めるのもちょっとヘンかな。
標準レンズはインダスタール22 50mm f3.5。
これも外見はライカのレンズ
「エルマー」のコピーだそうです。
レンズ構成は、ツァイスのレンズ
「テッサー」のコピーだという話も。

これも表記はロシア文字。
「ИНДУСТАР22」
前面の刻印は非常に丁寧です。
これから時代が新しくなってゆくと、
どうもへろへろになって行くようです。

沈胴式というタイプで、
撮影時はレンズをつまんで引き出し、
回転させて固定します。

左下のボタンはレンズを無限遠位置で
固定するための物。

なかなか鮮やかで立体的な描写だと思います。

しかし、絞リダイヤルが前面のレンズ周りに
へばりつく様に付いていて、とても設定しにくい。
フードとかつけてしまったら
なおさら操作できないです。
レンズキャップ。
なにしろ、ちまたでは「Leica」のロゴの
入ったものしか売ってない。
そんなの恐ろしくて使えんですよ?

このキャップは後から別に手に入れました。
ロゴが輸出用タイプじゃないゾルキのものなので、
輸出用タイプには、
また別のキャップがついてるのかも。。
レンズを引き出した状態。
通常時はコンパクト。
「台形に矢印」は、製造工場
クラスノゴルスク機械工廠のマーク。
プリズムの中を光線が走る意匠なのですが、
なんの意味があるのかはよくわからないです。

シャッターは高速側が1/500までしかなく、
少し物足りないかも。
しかも自分の機体は、1/200より速くなると、
画面の右と左で露出が違ってくる。
どうも先幕と後幕の
幕速の調整がいまいちなようです。

フィルムを巻き上げてから、
ダイヤルを引き上げて回して、
シャッター速度を設定します。

シャッターを切るときダイヤルが回転するので、
手を触れないように気をつけましょう。
左から、シャッターダイヤル、シャッターボタン、
フィルム巻き上げノブ。

シャッターダイヤル、シャッターボタンは
巻上げ操作のたびにぐるぐる回転します。

シャッターボタンにはレリーズケーブル等が
ねじ込めるよう、ネジが切ってあります。
これは便利。

シャッター音はかなり大きいです。
「ガシャッッ」っていう感じ。
何となくギロチンのようなものを想像してしまいます。
レンズは交換式。
規格はライカと同じLマウントなので、
世界中のいろいろなレンズが使えます。

でもとりあえず安いところで、
旧ソ連製「ジュピター8 50mm F2.0」

大口径な割りに安くてうれしい。
純正のハードケース。
やっぱしへなちょこな造りだ!

カメラ本体にアイレット(吊り金具)が付いて無いので、
ケースに入れてぶら下げるしかないのだけれども。

さすがにちょっと不安です。
だからロシア人てこのストラップでなんで平気なんだ?
ただの革のせん切りですよー。
そんなわけでリストストラップを付けましょう。
市販している、三脚穴にねじ込むタイプの物です。
片手でぶら下げてるのには結構便利。
転落防止に最適です。

三脚ネジ穴が大きいネジサイズなので、
普通サイズのネジ穴に変換する
アダプターを使用しています。

たしかにバルナック型ライカのコピーではあるものの、
触感とかすでに別のカメラです。

「旧ソ連」というブランド?とか
このゴリゴリ感を楽しむのが吉。

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