初めて手に入れたソ連製の腕時計。手巻き17石。
雑誌の懸賞であたった、Kさんの香港土産。
確か、92年頃の入手です。
つくりはかなり安っぽかったのですが、
どうにも微妙かつ地味に変なデザインが非常に気に入っておりました。
時間もなかなか正確でした。
しかし1年くらい使った頃、動かなくなってしまいました。
直すあてもなく、
捨てるのも忍びなかったので、
ずっと引き出しの奥に何年も仕舞ってあったのですが。
ある日、手持ちのクォーツの電池交換のため、
近所の時計屋に行ったついでに
「ひょっとしたら直せるかも…」と、軽い気持ちで持っていきました。
『ボストークかね！
一回だけ診たことあるけどね。
ロシアの時計はね、構造が変なんですよ。』
何かの衝撃で、「振り切れ」とかいう故障を起こしていたとのことで、
実にあっさり直ってしまいました。
『また振り切れるようなら、調整が必要ですので持ってきてください。』
とのことでしたが、それから止まる事もなく、
極めて快調です。
「そうか。機械式は直せるんだ。」
機械式の時計に惹かれはじめたのは、
多分このことからです。
さて。なんかいいカンジにまとまっちゃったのですが、
それでは面白くないので、
この時計の変なトコなど書いておきましょう。
まず、文字盤の色が変！
なんで文字盤が緑なのか？
おかげで革ベルトとか全然似合いません。
仕方がないので、テキトーな金属ベルト使っています。
リューズとスモールセコンドの位置が変！
2時位置にリューズ、9時位置にスモールセコンド。
あんまり見ない配置です。
もともと秒針のないムーブメントに
無理やり秒針付けたのでは？
それなのに分針の軸中央に穴があいてる。
中三針式（真ん中に秒針付いてるヤツ）の部品を流用してるのか？
さらに、リューズが痛い！
左手に時計つけると、
手首の骨の出っ張りに思い切り当たるのです。
何でこんな中途半端な位置にリューズを?
そして25〜35分の間に目盛りが無い！
この部分、ロシア語で「MADE IN USSR」って書いてあるんですが、
ここだけ目盛りが無い。
学生時代に使っていた頃、30分にチャイムが鳴るんですよ。
あと何分で授業終わるかわからなくて、不便でした（笑）
なんでそんな手間惜しむかな。
というか、この文字盤のデザインは、おかしい。
でもその謎部分こそがイイのです。
東側は未知の文明ですねやっぱり。
そんなわけで、僕が「超イカス機械文明の国・ソ連（偏見）」に
惹かれはじめた発端でもある時計です。
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