このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
04カンカン遍路行状記Ⅲ
(牟岐町お接待の会のクリーンウォーク)
国土交通省主催の『88クリーンウォーク四国』平成15年第1回に準備が間に合わず、牟岐
町お接待の会は参加を見合わせた。
今年3月27日、牟岐警察署非番の署員も加わり、お接待の会員30人のグループ合同で国道
と海岸線の清掃が計画されていた。
結願寺を打ち、JR三本松駅から電車で牟岐駅まで戻り、この清掃に参加した。
勿論1時間で処理できるはずも無く、午前中掛けてのの仕事になった。それでも全部が片付
いた訳ではない。「残りは後日に」で仕事を終了した。
2度目の平成16年『88クリーンウォーク四国』天気予報はまずまず。2日前に四国入りをし
た。
JR牟岐町駅からアキカンを拾い始める。いつもより数が少ない。
それでも漸く、タマちゃん袋を一杯にして内妻荘に持参する
翌日宿の主人はへんろ道松坂峠の下草刈りをするというので一緒に宿を出る。此方はたい
した仕事の出来る筈もない。足元に落ちている木の枝や崩れた石ころを端に寄せるぐらいの
ものである。緑の中を歩いてはぐれてしまった。
国道55号線に出て、アキカン拾いをする。鯖大師を過ぎJR淺川駅を過ぎ、ここでもアキカン
は少ない。袋ひとつをアキカン引取り所「cafe ふくなが」お願いして、宿に帰る。
今年の『88クリーンウォーク四国』は情報が行渡り、3月27日以上の参加者が見込まれて
いた。早朝作業なので朝食は作業終了後。
車で集合場所、牟岐警察署に向かう。気になっていたのは空模様。長期予報でも前日の予報
でも『雨』はない筈。それでも山から海へ黒雲が空を震わせ、海から山へ灰色の雲が足早に
渦を巻いている。迎えに来てくれた出口さんの車に同乗する。
宿を出るときから「降るかも知れない」予感はあった。
「雪国」ではないけれど「八坂トンネルを出たら、そこは土砂降りの雨であった」
最高速でワイパーを回しても先が見えない。70年を生きてきたが、このような豪雨は記憶に
ない。
車で走るのが怖い。牟岐トンネルに入ると雨も雨音も消えて一瞬、車はゆらりと蛇行したよ
うな気がした。
再び雨を潜り、警察署駐車場に滑り込む。
雨の中、数台の車が待っていた。軽トラもマイクロバスも混じっていた。雨足がが激しく
外に出ることも、窓を開けることすら出来ない。車の中からガラス越しに、決行? 中止?
を求める合図を送ってくる。
『雨が上がってもゴミ拾いは出来ないな〜』
出口さんの独り言。両手で×を作り中止を決めた。
三々五々車は雨の中を引き返していく。
雨具に身を包みバイクに乗った男性がよって来た。
出口さんは窓を10センチほど開けた。
『やるんかね』
『今日は中止じゃ』
慌てて窓を閉めた。10センチの隙間から雨水がなだれ込んでくる。帰るバイクのエンジン
音は雨にかき消されて聞こえもしない。
携帯で中止の連絡をする。
『もう、来ないでしょう』
そう言いながら、暫く待った。
宿に戻る時、雨足は幾分弱くなったような気がした。しかし車を出て5メートル、宿に
入るまで身体がぐしょぐしょに濡れた事を考えれは、矢張り気のせいであったのかも。
宿の主人はお昼近く帰ってきた。遍路道の下草を刈り、歩き易いように整備する第2班。
山中での濠雨、今更帰ったところでどうにもならん。ずぶ濡れのまま仕事を続け、完了し
てきたという。
8月22日に延期、此方も当日改めて参加する事を約し、牟岐町を離れた。
22日の「クリーンウォーク」参加準備をしていた18日、牟岐町出口さんから電話があっ
た。22日のクリーンウォークは中止するというものである。
① 「88クリーンウォーク四国」は牟岐町以外、既に終了していること。
② 3月27日に遣り残した海南町境海岸。10月に時間をかけて時間をかけて完全処理をし
たい。例年通り12月には道路清掃をする。
理由は以上であった。参加をしたいと思うが、日時の関係もある。
その時にならねば参加、不参加は判らない。
牟岐警察署前で、お接待の会の皆さんにお会いすることは楽しいこと。(写真参照)
3月27日一緒に清掃作業をした仲間達(写真参照)は四国の思い出である。
今年の88クリーンはちぐはぐで終わったが、また来年があるさ。
遍路の実情に続く
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