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平成19年8月5日さぬき市前山地区【88クリーンウォーク四国】に参加 07.8

 今年は二つの台風が、四国に荒れた。2日出発の計画を変更、8月4日早朝家を出た。
始発のバスはまだ動かない。約5キロの道を歩いて市川駅、東京駅6時33分発新幹線ひかり岡山行きに乗る。
電車を乗り継いで瀬戸海の上を走る。
 志度駅下車。駅前で軽い昼食。いよいよ長尾寺に向けて歩き出す。今回は寺のお参りは無い。ビニール袋を
広げアキカンを拾うことが目的。暑い日差しを割いて風が吹き抜けると、四国に来た風景に溶け込めた気持に
なってくる。
しかし、ポイ捨てのアキカンは少なくなっている。夏草の繁茂に姿を隠しているとも考えられるが数は少ない。
今夜の泊まりの宿までに、拾ったアキカンは20個足らずであった。

 
   《平成18年8月6日に、拾い集めたゴミ》  《平成19年8月5日拾い集めたゴミ、左写真に比べそれは少ない》

 8月5日(日曜日)さぬき市長尾町前山地区の【88ラリーウォーク四国】に参加。
午前7時前山ダム「おへんろ交流サロン」に集合と聞いていたので5時30分に宿を出立、アキカンを探しな
がら集合場所に向かう。いつもは遍路みちを歩くのに、アキカンの収穫を求めて自動車道を歩く。暑くて暑く
て汗を流した割にアキカンは少ない。
霊場詣でを捨ててアキカン拾いを生業と決めた者には、嬉しくも少し寂しくもある道中であった。

 目的地300メートル手前の休息所、上半身裸になって朝食のお握りをパクつく。涼しい風と湖面に見とれ
ていて、集合場所には2分遅れた。幸い実行挨拶が5分遅れで始まって、結果はセーフ。
清掃割り当て場所は昨年と同じ、同じように軽トラの荷台に乗って坂道を登る。
『今回は藪の中、谷の底のゴミは拾わなくて結構です。秋の清掃日にもう一度処理することになっていますか
ら……。今日は道路上で目に付いたゴミだけを拾ってください』
朝の責任者の指示が頷けた。藪の中も谷底のもゴミも以前に比べると可なり少なくなっているのだ。

 去年蝮の子がコンクリートの側溝の中で蠢いていた。60年振りの蝮、竹杖の先で追い回し悪戯をした。
『蝮がいる、気をつけろ』
鋭い声がした。その指先3メートルほどに大物の蝮がいた。凍ったように冷たい無表情な蝮の瞳、そのガラス
玉のような視線と向き合った。

 終戦2年目の秋、とぐろを巻き鎌首を擡げ尾を打ち鳴らす蝮を打ち殺したことがあった。アケビの蔓で括り
ぶら下げて帰った。その蝮を当時の国鉄駅員が皮を剥き、焼いてたものを皆で食った。これ程旨いものはない
と思ったのだが………。食糧難、飢餓の時代が最高の美味と舌が感じたのかも知れない。
「こんな大物を生きたまま捕まえたら、蛇屋に高く売れたに」
 活け獲りは別としてもう一度焼き蝮を食ってみたい。何処かでそのような気もして蝮の瞳を見詰めた。
蝮は髭の年寄りを天敵とでも思ったのか。視線を外し方向を転換するとゆったりと、それでいてするりと藪
の中に消えて行った。気がついたら、側溝の子蝮も何処えやら消えていた。

 あの蝮たちに会えたら……と今年のゴミ拾いを楽しみにしていたのに、会うことはなかった。余りの暑さ
に日陰で涼んでいるのか、ゴミが少なくなりゴミに集まる獲物が少なくなったのが理由なのかは分らない。
農協脇の広場で持ち帰ったゴミの分別を済ませ、さぬき市長尾町前山地区の【88クリーンウォーク四国】
は終了した。

 正午のバスでJR志度駅に引き返し日和佐駅前に宿泊。次の目的地牟岐町へ向かった。



平成19年8月8日牟岐町お接待の会【88クリーンウォーク四国】に参加して 07.8

 

 牟岐町の集合場所は牟岐警察署敷地内、テント張りお接待所の前である。【88クリーンウォーク四国】は今年
で5年目。【牟岐町お接待の会】の準会員を自認するが故に、5度目の参加になる。
 此処での作業手順は独特である。清掃場所を分割分担について、集合場所での説明がある。
説明が済むとそれぞれが車に乗って担当場所に散って行く。ゴミは分別しながら拾い、指定場所を拾い終わると
道路脇に分別内容で袋を並べていく。最後を責任者が確認、そのあと町のゴミ収集車が運び去って終わりである。
朝の集合が即ち散会を意味している。作業を終わり、改めて全員が集まることはない。 
前年の写真は1つの作業班のゴミ。今年は出発前の雨を気にする集合写真である。

 徳島県オンリーワン、いや四国でもオンリーワンを堅持する警察署間借りのテントお接待所。宿からその集合
場所まで歩く筈が、雨が降り出し車で送ってもらう仕儀と相成った。運よく作業開始の40分の間に雲が切れ雨が
止んだ。そして作業行程は分割、分担の指示があった。我が担当は、旧海部町との町境にある公園と海岸になっ
た。昨年はゴミを拾いながらこの公園まで歩き続けたもの、今年は車で公園まで運ばれてしまった。

 去年と同じ区間を歩きたかった理由がある。新道と旧道との5メートル幅の茂みの中にスズメバチの巣があった。
サッカーボールほどの黄色い塊が飛び出し、急いで逃げたが右手親指の付け根一か所を刺されてしまった。
右手の甲が三倍ほどに膨れ上がり、翌日の「よここ峠」の下草刈りの同行しながら何の役にも立たなかった。
だからもう一度、スズメバチの巣の所在を確認したい思いが大きな理由であったのに………。。

 公園下の藪に入るも、以前のようなゴミの山は見当たらない。この地区でもゴミは少なくなってきている。
皆でゴミのポイ捨てや不法投棄に注意を払ったら、世界遺産登録の一つのネックであるゴミ問題は解決に向か
うのではあるまか。【88クリーンウォーク四国】今年も二ヶ所に参加して、ゴミ問題解決の期待が大きくなっ
たことは、確かであった。

CAN


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