このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
三軒茶屋
最近、電車など公共空間における携帯電話の使用が問題となっているが、閉鎖的な公共空間という意味では、飛行機ほどその性格が強いものは無い。電車であれば、小うるさい女子高性を避けて座ることも出来ようが、飛行機になると、全席指定の上満席時は選択の余地が無いから、被害者側としては苦痛を耐え忍ぶしか術が無いのである。
例えば、私がかつて経験した海外へ行く長距離夜間飛行のケースでは、ちょうど1席背後に座っていた日本人の若い夫婦と子供達の親子連れが迷惑千万であった。子供は、中学生くらいの娘が1人と、幼児(幼稚園程度の児童)の男女が各1人で、この中学生くらいの長女がなぜか1人で写真週刊誌を読んでいるのも意味不明だったが、最大の問題点は幼児2人であった。背後から前の(つまり私の)座席をドンドン蹴るわ、ギャーギャー大声で叫ぶわ・・・夜7時発のフライトで、機内の照明は睡眠時間のため落とされているのにも係わらず、である。更に、この2人の幼児が真夜中に「ブルドッグ」(ジャンケンをして勝ったほうが相手の頬をつまみ、2回連続して負けると両頬を一気につねるという他愛の無いゲーム)をはじめ、30数回にわたって「ブールドッグっ!」と大声でやるのを聞かされた(しかも、読書灯めいっぱいON)。これはかなり顰蹙もので、前に座っていた西欧人らしき夫婦は顔をしかめて背後を向き、自分自身も「ガン飛ばし作戦」を何度か試みた。が、結局、この2人のガキの「ブルドッグ攻撃」により我は睡眠時間を喪失し、更に彼らはめいっぱい日本人に対する評価を著しく落としたのであった(なにしろ、無知な幼児が場をわきまえないのは仕方が無いとしても、大人であるお母さんも全くこれを注意しようとしないのには腹がたった)。その後、飛行機が目的地に到着し、一足早くこの問題家族が降機した後、ふと背後の座席に目をやると、彼らが荒らしていった後の「惨状」が目に入った。床に落ちた機内食とおぼしきパン、粉末。グチャグチャになった毛布。「発つ鳥後を濁す」とはこのことである。中島 健(なかじま・たけし) 大学生
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