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発刊4周年にあたり
〜月刊「健論」休刊のお知らせ〜中島 健
毎度、「健論」に御来場頂き、ありがとうございます。
さてこの度、月刊「健論」は、発刊4周年を迎えたのを期に、休刊することとなりました。
そもそも本誌は、1998年4月に、我が国の政治、外交、軍事、法律、社会、文化等諸問題に関して、建設的かつ良識的な言論をしてゆくことを目指して私の手により創刊されたもので(創刊当時は月刊「健章旗」という題名でした)、以降、毎月1回、一度も休むことなく、様々な問題について議論を展開して参りました。創刊当初の本誌はコンビニエンスストアーのコピー機で作成したA5の小冊子で、20部ほど印刷したものを、読んで頂けそうなサークルや大学の先生に配布しておりましたが、98年10月からは発表の場をインターネット上に移し、以降、堅い内容のオピニオンサイトであるにも係らず順調にアクセス数を増やして参りました。またその過程で、幾人かの大学の先輩・友人の方々には記事を投稿して頂いた他、健論会会員となって複数の記事を執筆して頂いた方もいらっしゃいました。この間、実に多くの方に月刊「健論」に御来場頂き、意見・批評を頂戴したことは、私の学生生活にかけがえの無い貴重な財産となったことは申し上げるまでもありません。また、このような活動をしようと企んでいた時期にインターネットが発達し、一個人でも容易に情報発信が出来る時代の幕開けを迎えていたことは、私にとり極めて幸運でありました。
ところで、そんな私も先日、無事大学生としての本分を果たし、学士号(法学)を頂戴することが出来ました。従いまして、今月1日からは私もいよいよ社会人としての一歩を踏み出すことになった訳ですが、やはり一社会人として、給与を得て一定の仕事を任される以上は、その任務に全身全霊を以ってあたらねばなりません。少なくとも、これまでの大学生時代のように、十分な時間を費やして調査・研究を行い、一定水準以上の論説を掲載することは、残念ながら難しくならざるを得ません(なお、本会の他の会員4名の中にも1名、大学を卒業し就職した者がおります)。そこで今回、卒業・就職という機会を一つの区切りとして、本誌の休刊を決意させて頂いた次第です(なお、今後のホームページ運営については、 こちら を御覧下さい)。
無論この決断は、私にとって容易なものではございませんでした。本誌の刊行は私の大学生生活の多くを占め、この4年間は、事実上「健論会に就職した」といってもよいほど本誌の記事執筆にのめり込みました。本誌をきっかけとして、多くの方々と知り合うことも出来ました。努力の甲斐あってアクセス数も約28000ヒットに上り、主要検索エンジンをはじめいくつかの活字メディアで取り上げて頂いたこともございました。その為、本誌の将来のあり方については、志を同じくする後輩への委託も含めて早くから色々と想いを巡らせて参りまして、一時は、健論会を大学の正式な公認サークルとして自立させようかとも考えておりました。しかし、いずれの方策をとるにせよ、もはやかつてのように私自身が本誌の刊行に深く関与することは適いませんし、従って、「健論」という表題に対する責任を果たすことも出来ません。そして、本誌に対する私の思い入れの強さは、本誌の刊行が自らの手を離れることをよしとはしませんでした。
またここで、読者の皆様に御理解頂きたいのは、本誌の休刊という決断が、決して私自身の社会に対する関心の喪失を意味するものではない、ということであります。事実、私がこれから働き出す職場は、これまでの言論活動を踏まえそれを実践に移すことが可能なところですし、そうして理論と実践とを十二分に踏まえた暁には、今度はより大規模な媒体を用いて、再び社会に対し言説を以って働きかけてゆきたい、と考えております。今回、本誌を「廃刊」ではなく敢えて「休刊」とさせて頂いたのは、そうした将来を見据えてのことであります。
コンピューター・ネットワークの世界は今や世界規模の広がりを見せており、今この瞬間も、まるで宇宙で輝く星の如く、新しいホームページが生まれ、そして消えて行っております。その意味で本誌も又、その数多くの「消えたホームページ」の一つになりつつあるわけですが、この「健論」というニ文字が読者の皆様の御記憶の中に末永く留められ、そして将来、何らかの形でこれを蘇らせることが出来れば幸いです。
最後になりましたが、本誌を4年の永きに渡って刊行するにあたり、様々な形でご支援を賜わった全ての皆様に、改めて御礼申し上げます。
健論会会長・月刊「健論」編集長
中島 健
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