このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
山と私
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山との出会い
中学時代から山岳部なのと言うと皆一様に驚きます。担任の先生が山男で経緯はもう
忘れましたが、時々クラスの何人かが先生と奥多摩や丹沢の山に行き始め2年の時、
正式にクラブ活動の1つに加えられたのです。英国隊のヒラリー卿が始めてエベレス
トに登り、映画にもなった頃です。
都会の子供達ですから行き先は日帰りの奥多摩、奥武蔵、丹沢方面ばかりでしたが、
校庭でテントの張り方、自炊の方法も練習したものです。
学校時代は山岳部、社会人になってからも山の会に入ったりして、時々ですが山歩
きも半世紀になろうとしています。
一時は岩登りの練習もし、沢にも入りましたが今は後7〜8年、安全に歩く事を心がけ
ています。
昔は山の用具が重かった事、小屋に泊るにもお米持参だった事が思い出されます。
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日本の山、海外の山
国内だって広い。北海道や九州の山。アプローチの長い山へはなかなか行かれませ
んし、逆に四季を通じて何度も足を運ぶ山もあります。
若い頃、海外の山なんて夢のまた夢でした。ところが行こうと思えば何処へも行ける
ようになりました。ヨーロッパアルプス2回、ヒマラヤ、カナダと憧れの山を身近に見
ながらのトレッキングに参加しています。
カレンダーで見た世界、或いは8000m峰を1日中見ながら3000m位を歩くのです。
私の行った山域ですが、海外の山は雪上技術や岩登りを必要と登山の領域とハイキン
グの領域にはっきり分かれています。
その点日本の山は1番高い富士山でも1度は登りましょうの軽い感覚で誰でも登れます
し、3000mクラスの山でも無雪期であれば登れます。私程度でも拒まれないのがいいです
ね。それでいてメジャーでない山は低くても手ごわい山が多くあったり、四季を通じて
経験に応じた山歩き出来るのがとてもよいと思います。
ヒマラヤでは8000m峰に圧倒されます。まさしく其処は神々の座。毎日毎日高峰を眺め
ながら心は満足感で一杯。私など他の事に考えが及ばない放心状態が続きます。
草原と氷河と岩のヨーロッパアルプスは、ハイジの世界に入り込んだような錯覚を覚えま
したし、氷河を抱いた山々連なるロッキー山脈は針葉樹の森、氷河や湖などドラマチック
な風景と多くの野生動物に会えました。
少々の体力、技術力必要ですから行きたい山を厳選? する時期にきています。
仲間も年と共に我侭になったり肝心な足が不調だったり意見調整もままならない傾向で、
少しの不安はあるものの単独行動を選んだりもしています。
★ 山のゴミ
カンカンラリーは四国の遍路みちを始めとして自分達が住む地域からアキカンやボトル
等のゴミを拾い綺麗な国にしたいと始まった活動です。
さて趣味で山歩きをしている人はというと何の根拠もない私の感想ですが、近年特に、山
でゴミやタバコの吸殻を見かけることはとても少なくなりました。
個人山行、グループ山行、ツアー山行と行き方は色々ですが、ツアーを主催する旅行会
社も細かく指導しているようです。
たとえばティッシュペーパーは水に溶けないのでトイレットペーパーを持参するとか。止
むを得ず野外で使用したものをその場で捨てないと言った具合です。
以前は岩陰など目立たないところにまとめて捨てる人が居たり、果物の皮は土に返るか
らといって草むらに捨てたりといった按配でした。街中は前より汚くなったと思いますが
山は周知徹底してきたように思います。
★ 二度と登りたくない山
好きな山ですから下山の時は、又季節を変えて来たいと思ったりします。たとえ大雨に
遭ったり藪こぎでくたくたに疲れたとしても何時の間にか忘れてまた登りたくなるのが普
通です。
新潟、長野、群馬県境に近い鳥甲山(2038m)は秘境と言われる秋山郷にあります。
この山へ登ったのは紅葉が綺麗な時期で天気にも恵まれ稜線は高い山ではないのに岩場で
すから素晴らしい景色でした。麓の屋敷温泉に泊り翌日登ったのですが、急な登りが続き
やっと山頂着いたもののその先はナイフブリッジの尾根、下山は両側が切れ落ちたカミソ
リ岩の難所という具合でした。
麓にたどり着いた時は疲れよりホッとしました。仲間と一緒に素晴らしい山に登れたし本
当に良かったのですがまた登ろうという気持が起きないのです。
★ 山の動植物
殆ど自然そのままの山ですから其処に生息する動物は多いはずですし、里では見られな
い高山、亜高山に咲く花は登山者の目を楽しませてくれまたその花を見たくて登る人も多
いと思います。
但し動物は人の気配で隠れてしまう事も多いはずですが、よく見かけるのは鹿、りす、
うさぎ、きつねくらいです。
よく熊に注意と言う看板を見かけますが幸い遭ったことはありません。蛇は何処にでもい
そうですがその割には見かけることは余りないです。
植物は標高と緯度によりはっきりと分かれますが、季節により山を彩る花々の種類は大
変多く若い時は植物に詳しい友達と歩きながら随分覚えたものですが最近では主な高山植
物の3分の1くらい知っているかどうかという状態です。
単独または少人数で歩く時は熊よけの鈴を付けて歩きますが、去年火打山からの下山時
は大雨で他の登山者は山小屋に停滞した模様で私ひとりでした。
大雨では鈴の音も聞こえません。熊に遭遇するのが厭で大声で歌いながら山を下りました。
カナダでは10人以上のパーテは認められません。それでいて6人以下でも駄目なのです。
何でも人間が6人以上集まると熊の臭覚が人間の存在をキャッチするのだそうです。
実際は如何なのでしょう? 熊に聞きたいところです。
★ 3つの楽しみ
山の場合は目的地が決まれば最新の情報を集め、地図を買ってどんな山かをある程度理
解した上で出かけますが、これはリーダーだけの役目ではありません。わくわくした気分
で地図を見たりわけで、大きな楽しみなのです。
歩いている時は麓から登るにつれ変っていく景色、爽やかな風、可憐な植物、春のみず
みずしい新緑、秋なら素晴らしい紅葉と真っ青な空、晩秋の山も静かでふかふかの落ち葉
の道も素敵だし、岩稜帯の稜線、お天気に恵まれれば山頂からの景色はまさに極上の絵の
ようです。
ある夏の日ひとりで涸沢から北穂高へ登りました。
槍ヶ岳から西穂高岳までのルートはなかなか厳しく、北穂から南岳、北穂から涸沢岳、奥
穂から西穂のコースは歩いていません。槍〜南岳、北穂、涸沢岳〜奥穂〜前穂は歩いてい
ます。
また来たいと思ってもその機会はなかなか無いので、一休みの後往路を戻る心心算でした
が山頂を去り難く、結局鳥も通わぬ等と言われている岩壁を眺め寒いのを我慢して夕日が槍
の肩から沈むまで飽きることなく眺めていました。
山から帰ると簡単に記録をまとめたり写真の整理をしたり、最近では同行者からビデオ
が送られてくる事もあり、それらを見てはご満悦というところです。
★ 歩く
通常の生活でもバス停4つや5つの距離は当然のように歩いています。但し込んだ所や
デパートの中は苦手です。
たまにウオーキングのイベントがあるのはご存知と思いますが、私も何回か参加をしまし
た。
夏の山手線一周、確か45キロ前後あったと思いますが、夜7時頃出発し参加者全員で歩
きます。気分良く歩ける道少なく、もう厭ですね。
新宿から東京の秘境といわれる桧原村へ、山手線一周よりはずっと良いものの桧原村辺
りでは夜で残念でした。
良かったコースは六甲山縦走。関西の友人の案内で晩秋に歩きました。
神戸須磨浦公園から宝塚までの55.5キロですが標高230mから標高934mの六甲山脈をアップ
ダウンを繰り返し、16時間をかけて歩きました。
六甲は初めてですし変化にとんでいて楽しく歩けました。
また、毎年春に行なっているようですが外秩父七峰ハイクは標高600mから900m位の山道
が殆どですので足の確認? のためまた参加したいと思っています。
佐野 尚子
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