このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 国語日記 

『先生』

 「先生」とは「教員(teacher)」あるいは「教職員」(子供達に直接教授する一般の先生は「教員」だが、「校長先生」や「保健の先生」はむしろ「職員」であろう)であり、「教授(professor)」あるいは「講師」であることが多いが、敬称の一種として「議員(congressman)」「医者(doctor)」「師範」「教祖」の場合もある。法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)も互いに「先生」と呼び合っているという。もっとも、同じ「先生!」という呼びかけでも、英語にすると、「医者」の場合は「Doctor!」で正しいが、教員を(日本語感覚で)「Teacher!」と呼ぶのはおかしい(「ミスター〜」と名前で呼ぶか、「Sir」が正しい)。
 これらのうち、「先生」と呼ばれる資格をもっとも疑われているのが「議員先生」である。よく、新聞などでは「議員センセイ」とも書く。私も、高校生時代は、「なんで国会議員がセンセイなどと呼ばれるんだろう」と懐疑的だったが、大学生になって、実際に何人かの「議員センセイ」と直接会う機会を得ると、その疑問は氷解した。何万人もの人に自分の名前を投票用紙に書かせる。様々な人や団体の様々な利害を吸い上げて国会に反映させる。多くの支持を集め、言葉で人々を煽り、合意を形成していく。そのバイタリティー、強烈な才能は、正に「政治的行為という分野における先生」と呼ぶに相応しいのではないだろうか。

中島 健(なかじま・たけし) 大学生


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