このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 三軒茶屋 

 小泉純一郎首相が8月15日に靖国神社に参拝する意向を表明している問題で、このところ動きが激しい。既に、ベトナムで開催された日中・日韓外相会談の後、田中真紀子外相は「参拝しないで頂きたい」と参拝反対の意向を表明した他、連立与党の公明党も、公的・私的の如何に関わらず参拝を取り止めるよう働きかけている。中国の唐カセン外相は、田中外相との会談を日本語で行い、記者団に対して「(参拝を)止めなさい、と言明した」と強い調子で不快感を伝えた。
 首相の靖国神社参拝を巡る問題については、近隣諸国や我が国国内にも様々な意見があり、A級戦犯合祀問題や憲法20条(政教分離原則)に抵触する虞が指摘されている。本稿ではそれらの問題の詳細には立ち入らないが(個人的には、私的参拝であれば憲法上の問題は回避し得ると考える)、一つだけ言えることは、総理・総裁に就任して以来「聖域なき構造改革」とともに一貫して表明してきた「靖国神社参拝」の意向を今更撤回するようなことがあれば、小泉首相は大きな「言行不一致」を犯すことになり、政治不信を招いてその後の改革論議における首相の「言葉」の信頼性を著しく損ねるおそれがある、ということである。

中島 健(なかじま・たけし) 大学生


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