このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

古目峠 (こめとうげ)




へんろ古道古目峠があると、牟岐町お接待の会で聞いた。頂いた地図を片手に早速歩いてみた。
国道55号線を牟岐町から室戸市へ向かって進むと徳島 高知の県境が迫ってくる。県境は古目峠
の最高地点辺りを東西に走り抜けている。
 入口の目印は宍喰温泉① 55号線を離れ右に折れる。緩やかな下り。道は55号線に並行するよ
うに穏やかに曲がる。右側に公園があり、公衆トイレも鎮座している。
御用とお急ぎの無い方は御ゆるりと、どうぞ。
屋並みの中を痩せた旧道が威張って通る。宍喰川に架る宍喰橋を渡ると丁字路。左に折れる。



 折れると直ぐ、右への細い道がある。3間ほど奥、この道に面し磨かれ飾られた古目大師堂②
が建つ。昔は堂前のこの道が山裾を回って、古目峠道へ繋がっていたに違いない。道先には家が
建て込み、抜けられそうにもない。頂いた図面通り、次の道を右折する。正面には55号線、緑の
山肌を行き交う車列が忙しない。三叉路を右にとる。
 道の右側に関所跡がある筈。其の筈が見つからない。擦れ違った地元の人に尋ねたら「あそこ」
箱根の関所跡を連想していたのに、関所跡を示すごく小さな小さな石柱③。「これが目に入らぬか」
だけだ。【右写真参照】



 目から石柱を取り出し、進むべき前方を確認する。道路左側に沿って白い建物が長く伸びている。
其の切れ目、いよいよ古目峠の入口が確認できた。山に入ると何処にでもある山道。コンクリート
を歩いて来た足裏には、心地よい柔らかさ。その分、勾配は低くとも坂を登らねばならない。



木々の間を縫って小道は数本に枝別れをする。どちらを歩こうと心配はない。直ぐに1本の道に束
ねられる。上りが平らになって、やがて下りになる。この辺りが徳島 高知の県境になる④。
勿論町の境界でもある。



 下るほどに家並みが見えてくる。小道が軽トラ道になり甲浦港に突き当たって丁字路になる⑤。
右へ折れれば湊の漁船を見ながら汐を嗅ぎ、旧道を歩いて何れ55号線と合流する。のんびりとは
出来るが、時間と距離は当然伸びる。御用とお急ぎの無いお遍路さんの楽しい道と云える。
左に曲がれば55号線に出る。あとは一直線。
 古目峠でひと汗かいたご褒美、日陰にひとり楚々と咲く美人に逢うことができた。


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