このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

【真念へんろみち】
  ● 以布利浜みち

 国道321号線。幡陽小学校を過ぎると左手に、民宿旅路が見えてくる。そのまま進むと、
右手に民宿星空がある。向かい合うように遍路道の標柱が建っている。指示に従って家
屋の脇を抜ける畠中の道は、車道に出る。左に折れ、道なりに下れば以布利の港である。
 左手に広場がありトイレも休息所もあるのだが、そのまま進むと道は小川に突き当たる。
左に直進すれば道は左へカーブ、やがて堤防突端の行き止まり。途中に、右に折れるコンク
リート橋がある。

 
    …以布利港にいたる標識…           … 以布利港休息所及びトイレ…

 この橋を渡ると愈々自分の足だけが頼りの、へんろ道となる。以布利浜みちである。
始は岩を穿ったような細道だが、直に波の打ち寄せる浜みちとなる。
砂と砂利、それに大きな石もゴロゴロしている。台風の後などは流木、漁船の魚具類、
家庭用ゴミが重なり合って、歩行困難な浜道に変わってくる。
 遠くに岩をくり抜いた穴が見える。あそこを通り抜けるのだ。初めて此処を歩いた時
そのように思ったのだが、道はその手前で山に登るようになっていた。
細い谷川の向こうに立つお地蔵さんに、クスリ笑われた事を思い出す。

 
…緊張の遍路に微笑を投げるお地蔵さん…      …無言で立つ真念丁石…

 じめじめとした道は、かなりの急坂である。一服しようかと思う頃に道はなだらかにな
り、一軒の家が見えてくる。何処かで誰かが気使っていてくれる、安心の道でもある。
家の横を抜けると車道に出る。指示板通りに左へ。暫く歩くと谷へ降りる小道がある。
かなりの急坂だが、車道を遠回りするよりは身体に楽。降り切った谷には橋が架けられ
ていた。
以前は流れに頭を出している石を踏み台にし、ぽんぽんと踏み越えたもの。
へんろみち協力会の人たちの心が橋を架けてくれた。雨の日の心配は無くなった。

     
   … 遍路みちの案内板…        …案内板の先、谷川に架かる心の橋…

 橋を渡ると下った分、登らねばならない。登り終えると其処は先ほどの車道。
案内板に従えば車道を横切り、蜜柑畑に分け入ることになる。
蜜柑の賑やかな季節には「李下に冠を正さず……」で、歩き難いへんろ道かも知れない。
蜜柑と垣根に挟まれた道が終ると、竹林を下る道へと続く。

 
…季節には蜜柑の匂うみち…            …やがて荒れた竹林へ…

 漸く三度目の車道に出た。車の余り通らない、くねった車道はバスも通る車道に繋がった。
ここに以布利分岐標柱がある。お天気なら変化のある、陽気なへんろ道である。 
大皿に色々な料理がほんの少しずつ、ちょびちょびと載っているような、楽しみの多い
【へんろ道】ではある。

 (注) 土佐清水市 へんろ道ウォーク資料による【ホウノ谷道、伊予駄馬】を含め、以
     布利分岐までを【以布利浜道】として紹介しています。


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