このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

耳鼻咽喉科の病気の説明



 耳鼻咽喉科の病気と その治療法に関する私の方針を、若干記します。
  (漸次、追加予定?)


 1.いびき・睡眠時無呼吸症候群

   ”いびきの説明”のページに書きました様に、患者さんの都合が許せば、
   2泊3日入院検査を、基本にしています。
   (2日目の昼間薬物睡眠検査が、火 or 金曜日になるのが、当科では都合良いです。)
   
   しかし、初診外来のみでも、閉塞部位や重症度の、推定は可能です。


 2.アレルギー性鼻炎

   耳鼻科では、内服・点鼻薬による治療が主体です。花粉飛散2週間前から
   抗アレルギー剤を内服すると、症状が軽く済みます。

   減感作療法:アレルギーの原因物質を、何万倍に薄めて注射、徐々に
    濃くして、原因物質に反応しなくさせる治療法です。週1回以上、2〜3年
    以上通院しなければなりません。有効率は70〜80%ですが、成功すれば
    その抗原から、永遠に開放されます。当科では、HD(ハウスダスト=
    ダニの死骸)のみ行っています。杉は短期間なので、薬で良いかな?

   手術療法:薬品で鼻の粘膜を焼いたり(3ヶ月位有効?)、レーザーで焼い
    たり(数ヶ月〜数年有効?)等、日帰り手術もあります。
     が、昔ながらに、腫れた粘膜を切り取ると言う手術が、鼻づまりを始め
    とする各症状の改善度が良く、しかも長持ちします。この場合、術後に
    出血する危険性があり、数日の入院と、1〜2週の通院が必要です。

   注射一発:耳鼻科は反対している、デポ・ステロイド剤の筋肉注射。
    一回の注射で、約4週効果があります。逆に、万一、副作用が出た
    場合、これを体から取り除く事ができません。従って、当方からは、この
    治療法は、勧めません(特に、出産を終了していない女性には!)。
     本人が、注射希望を、強く持って受診された場合、最盛期前の一回
    に限って、お受け致しております。


 3.めまい(特にメニエール病、薬剤性起立性低血圧 等)

   めまいの原因は、複雑多岐に渡ります。高齢者では、動脈硬化や心臓病
   も原因になります。肉体的・精神的疲れも原因として大きいです。

   メニエール病:古い内科の先生の中には、めまい=メニエール病と診断
    されてた方もいらっしゃいました。が、メニエール症候群と診断するには、
    内リンパ水腫なる病態を証明しなければなりません。

    耳鼻科で一般に行われているのは、グリセオール(薬用グリセリン)を、
    ある量飲んでいただき、前後の症状の変化を調べる方法です。
    しかし、この方法は3時間+αかかり、(症状の無くなった)後日、改めて
    検査するようになり、黒が白となる事も、少なくありません。
 
    当科では、(富山医薬大の方法を参考にし)
    グリセロール静脈注射による検査をしています。
    これだと、30分+αで済み、症状のある当日に診断できます。

   BPPV(良性発作性頭位めまい症):
    寝ていて、ある方向を向くと、数十秒めまいがするという病気。
    耳の中の、加速度を感じるための重石の砂が、一部剥がれて、変な所に
    紛れ込んだと考えられています(見て来た人はいない)。

    安静にしているだけでもやがて治ります。積極的に、めまいする体位を
    反復し、めまい体位に慣れてしまうという方法もあります。

    浮遊耳石置換法(この石を、元の位置に戻す体操のような物)という
    方法もあり、成功すれば(結構成功します)、一発で治ります。


   起立性低血圧:急に立上がった時、ふらふらしたり。気が遠くなったりする
    病気です。風呂場や朝礼で倒れたりもします。
    体質によるもので、若い女性に多いです。

    最近は、高血圧の治療ため、血管拡張剤を服用している方の中に、
    結構多く、見かけます(血圧下げすぎ?)。

    この診断のためには、立ってる時と立上がった時の血圧を測る必要が
    あります。しかし、この検査の保険点数が削除されたため(必要な検査
     なのに!某科の偉いさん、厚生省に弱すぎ!?認識無い?)
、この検査をしない
    先生もいます。
    

 4.乳幼児難聴の早期発見

   乳幼児の先天性難聴の確率は、1000人に1〜2人と言われ、そう多くは
   ありません。(NICUに入る様な子は、その10倍)

   アメリカのある報告では、生後6ヶ月未満に、難聴を発見し、療育を開始し
   た場合と、それ以降に開始した場合では、言語や知能の発達に大きな差
   があるとされ(6ヶ月で2群に分けただけ!7ヶ月だったらどう?と言う検討ではない)
   現在、ほとんどの州で、乳幼児聴覚スクリーニングが行われています。

   日本でも、1998年より、特定の施設で、その検討が始められました。
   当科では、2001年より、希望者には、DPOAEという機械で、新生児・乳幼
   児(出産時の退院前、1〜6ヶ月検診時、他)の聴覚(聞こえの)検査を行い
   乳幼児難聴の早期発見に努めております。

   このDPOAEと言う機械は、(お子様がおとなしく検査を受けれればですが)
   外来で、あらゆる年齢のお子様の難聴の有無が、簡単に検査できる
   と言う意味で、とても素晴らしい機械です。



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