このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

俳句茶屋餅



 誰もがご存知の俳句茶屋。ここで売られているのが俳句茶屋餅。赤い毛氈や座布団を敷いた
お休み用長椅子とお店の間を、参詣道が走っている。店の幅、道の幅だけ屋根がある。店に声
を掛けるか、赤い毛氈に腰を掛けるか、或いは屋根裏を見上げて通り過ぎるか。
食い物、飲物が関所の形態を成している、とは外見の話。
 一歩店内に足を踏み入れると壁一面に、それでも足らぬと天井から俳句の短冊が吊り下げら
れ、客人を圧倒する仕掛けになっている。だから俳句茶屋でもある。
それでも世の中、蓼食う虫も好き好き、である。花より団子で茶屋餅に目が行ってしまうのも
仕方のないことか。
 
 五七五よりも五四三の方が好きだという人物がいても不思議ではない。俳句が太刀打ちでき
ない大きな短冊に墨痕鮮やか『ところてん あま酒 うどん』と書かれてある方が、人間大ら
かになれる。残念ながらその看板に、茶屋餅の文字はない。
期間限定販売の商品なるが故、要注意。
夏季に確認もせず茶屋餅を注文したら
『餅は冬期間、今は冷たいものだけで……』
やんわりと断られた経験がある。冬季間でも売り切れはある。
参詣前に餅買い? と躊躇していては、幻の餅になることもある。

 遍路なればこそ同行二人。
お大師さんだって五七五より餅が食べたい、と思う時もあるだろう。
相手の立場を考え、時には目を瞑ることも大事な修行の一つと会得すべきである。と………。
糖尿君もなかなか言うネ。

CAN


観たり、訊いたり、糖尿の食い倒れに戻る

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください