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西村真悟代議士の講演会に参加して
〜西村代議士と直接会話を交わして〜

中島 健

 私が所属している大学のサークルには、OBを通じてよく有名評論家の講演会のお知らせが届く。例えば、憲法記念日に行われた各種「憲法を考える集会」や、今回の企画「西村代議士講演会」などがそれに当たる。
 今回、私と友人の2人で出かけた集会は、OBで松下政経塾員でもあるさる先輩が主宰している団体から来たもので、内容は、自由党の西村眞悟代議士の講演会であった。場所は江戸川区小岩。定員も40人で、どこかの会議場を貸し切るような大袈裟なものではなく、公民館の一室で行われるようだった。西村代議士といえば、尖閣諸島に上陸し、我が国の尖閣領有を世界へアピールした国会議員として有名である。今回は、少人数の講演会なので直接質問する機会があるかもしれないと思い、勇躍して参加することにした。
 平成10年5月14日午後6時20分。我々2人は、JR小岩駅前から、同じ講演会のチラシを持った人物の後を追って、会場に到達。見れば、会議室の中はまだ空いていたので、我々は前から3列目の席を確保することができた。
 6時30分開会。しかし西村代議士は、国会でのガイドライン関連法の採決のため、予定より少々遅れていらっしゃるとのことで、その間、代議士が尖閣諸島に上陸した時の模様や、その後の国会での質疑の様子を録画したビデオが放映された。ただし、内容は、西村代議士の著書『誰か祖国を思はざる』(クレスト社)の内容とほぼ同一であった。
 7時30分頃になって、やっと西村代議士が到着。パッと見た感じ、あまり「国会議員」という迫力は感じない。別に背丈が高いわけでもなく、政治臭さがあるわけでもない。「案外普通の人なんだなあ」と思ったが、その後の代議士の演説を聞いて、むしろいい意味での、「政治家らしさ」を感じることができた。7時半頃からまるまる1時間、思い付くままに様々な事を熱っぽく話し、インドネシアのスハルト大統領の就任したいきさつや、南沙諸島の問題、それに代議士が特に重要視しておられる尖閣諸島の問題についてで、全体の要旨を簡潔にいえば、「我が国はアセアン諸国とも協調しつつ、中国を警戒しなけばならない」ということであった。
 大演説の後は、短い質疑応答の時間があった。会場は定員40人であり、挙手すれば、質問のチャンスはある。ここで現役の国会議員に直接質問するチャンスを逃しては、もったいない。
 私が質問したのは、「我が国の対人地雷全面禁止条約参加について」で、我が国においては、これ程重要な問題について国民的な議論が全く為されていないのだが、議員はどうお考えか、そして国会内でこの問題は話し合われているのか、等について質問した。これに対して西村代議士は、「おっしゃる通り。国民的議論は無く、国会内でこの問題について発言しているのは私だけだろう」と答えてくれた。また、付言して、英国がこの条約に賛成しているのは、第2次大戦中に自国がエジプトに遺棄した地雷原の処理をしなくて済むようになるからだ、とも指摘していた。
 続いて私の友人が日本の民主主義についての質問をしたが、ここでは省略する。
 しかし、これだけなら単なる「講演会に行ってきました」程度の話になっただろうが、実はそれでは済まなかった。我々は、西村代議士から記念にサインを頂戴すべく、閉会後もしばらく粘っていたのだが、なんとそれが元で、その後の二次会にまで参加させていただくことになったのである。
 二次会は駅近くの居酒屋での「飲み会」だったが、何しろ周りにいる方々は、皆会社員や中年、老年の立派な方々ばかりである。大学生の貧相なコンパとは訳が違う。しかも、なんと我々は、西村代議士の目の前に座ることが出来たのである。そこで我々は再び代議士に質問する機会を得たのだが、残念ながら何を質問したのかは、詳しくは忘れてしまった・・・
 今回講演会に参加して判ったのは、西村代議士は、(こういう言い方をしては失礼ではあるが)思っていたよりも普通の政治家だ、ということであった。これは、これまでの西村代議士を巡る報道に原因があるのかもしれない。報道で紹介される西村代議士は、尖閣諸島に強行上陸した人物であり、朝日新聞を中心に「西村代議士は極右」というレッテル張りが行われている。しかし、実際にお会いしてお話を伺ってみれば、「過激」でも何でもなく、むしろ安全保障問題についてきちんとした考え方を持っている、むしろ模範的な議員ですらある(もっとも、西村代議士の尖閣諸島視察について、私は別にそれを「過激だ」とは思わないが)。アメリカでは、例え政府が政府提出予算案(とはいっても、厳格な三権分立制をとるアメリカでは、正確には政府は議会に法案を提出できないのであるが・・・)で削除した軍備・兵器であっても、議会の討論によって復活する場合も少なくないという。それだけ、アメリカの議会議員は安全保障問題に対する見識が深いのであるが、翻って我が国の現状を思うとき、政府案に賛成するにせよ反対するにせよ、国会議員の方々(特に旧社会党系)には、西村代議士を見習って、もっと安全保障問題についても見識を深めていただきたいものだという思いを禁じえない。

中島 健(なかじま・たけし) 大学生


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