このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 三軒茶屋 

 最近、我が国のテレビゲームから生まれたアニメ「ポケットモンスター」が、我が国ばかりかアメリカでも大ヒットしているという。11月10日には全米2800館でアニメ映画(劇場版アニメ)が公開され、興業収入は4日間で5210万ドルに達した。更に、これを見るために学校をサボる生徒が出たり、ポケモン関連グッズを巡って訴訟も提起されているとのことである。ポケモンから一つ前の世代では、日本では女の子は「美少女戦士セーラームーン」がブームであったが、これは男女共にといったわけではなく、男女ともにブームとなったのは「ドラえもん」以来ではないだろうか。
 もっとも、「ドラえもん」と「ポケモン」では、大きく異なる点がある。それは、「ドラえもん」が元々雑誌連載の漫画に由来している正統派アニメであるのに対して、「ポケモン」はゲームに起源を持つ電脳派であり、かつ、「ドラえもん」とは比較にならないほどのメディアミックス戦略によって売上を伸ばしている、ということである。例えば、「ポケモン」には関連商品として交換する「ポケモンカード」があり、小学生でも手軽に購入できる価格で町のコンビニで販売されているが、こうした視聴者をとり込みみずからが物語の主人公になりきれる視点は、(ゲーム版も含めて)「ドラえもん」には無かったものだ。また、キャラクターに「可愛さ」と「力強さ」を同時に盛りこみ、ポケモン間での戦闘を想定しているるのも、男女共通しての流通に一役買っているのであろう。

中島 健(なかじま・たけし) 大学生


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