このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
編集後記
かつて、高校で日本史を習っていたときに、鎌倉幕府が「徳政令」なる借金帳消し命令を出していたことを知って、「昔の時代はなんて無茶が通っていたんだろう」と思ったことがあった。だが、考えてみれば、過去におきた日本史上の事件と現在の政治とでは、似たようなことがたくさんある。例えば、江戸時代には、地方の有力大名が徳川将軍家に対抗する勢力に育たぬよう、「参勤交代」や土木工事を命じて藩の財務力を奪い支配したが、現在では地方自治体は「3割自治」と呼ばれるように、(一部の例外を除いて)財源も仕事量も地域独自のものは3割だけで、残りの7割は地方債や地方交付税交付金、機関委任事務(もっとも、先頃の法改正で機関委任事務は廃止され、法定受託事務となったが)で占められているという。「米将軍」と呼ばれた徳川吉宗は、5公5民の増税と引き換えに査定方式を「検見法」から「定免法」(各年の出来高に関わらず一定量の年貢米を納税する制度)に変えたが、現代日本では、高齢化社会の到来に備えるため租税負担率を上昇させようとしているが、その手段は所得税から消費税への「直間比率の是正」という形で為された。そういえば、「日銀特融」や「公的資金」というのも、一種の現代版「徳政令」であろう。
お知らせ
月刊「健論」では(特に今年に入ってから)編集長以外の投稿を募集しておりましたが、今月号では、総選挙における各党の動き等を論評した記事を2本掲載した他、本誌初の女性からの投稿と会員・小林祐樹氏の原稿を掲載することが出来ました。今後とも、複数の執筆者を確保して多様な記事を掲載していきたいと考えておりますので、今後の月刊「健論」にどうぞご期待下さい。
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