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三軒茶屋
2月17日から2泊3日の予定で来日したアメリカのジョージ・ブッシュ大統領だが、その警備も厳重を究めた。元々唯一の超大国であるアメリカ合衆国の国家元首であるので、ウィリアム・クリントン前大統領訪日時も全国の警察官の凡そ1割にあたる1万6000人が動員されたが、今回は対テロ戦争の一方の当事者ということで、それを上回る1万8000人が配備され、検問やデモ警戒にあたった。米大統領専用機(通称”エアフォース・ワン”)の到着した羽田空港は全てのゴミ箱とコインロッカーが封鎖され、展望デッキも立入禁止されたという。
しかしアメリカ大統領のスゴいところは、その車列であろう。13年前の「大喪の礼」の際は、都内に米軍基地を持つ利点を生かして本国から防弾リムジン車を空輸(クリントン大統領のときは、専用ヘリまで空輸したという)。ナンバープレートもつけていなかったが、今回はキャデラック「デ・fヴィル」の防弾リムジン車2両を外交団ナンバーで運用。その他、アメ車のバン数両が追従し、左右は日本側の三菱パジェロの覆面パトカーが護衛して警戒にあたった。こうした大規模な車列は大統領がアメリカ国内を視察するに際しても組み立てられるものだが、昨年8月13日に小泉純一郎首相が靖国神社を参拝した際は日産「プレジデント」など3両だけだったのを比較すると、やはり「如何にもアメリカ」という感じがする。
ところで、今回のブッシュ大統領訪日では、記者会見でも参議院本会議場でも日米両国の国旗が掲揚されたが、その際は星条旗が左側に、日章旗が右側になっていた。通常、国際儀礼からすればより左側、あるいはより中央に掲揚するほうが上位にあるとされ、他国旗と併用する際は自国旗を左側(あるいは中央)に掲揚するのが普通である。現に、その後訪問した韓国では、記者会見で左側に立つブッシュ大統領の背後には大極旗(韓国国旗)が、金大中・韓国大統領の背後には星条旗がそれぞれ配置されていた。無論、相手国に経緯を評するという意味で左側掲揚をする場合もあるそうだし(例えば、その後ブッシュ大統領が立ち寄った中国では、五星紅旗が右側、星条旗が左側であった)、あるいは占領中からの慣例で細かいことかもしれないが、どうもその点、日本側の腰が引けているような気もする。中島 健(なかじま・たけし) 大学生
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