このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
本の紹介 (ITから子どもの脳を守る)
今回で3冊の本を紹介することになります。
1) 巡礼やすらぎの旅
2) 自分の「好きなこと」「やりたかったこと」をやろう
それと「ITから子どもの脳を守る」の3冊です。 1) 2)は、カンカンラリーのメンバーである
森山 透氏が執筆したものです。
3冊目は、若狭 真 大塚 邦明 編著とあるように、それぞれの分野で活躍されている人た
ち15人の執筆によるものです。勿論森山氏も執筆者のひとりです。「人間脳を育てる」が副題
になっています。
【今、子どもがおかしい……一体どうしたのか?
それは【パソコン、TVゲーム、携帯メール】では、想像、愛、希望、我慢の働く場である前頭葉
が活動しないからだ】本の黒い帯には、白い文字が未来を暗示するように座っています。
健康運動指導士、カルチャーセンターシステム担当部長、学校心理士、医学博士、子育て支
援研究センター事務局長、医事評論家等々……立場から執筆していて、考えさせられる一冊に
なっています。読み終えて「ITから子どもの脳をまもる」の題名ほど悠長に構えてはいられな
い、緊迫した現実社会であることに気が付きます。
日本人の人口に占める子どもの割合は、年々減少しています。これに反し大人の、人口に占
める比率は高くなっています。子どもの脳ではなく、大人の脳をどのように守るかが問題のよう
に思えてきました。
子どもの頃、食べ物がありませんでした。山葡萄、あけび、あしなが蜂の幼虫、小さい泥鰌
が、生で食べられるおやつでした。学校には黒板はあってもチョークが無く、鉛筆も紙もあり
ませんでした。遠足は歩くこと、それも裸足で。本当に貧しい時代でした。
自転車は村に5台ありました。村長さんとお巡りさんとお産婆さん、それにお金持ちの家。
豊かになりたいと、皆一生懸命働きました。
いまは豊かになりました。確かに経済的には豊かになりました。欲しい物は何でも手に入り
ます。目の前の幼稚園まで、車での送り迎えです。学校の給食も食べるより捨てるほうが多い
とも聞いています。
あの頃、雨の日には座敷に鎮座していた夢の自転車。今は溝に捨てられ、駅前広場に転が
って、誰も振り向きません。自動車すらも山あいの林に朽ち果てています。
豊かさとはこの様なものだったのでしょうか。
自分さえ良ければ、それでいい。戦争に敗れ、与えられた自由と民主主義。個人主義と利己
主義を、どこかで取り違えてしまったのでしょう。
昔、戦争で世界の沢山の人を殺しました。また日本人も、沢山の人が殺されました。
それでも、日本人が日本人を殺すことは、滅多にありませんでした。
終戦直後の混乱の時代。、福島県で「1家6人惨殺」の事件があり、大騒ぎになったほどです。
あれから60年、日本は豊かな社会になったのに放火も殺人も日常茶飯事。豊かさと引き換え
に自尊心も、他人に気を配る隣人愛も、日本人の脳は惜しげもなく捨てていきます。
読み終えて本を閉じました。裏面の帯には【ITは脳を使わない携帯メールに夢中の、あなた
の脳も危ない】とも記載されてありました。
題名【子どもの脳を守る】ですが、本当は大人の脳に呼びかけているのではないでしょうか。
子どもは大人の、そして親の背を見て育ちます。
読み人の心に問いかける貴重な1冊です。
これから先、大人はどのように行動すべきか。
矢張り、お金の豊かさを追い続けますか。
それとも、捨てた心の切れ端を拾い集め、心の豊かさを追い求めますか。
読み終えたあなた(わたしも含め)どのように行動しますか? 本は問いかけています。
その前に、先ずは、ご一読を……
CAN
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