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三軒茶屋
台湾(中華民国)の李登輝前総統の訪日問題は、結局「ビザ発給」を主張する森善朗首相ら首相官邸の力が優り、対中配慮から反対していた河野洋平外相ら外交当局を押し切っての解決となった。訪日中、大阪と岡山を訪れた李前総統の動静はマスコミによって詳しく報道され、国民は中台問題について改めて考えさせられた。
ところで、中台問題に関して中国(中華人民共和国)は、アメリカや我が国に対して常に「3つのノー」を表明することを要求し、日米両国ともこれを受けいれている。この「3つのノー」とは、具体的には「台湾独立を支持しない」「二つの中国論、一つの中国・一つの台湾論を支持しない」「主権国家で構成される国際機関への台湾加盟を支持しない」の三点であり、これによって台湾は、中南米やアフリカの一部の国との間にしか正式な外交関係を維持できていない。そして、中国は、「中台問題は内政問題である」「武力行使も辞さない」との立場を貫いており、台湾海峡の両岸関係に緊張をもたらしている。
日本政府は、日中平和友好条約でこの「3つのノー」を受け容れた。だが、果たして国民感情としてはどうであろうか。主権国家としての領土・国民・政府及び外交能力を持ち、東アジアで3番目に民主化した国家である台湾を無視できるのか。第一、台湾は、大陸の漢人が統治・領有した時期よりも、我が国の植民地だった時期のほうが長いとも言われている。中国側の度重なる批判や恫喝で「極悪人」のように扱われた李総統が、実は大変親日的で日本語も話すという事実を今回はじめて知った国民も多いだろう。だから私は、一国民として、台湾問題に関しては「3つのイエス」を唱えたい。即ち、「台湾独立を大いに支持する」「二つの中国論、一つの中国・一つの台湾論を大いに支持する」「主権国家で構成される国際機関への台湾加盟を大いに支持する」の三つである。中島 健(なかじま・たけし) 大学生
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